黄昏ゆく街で

 

1月9日 12:27


夢に数年前の恋人が出てきた。
東北出身の恋人だった。

夢の中では、小雨の降るある日に
一緒に歩きながら散歩をしていた。

道端には、現実ではありえない大きさのカマキリの轢死体がたくさん転がっていた。

夢の中では、その元恋人と仲良さそうに話す自分たちが居た。とても楽しく、満たされていた。
そういえば付き合い始めはこんな風にお互い幸せだったな...と目が覚めてふと思い返す。

楽しいと思える夢だったせいか、
起きてからの喪失感は強かった。

現実の、現在の自分には恋人も親友も居ないし
心から楽しいと思える何かはもうないから
幸せな夢を見ると、その落差がキツい。
あの頃の自分と比べても、まさか自分がここまで塞ぎ込んだままの人間になるとは想像していなかったくらい。


数年前の元恋人が夢に出てきたのは、
きっと昨夜その元恋人の写真を見たからだと思う。

1枚の暗がりで撮った、顔すらよく見えない暗さの写真。
場所はどこだっただろうか。
どこかの外で、野良猫たちと戯れるところを撮った1枚だった。

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