『君はいつまで其処に立ち続けるというの?』


仲間と群れ艶やかに咲く菖蒲に笑われた。五月蝿い程の紫が私の目には些かいたい。


私はいつから此処に居るのか…もう何百も年が過ぎた。人の手に補強されているから、私はもう疲れてヘトヘトなのに、倒れる事も出来ない。
こんなに年老いあちこちへ枝が広がった私を、人は美しいと癒されると風情があると そう言って通り過ぎていく。

私ももう癒されたい。
そう思った時にあの五月蝿い紫色が目のはしで揺れた。

『君はいつも周りが枯れまた美しく再生するのを見ているけど、僕は君と一緒に枯れ朽ちていきたい。僕だけが醜く枯れゆく姿は見せたくない。そして今度は、一緒の時を歩みたい。それが短くても、永遠の様に長くても。』





葉が揺れたのは、風のせいか それとも、




. 06/18 23:00
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-エムブロ-