キッチリと引かれたアイライン。
美しく塗られたリップ。

どれもこれも男を誘っている様な。


青い着物を着こなし、こちらにむかって微笑む彼女は清楚といって構わない清浄さを持っているのに、ジツと見ているとどこと無く毒を孕んでいて、とても恐ろしかった。

場所はアルコールを摂取した頭では何処かのラウンジであるという事しか理解は出来ず(そもそも私は友人に連れられて来ただけなのだからお酒を飲んでいなくたって何処にいるのだかわからなかったに違いないのだけど)、すこしだけ離れた席に座って連れの男の人と話をしていた彼女が視界に入った瞬間に同性の私ですらこの場がとても華やいで見えた。

その後すぐに男の人は席をを立ってちょうど私とは向かい合う向きで座っていたために不躾にも見つめていた事が彼女に分かってしまったのだ。


そして、彼女は私にとても美しく微笑んだ。

. 07/13 01:28
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-エムブロ-