スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

ACT2-(9)

深愛はモスラに変身すると、沖合に向かった。
沖合にはエビラがおり、インファント島に向かっていた。
同時刻、涼子の連絡を受けたイージス艦『しののめ』は、レーダーでエビラを捉えた。
「どうします?」
「黄色い汁ができあがるまでは待機、インファント島に近づきそうならミサイルで
追い払うしかないですね。」
氷雨の指示に、三等海曹達は了解と頷いた。
「深愛、水中戦もできるって言っていましたけど………。」
「できますよ。水中モードというのがあって、水中戦に特化しているんです。
………ほら、見てください。」
涼子に説明をした氷雨は、画面を見るように言った。

モスラは水中モードになると、海に入った。
光の粒子と化して、分身体になるとそのままエビラに攻撃を仕掛けた。

エビラは鋏で分身体を攻撃しようとしたがそれよりも早く、モスラは動き
翻弄されている。

「す、すごい…………!」
「これはモスラの能力のほんの一端に過ぎませんがね。」
「でも、親モスラは水中戦に特化していないって………。」
「歴代モスラの中には、水中戦に特化した個体もいることが確認されています。
過去を遡って、調べたと海堂女史は言っていました。」
「………深愛のお母さんが?」
「はい。」
「…………どんな方だったんですか?」
「ゴジラに両親や親族、婚約者を殺されてからは自棄になったと聞いていたのですが
………何処にでもいる普通の母親でしたよ。」
「…………そうだったんですか。」

「…………涼子さん!」
アミとティエがフェアリーに乗って、『しののめ』の艦内に入ってきた。
「……黄色い汁ができあがりました!」
「ただ、急いで作った割には量が少ないのですが………。」
「いや、それでも十分です。………それで、どうやって命中させるんですか?」
「弓矢を使って、エビラに攻撃します。
ただ、距離が距離だけに………。」
「なら、しののめの甲板で射っていください。
海岸よりも射易いと思います。」
「わかりました。」


猛スピードで攻めてくるモスラにエビラは怯んでいた。
クロスヒートレーザー・アクアを受け、エビラは後退する。
ヒュン、と風を切る音がして、先住民達はしののめの甲板から弓矢で黄色い汁を塗った矢を放った。
矢はエビラの硬い体に当たり、エビラは黄色い汁と知るとしののめに目を向けた。

エビラがしののめに視線を向けた時、モスラはエックスサンダービームの発射態勢を取った。

「………海堂一佐が、エックスサンダービームを使う模様です!」
「え、何々?エックスサンダービームって!?」
「………早い話が破壊光線です。」
「え、えぇえ!?」
驚く涼子をよそに、モスラはエックスサンダービームを放った。
ビームは鋏を直撃し、エビラの右手を粉々にした。

それに驚いたエビラはすっかり怯んでしまい、海の底に沈んでいった。


「………エビラ、レーダー反応から遠ざかっていきます。
追いかけますか?」

「いや、戦闘の意思を見せなくなった相手を追いかけるのはよくないでしょう。
放っておきましょう。
………海堂一佐の薬を用意してください。」
「…………あー、びっくりした………。艦内っていつもこんな感じなんですか?」
「そうですね。大体こんな感じです。」


エビラとの戦闘が終わり、涼子と氷雨は甲板に出てモスラの変身を解除した深愛を出迎えた。



続く。




ACT6-(2)

芳樹と満月からチケットを貰った亜理紗はルンルン気分で
家に帰宅した。
「ただいまー!」
「あら、随分と御機嫌じゃない。何かいいことでもあった?」
「え?わかる?」
「そりゃわかるわよ。………あ、ひょっとして満月ちゃんにばったり会えたとか?」
「そうなのよ、会えたの!」
「…………え、冗談抜きで?」
母親の英美里は信じられない、という表情で娘を見た。
「冗談じゃないわよ。
満月ちゃん、熱中症でメイドカフェに駆け込んできたの。
病院に行くよりも私んところの店の方が近かったから。」
「そう。」
「お母さんの教えてくれた処置のおかげで、綿貫さんからお礼を言われたの。
………っていうか、ライブのチケット貰っちゃった。」
「あら、良かったじゃない!」
「しかも最前列なの。お母さんのおかげで助かった。ありがとう。」
「知っておいて損はなかったでしょ、熱中症対策は。
今年の夏は暑いからね。」
「お母さんの分もあるから一緒に行こうよ。」
「そうね。ここのところ気分転換できていないから、気晴らしに行きましょうか。」
「やった!ありがとう、お母さん!」
「…………でも、枚数多くない?」
「後は友達とでも、って言っていたけど…………。」
チケットを片手に亜理紗はうーん、と悩んだ。


