コロナ分類「引き下げ」検討…死亡率低下しインフルと差なし、治療法も増える

12/1(木) 9:59配信
読売新聞オンライン

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけについて、加藤厚生労働相は30日、専門家でつくる助言機関の会合で、見直しに向けた議論を本格的に始めるよう要請した。厚労省は専門家の意見を踏まえ、濃厚接触者の待機などを求める現行の「2類相当」の運用からの引き下げを検討する。

 加藤氏は会合の冒頭で、「新型コロナの病原性、感染力、変異の可能性についてどう評価するのか。分かりやすい考え方を示してほしい」と述べた。

 感染症法では、様々な感染症を感染力や症状の重さに応じ、1〜5類の5段階などに分類している。新型コロナは「新型インフルエンザ等感染症」という特別な分類で、2番目に厳格な「2類相当」の対応が取られてきた。厚労省は中長期的には、季節性インフルエンザと同じ「5類」への引き下げも検討している。

 議論が加速化する背景には、今国会で成立する見通しの感染症法などの改正案の付則で、見直しについて「速やかに検討する」と明記されたことがある。

 第6波以降、オミクロン株が主流となり、死亡率が低下していることも大きい。財務省の資料によると、60歳以上の死亡率はデルタ株が流行した昨夏の第5波では2・5%だったが、今夏の第7波では0・48%(大阪府)となり、季節性インフルエンザ(0・55%)と差がなくなっている。

 治療法も増えており、22日には、塩野義製薬が開発した国産初のコロナ飲み薬「ゾコーバ」が緊急承認された。海外では感染対策が緩和されつつある。