21:20 2015/3/31 (0)
介護で2年半。
職は探さずに辞めた。
「受かるだろう」という思いで
あったけど、希望していた
事務職は予想以上に厳しく
何度も面接に落ちました。
まあでも6回ぐらい。
資格もなけりゃ経験も介護のみ、
それはもうディスられました
ディスられるために
来てないんだが。

大分絶望的で
本当にフリーターに
なるかと思った。
正直今の会社も
「とりあえず行こう」と
重い腰をあげて行ったくらいで。
でもハローワークの人は言った。
「この会社どう?
社長さんがこの間未経験で
いいからどうしても
若い人がいいって来てくれた
んだけど」と言われた瞬間
社長がくるの?聞いたことない!
と何かが違うんだろうなと思う
会社でした。
結果、親戚経営だったから
わりと色々違う会社だったんだけど。

面接にいったときも名刺を
渡され、もうすでに歓迎という
一言が相応しいくらいの
お出迎え。

面接の時、社長が何度も言った。

「無理は絶対したらダメ
絶対にしたらいかん」

呪文のように何度も何度も言った。
私は思わず泣きそうになったのを
今でも本当に覚えている。
今まで職場では誰も言って
こなかったこと。こんな力強く
言ってくれる職場なんであるんだ。


そして部長が私に問いだした。

「製造はどんなイメージでしょうか?」

私はこの時全く何も答えられなかった。
どういうイメージだなんて
つくる?だけ?え?他に何が。
答えに詰まっていると
総務が
「わしも知らん」
と笑い飛ばしてその質問は
なくなったけど。

質問の答えを採用がきまって
働いてからも何度も考えました。



採用がきまって初出勤。
もうわけがわからないくらい
新しい環境にあたまを痛めた。

工場に足を踏み入れた時、
でかい機械を前にして
部長は言った
「本当に危険だらけだから」
たしかにものが落ちてきたら
重症どころじゃないかも
しれないと少しぞっとする。
平然と作業を続ける現場の人に
凄いと素直に思った。
そういえばこれ
建具やっているじいちゃんちにも
似たようなものあったなと
思いながらも。今まで
分からなものと気にも
とめてなかった。


鉄ってすごい固い。
けど曲がるし、削れる。
機械つかって泥だらけになって
ひとつのものをつくる。

テレビで何度もみたし
わかってはいたけど、
こうやってみると凄い。
かっこいい。
なんか、これをつくるんだという
目的をもってやっているって
やっぱり違う。

中には本当にモノづくりを
楽しんでる人がいる。
私にいつも現場においでと
スカウトしてくる。
本当に心の底から
楽しんでいる。
私は羨ましかった。
楽しいことを仕事にしていることが。
この人から色々学びたいと思った。





そしてこの間、
他の業者さんが1ヶ月ぐらい
私たちの工場を組立品を
つくりたいからと借りて
いたのですが。
どんどん組み立てていて
毎日ああでもないこうでもないと
皆言い張っていて
いざ完成の時。
18メートルほどはある
結構大きい機械。
ラップを巻く機械でした。
試運転の時がきて皆が集まって
ドキドキしながら待つ。
機械がしっかり動いて
ラップが巻かれた時。

皆で嬉しい声で
やったー!とさけぶ

ああこれが製造だ
とすごい思った。


ああでもないこうでもないと
皆で言い合って、時には
喧嘩もして、意見だしあって
やっと完成させて
世の中の機械となって
皆で喜ぶ。

その瞬間に立ち会えて
すごい嬉しくて泣きそうになりました。

これがあるから頑張れるんだと。
危険の伴う現場でも作業をして
ひとつの部品をつくって
いろんな部品が重なって
出来上がって。

その組みあがった部品を
つかって生活しているのが私たち

なければ生活できない私たち

誰かがやらなきゃできない事



なんとなく答えかは分からないけど
少なくとも私が3ヶ月で
おもったのはこれ。
そして私もモノづくりに
混じれたらいいなと日々思う。






まだ社長に怒られる時があります。

おやじギャグについていけない
ときがあります。
面白いんだけど。

先輩に何度も何度も
教えてもらってます。
忙しい中だったりもするので
嫌な顔はされたりするけど、
「少しずつだ」と本当に
何度も言われます。



そんな先輩に
3ヶ月たって試用期間が終わるけど
どうですか、と聞かれて
思いました。

色々あります。

初めてで分からない事だらけです。

製造って何?から始まってます。

はっきりいって介護の知識なんて
何の役にも立ちません。
ビジネスマナーもある程度と
思ってけど全然です。


正直今まで私が何をしていたのか
分からないぐらい情けないです。
まるで今までの経験を
全部なかったことにされるかの
ような。でも誰も前の事を
なかったことのようにしている
んではなくて、結局自分が
そうやって自分のやってきた
ことを無駄にしようとしている
だけなんだと気づく。

自分の人間性を今一度
見直してるところです。


でもきっとここでいいんだと思います。

向いてるとか
向いてないとか
こんな職がやりたいとかしたいとか
正直そんなのどうでもよくて
ここで頑張りたいと思った。

ここで皆と頑張っていきたいと思った

それだけです


良い部長と良い社長と
良い作業員さんたち。

そして良い先輩に出会えたことに感謝です。


私はここで頑張ります。

試用期間が終わりますが、
もしよかったらまだ
雇っていただきたい。


頑張ります




-エムブロ-