そして、迎えたライブ当日。
「………ホントに私達でよかったの?」
「嬉しい、ライブのチケットをくれるなんて!!」
「………仕方がないじゃない、声をかけれそうな人間って言ったらあんた達しかいなかったんだから。」
「はいはい、気にかけてくれる子達にそんなこと言わないの。
ごめんなさいねぇ、この子、結構とっつきにくて。
家でじゃ、素直なんだけど。」
「あ、いえいえ。大丈夫ですー。」
「気にしてはいませんから。………その、私達で本当に良かったんですか?」
「いいのよ。他人に譲渡するよりも気の知れた相手の方が楽でいいもの。」
「…………あ。中井様、こんにちは。」
とてとて、と1人の女性が歩いてきた。
「………えっと、知り合い?」
「先日は物吉がお世話になりました。私は亀甲貞宗と申します。」
「ああ、もしかして同派の?」
「はい。言っておきますが、変態じみたことはしていないのでそれに関しては突っ込まないでくださると
ありがたいです。
何しろ風評被害というものがあってですね…………。」

怒りをあらわにする亀甲に英美里と亜理紗はあはは、と苦笑いした。
明美と直美は顔を見合わせてクスクスと笑う。
「えっとそれで、私達に何の御用ですか?」
「お嬢様が改めてお礼をしたい、と申していたのでライブ終了後にご案内いたしますので
その旨を伝えに。」
「あら、わざわざご丁寧に。そんな対したことしていませんのに。」
「そ、そうですよ、ただ応急処置しただけで………。」
「中井さん、中井さん。ここはご厚意に甘えましょ!」
「そうよ、満月ちゃんが律儀な性格をしているのは知っているでしょ?」
「そ、それはそうだけど…………。」
「では、ライブ終了後にお迎えにあがりますのでその時はよしなに。」
「は、はい!」
「わざわざご丁寧にどうもありがとうございました!」
「いえ、こちらこそお嬢様を助けていただきありがとうございました。
守り刀を代表して、お礼を厚く申し上げます。」
そういうと亀甲は一礼してその場を去って行った。

「………………亀甲さん、美人だねぇ………。」
「うん、変態じみているわけじゃないんだね………。」
「………そだね。風評被害もなかなか大変だねぇ………。」


続く。

ACT6-(1)

「………ねぇ、中井さん。何を聞いているの?」
ipod touthで曲を聴いていた中井亜理紗はクラスメイトの友井明美に声をかけられて
曲を止めた。
「………何だっていいじゃない。」
「あ、ご、ごめん…………。」
「もう明美ってば…………中井さん、曲を聴いている最中に明美がごめんね?」
明美の双子の妹である直美が亜理紗に謝った。
「………次から気を付けて。」
そういうと亜理紗は椅子から立ち上がり、教室を出ていった。
「………中井さん、とっつきにくそう………。」
「アンタ、良くも懲りずに声をかけるね。」
「だって……友達の1人や2人、居た方がいいんじゃないかなぁ?って。」
「たまには思い止まることも必要よ、アンタ。」


学校の屋上にあがった亜理紗はスマホを取り出した。
「はぁ………満月ちゃん、癒される…………。」
公式HPの有料会員クラブに登録している亜理紗はスマホの待ち受けを見て、顔をほころばせた。
「満月ちゃん、綺麗で美人だなあ………。
綿貫さんもカッコいいし………。
はぁ………今度のライブ、絶対に抽選当たってみせるんだから………!
そのためにもバイト頑張らないと………!!」


…………放課後になり、亜理紗はバイト先であるメイド喫茶に向かった。


「お帰りなさいませ、ご主人様!」

学校にいた時とは打って変わって満面の笑みを見せる亜理紗は、
客を見て驚いた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「へ、へーき……………。ここで一休みすれば何とか………。」
物吉の肩を借りる形で、何処かぐったりとした表情をしている満月の姿があった。

「熱中症ですか?すぐにお席にご案内しますね。」
母親が内科医である亜理紗はそういうと、満月と物吉をテーブル席に案内した。
「店長、経口補給液をお願いします。
後、タオルと氷と、それから扇風機も。」
手慣れた手つきで指示を出す亜理紗に物吉は感心していた。
「結構軽い熱中症なので、経口補給液を飲んで一休みすれば大丈夫ですけど
かかりつけのお医者さんに相談してみてください。」
「ありがとうございます。随分と慣れた手つきで指示を出しますね。」
「私、母親が内科医でこの時期になると熱中症の患者がよく駆け込んでくるので、
慣れたんですよ。」
「そうですか。」
「……今日は真夏日ですからね、満月ちゃんぶり返したんですか?」
「そうですね。ここのところ忙しかったから、ロクに休んでいなかったかもしれないです。」
「なら、ここでしばらく休んでいってください。
応急処置はしておきます。」
「ありがとうございます。」
「ありがとう…………。」


