話題:泣ける話
泣けるか話かどうか分かりませんが、私の過去にあったお話。
小さい頃、私は隣の家のコリーに(名はシェリー)会いに毎日通っていました。
夕方のお散歩についていったり、親に呼ばれるまで遊んだり。ボールを投げたり、走ったり、たくさんたくさん遊びました。
シェリーの世話役のおじさんとも遊びました。花梨の木に実がなればくれたし、よく話もしてくれました。
おじさんとシェリーが、本当に、本当に大好きでした。
小学校高学年になり遊びに行けなくなっても、シェリーは寄ってきてくれました。
おじさんも温かく挨拶をくれました。
けれど中学高校となれば滅多に行けず、会えなくなりました。
そのまま、数年が経ちました。
その家に忌中の札が…。
突然の、おじさんの死でした。
大好きで大好きで、一番お世話になった人の、若すぎる死でした。
意気消沈してその家を出たとき、
ワンッ!!
一鳴き、シェリーの声がしました。
あっ…と振り向きました。
元気だったんだ!久しぶりに会いたいな。
そう思ったのと、おばさんがまた玄関に出てきたのは同時でした。
どうしたのだろうと走って寄れば、言い忘れたことがあるそうで…、
何だろう。と思いました。
そして話が終わったらシェリーに会わせてもらおうと思っていました。けれど、
"シェリーね、死んじゃったの"
もう、シェリーには会えませんでした。
"あの人が死んでから一ヶ月後にね…"
後を追うように、老犬だったシェリーは静かに亡くなったと、おばさんは言っていました。
最初は気のせいだったんだと思いました。
けど多分シェリーは、私に会いにきてくれたんだと今は思います。
最後は全然遊びに行けなくて、私のことは忘れただろうと思ってたけど、
ちゃんと覚えててくれてたんだ…。
最後に会いに来てくれて、声聞かせてくれてありがとう。
今でも、ずっと大好きだよ。
おわり。