隠れんぼ

女子会、と云うわけではないが王下七武海の会議があると自然とその前倒しでお茶が出来るのは幸いだ。
そそれは、これから間違いなく起こる惨劇への覚悟の時間である。
｢もうやだ！干からび過ぎてお肌ザラザラになる！干物になる！｣
｢あら、だったら私の個人秘書にならない？可愛がってあげるわよ。ね。｣
｢発言が凄くエロ親父臭い！｣
項垂れながらもショートケーキを頬張る可愛い櫻子ちゃんは巡り巡ってあのクロコダイルの秘書である。
砂漠あっちーよ干からびるよ、とよく言っているがその肌は相変わらず白く瑞々しいので可愛がられているのだろう。
そして優雅に紅茶を飲むのが先日中将に昇進した歌子ちゃん。
参謀たるおつるさんの後任として日々職務に励む彼女はその美貌も相まって人気が高い。
最近恋人が出来た事は同郷同期の私達だけであり、口を滑らせたら干物になるどころではないだろう。
そして、私は。
｢フッフッフッ！御主人様を放って浮気たぁ、いけないお世話係だぜ。｣
｢うっわ凄く視力が下がりそうな服ですね！気持ち悪い！｣
｢おい鰐！この100％砂糖女早く引き取れ！｣
｢海水に付ければ丁度いいんじゃねぇか？｣
｢ぎゃー！溶ける溶ける！｣
｢ナメクジかテメーは！｣
あぁ、カオス。
というか正義の味方である筈の歌子ちゃんは笑いながら撮影を開始しているがそれでいいのか。
｢世も末だわ。｣
｢海賊の前で言っても意味ねーだろ。｣
｢視力下がるんでやめて下さい。｣
そして片手で私を肩に担ぎながらニヤニヤ笑うこれが、何を間違ったのか滞在中にお世話という名の監視役であるミンゴさんだ。
｢女の子は砂糖とスパイスとその他不思議なもので出来てるって知りません？｣
｢なら食っていいって事だよな？甘そうだ。｣
｢嘘です。脂肪と血液と肉と。｣
｢焼いたら美味そうだ。｣
｢あぁ、豚だけにな。｣
｢会話に入りやがらないで下さい。鰐野郎さん。｣
｢干からびさせてダイエットに協力してやろうか。｣
｢その前に櫻子ちゃんやばいから！｣
助けてお巡りさん！！
｢あら、呼んだ？｣
違う貴方はどっちかというと加害者です。

歌子様→ハデス
私が好意を持った時点で貴方は幸せなのよ。分かる？分かりなさい。分かったら返事をなさい。が基本スタンス。冥府の王様がビビる迫力。色々甘いそれやこれを思うけど、言われ慣れてるだろうし自分が言っても、と上手く言えないハデスさん。でもちゃっかり斜め後ろくらいにはいて、歌子様に溜息交じりに手を引かれてやっと隣に立ててそれだけで幸せを噛みしめるハデスさん。

ゆきちゃん→トール
問題児と優等生。
大体ロキさんとやらかして首根っこ掴まれるゆきちゃん。
やべぇ！トールさんのお仕置きあざぁっす！うひょー！とか斜め上のハイテンションにトールさんの眼差しと溜め息の冷たさ。それでもたまにこういうのがいいのか、と迫ってみたくなるトールさん。でも本当にやった時の反応が怖くて一歩手前で止まる。暫くは平和な追いかけっこ。

櫻子ちゃん→バルトル、アポロン
両手に神様。24時間365日お姫様扱い。優等生なので学校生活も平和に見えたが中身がどす黒いヤンデレsとの駆け引きなので胃と精神は限界に近い。スキンシップもかなり激しいので頑張れ櫻子ちゃん。逃げれない櫻子ちゃん。追い詰められる。
しのちゃ→尊
健全カップル。つかず離れずな距離感と恋人らしい事をゆっくり学んでいく微笑ましさ。最近は毎日手を繋いで登下校している。ふとした瞬間にさらっと爆弾を投下するしのちゃに尊は照れつつもデレてくる。何時か仕返ししたいけれど、無自覚に倍返しされる。
うーちゃん→月人
似た者同士。神様と人間の違いや自分の性格に悩みつつも、寄り添って同じ時間を共有している幸せを止められない。熱心に先に進もうとしない。ひたすら隣にいて読書の日々だが本人達は幸せ。
あすかちゃん→ロキ
熱烈かまってちゃんなロキに慌てるあすかちゃん。毎日毎日アピールしているのに慣れないあすかちゃんが可愛くて可愛くて仕方ないロキ。ゆきちゃんとあすかちゃんの可愛さを語り合い本人に恥ずかしがられトールに溜め息を吐かれる。ダブルデート計画中。
美晴→トト
会話を試みようものなら真っ向否定されて心を折られるので最近は話し掛けない。基本関わりたくない。それでも図書室にはアヌビスの面倒をみろ、と連行されるため隅っこでお菓子を食べながらアヌビスと遊ぶ日々。最近周りがみんな恋人作って羨ましいなぁ、と呟いたら辞書で殴られた。痛すぎて泣いた。