それから数十分ほど経ち、満月は亜理紗の応急処置を受けてとりあえずは回復した。
「………あ、若旦那様。」
「満月ちゃん、大丈夫!?ここに駆け込んだって聞いたけど、熱中症は平気かい!?」
「大丈夫です………こちらのメイドさんが、適切な処置をしてくれたので。」
「そうか、ありがとう!!」
亜理紗は駆け付けた芳樹に手を握られ、ブンブンと振られた。
「あ、いえ、そんなお礼を言われるほどのことはしていないです………。」
「ありがとう。満月ちゃんに何かあったら、俺は発狂しているところだったよ。」
「若旦那様、大袈裟過ぎです。」
「でもそれだけ、満月ちゃんのことを愛しているってことなんですよね。
凄いと思います。」
「ところで、君、名前を聞いてもいいかな?」
「え?あ、はい。中井亜理紗です。」
「中井………ひょっとして、中井内科クリニックの?」
「あ、はい。中井内科クリニックは母が経営しています。」
「とても評判がいいと聞いているよ。
もしよかったら、これを受け取ってくれるかい?」
そう言うと芳樹は数枚のチケットを亜理紗に渡した。
「今度のライブの最前列の席だよ。満月ちゃんを助けてくれたお礼。」

「あ、あ、ありがとうございます!!」

芳樹からチケットを貰った亜理紗はよっしゃぁあ、とガッツポーズを取った。



続く。

ACT5-(7)

「…………やれやれ、河川敷のお祓いを任せるなんてどうかしているね。」
「………祐一様、文句はあまり言わない方が。」
「これは専門家がやらないといけない仕事だからねぇ。」
「うようよしているね。………よくもまぁ、これだけの数を呼んだね。
何回、エンジェル様をこの場所でしたのかな。」
「……………悪意のない邪気というのは厄介なものだ。
さて、祓ってしまおうか。」

河川敷で祐一はエンジェル様によって呼び出された低級霊を
石切丸とにっかり青江と共に祓っていった。

「……………で。何で俺達が神社の境内の掃除をしなくちゃならないんだ?」
「河川敷のお祓いをお願いするという時点で対価はきちんと支払わないと。
君は飲食店で無銭飲食をする気か?」
初瀬神社で、宮司の格好をした智久は祐一に文句を言った。
「しないから。つうか、芳樹達は黙々とするな!」
「…………いや、罰当たりだろ?」
「掃除っていう対価で済んでいるんですから、文句の言いようが………。」
「ちょうど掃除をしてくれる人が風邪をひいてしまってね。
いやあ、ちょうどよかった。」
「……………だからって、何で僕達まで?」
「実妹にメイド服やらバニーちゃんやらの服を着せようかっていう煩悩を
持ったからだろう?」
「うぐ…………。」
祐一の言葉に幸人達は反論ができなかった。
「あ、祐一さんだ!おはようございます!」
参拝客が神社に訪れて祐一に挨拶をする。
「え、嘘、満月ちゃん達、掃除しているの?」
「祐一さん、閲覧料は払いますから写真撮ってもいいですか?」
「もちろん、構わないさ。」
「待てこら、せこい真似をするな!」
「これの何処がせこい真似なんだい?後で反省文書いて貰おうか。
満月ちゃん以外。」
「あ、ずるい!」
「依怙贔屓だ!」
「そんなことをすると原稿用紙100枚に書いてもらうよ?」
「ずるい!!」


「…………このメンバーの中で1番最強なの、祐一さんなのかも………。」


続く。


ACT5-(6)

警察に連行される3人を見送った芳樹達は、やれやれとため息をついた。
「…………どうなるんでしょうね、彼女達。」
「精神鑑定されるだろうけど、殺人をしているからね。
未成年っていうのも考慮されると思うけど…………。」
「……………でも、再生回数が伸びないからって人を殺すのはよくないな。」
「…………そうですね。」
「…………で、どうする?」
「……彼女達が呼び出したエンジェル様……低級霊をどうにかして祓わないとな。」
「まあ、これは祐一が専門だから祐一に任せようぜ。」
「そうだな。」
「………そんな投げやりにしなくても……。」

かくして、踊ってみた動画を巡る事件は終わった。
「………芳樹義兄ちゃんだけズルい。」
「何がずるいんだ、ゆき。」
「だって満月と2人で土方組のコスして踊るなんて!
僕だって踊りたかったよ!」
「………だったら、幸人お兄様もコスをすればいいじゃないですか。
幾らでも付き合いますよ?」
「満月ってば優しい!じゃあねぇ、メイド服でこの曲を………。」
「待ちなさい。自分の願望を妹に押し付けない。」
「そういうあや兄ぃ、顔がにやけているよ。」
「………満月のメイド服に萌えてるんだね、うわ変態。」
「……メイドは止めた方が良いと思う。ここはバニーちゃんでしょ。」
「お前が1番怖いわ、はる。」
「とかなんとか言って、芳樹義兄さんが1番喜んでいるじゃん。」
「何でだ。」
「じゃあその鼻血は何?」
「うっ…………。」

「…………大変だなぁ、お嬢様。」
「…………当の本人がいる前でメイド服が良いとか、バニーちゃんが良いとか言わないでくれます………?」
「奥様も良く、綾人様をとっ捕まえることができましたね…………。」
「………本当にそうですね………。」

続く。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2022年07月 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31