雪辱園


以前多摩動物公園に来たときはいくつか見逃してしまった動物がいたので、雪辱を果たしにきた。

また来たなとすこし懐かしい象の像を視界に収めてぼんやり客足の程を見つめていた。
もっと詰めてください、を何回も繰り返す駅員の声が耳にまだ残っていて、そんなモノレール内はもちろん前後左右と人に囲まれて押されている状態で体は圧迫されていた。
数年前に乗ったときは、腕を伸ばしてくるっと回ってみても誰にも咎められないほど乗客はいなかったのにと先行き不安になる。
晴れの間に洗濯物を干し終わったと思ったら、数十分後に暗雲からの鳴動を耳にしたような気分で僕は象の像と客を眺めていたのだ。
人がそれなりにいる。動物園の絵としては正解だろうけど、僕としては悩ましくおもう。
そういう気持ちで入場券売場に近づいていった。見逃したフラミンゴやカワウソ、ライオンを見るのだ。



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2022 6/28(Tue)
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-エムブロ-