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ACT4-(1)

「デジタルゲートオープン!選ばれし子供出動!」
京の言葉を合図に美月達はデジタルワールドに向かった。

「お、来た来た。」
はじまりの街へ行くと、流司が既に待っていた。

「初めまして、涼宮流司だ。パートナーデジモンはコロナモン。よろしくな。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」
「で、ここにはいないけどデジタル庁の宮森さんから連絡。
今のところ、まだ他のオリンポス十二神族の行方はわからずだってさ。」
「そっか………まだ見つからないんですね。」

「皆さん、お待たせしました。」

大木からオファニモンが降りてきた。その後ろからはオメガモンとデュークモンが現れた。


「初めまして。私はオファニモンと申します。」
「ご丁寧にどうもありがとうございます。」

一通り自己紹介を済ませたところで美月達は本題に入ることにした。

「状況を整理しましょう。
ユクドラシルは今のところ、デジタルワールドが支配されるのを恐れて
ロイヤルナイツに指示を出していますが人間界まで関与する気はないようです。」

「それに対し、オリンポス十二神族は
人間界をも守ろうとしているということでよろしいでしょうか?」

光士郎の言葉にオファニモンはええ、と頷いた。
「それに七大魔王のところにはオグドモンがいます。」

「オグドモン?」

「デジタルワールドのすべての罪を内包し、
さらにすべての罪を贖罪する力を持つと言われているデジモンです。

クリスタルに閉じ込めたものの、七大魔王はオグドモンの封印を解くことを目標としているでしょう。」
「……………何とかしてそれだけは止めないとな。」
流司の言葉にコロナモンはうん、と頷いた。


「何にせよ、宮森さんって言う協力者もいるのなら残りのオリンポス十二神族については
宮森さんに任せよう。
俺達は闇の勢力と戦うだけだ。」

太一の言葉にアグモンはそうだねえ、と言った。



続く。

ACT3-(9)

「泉先輩、そんなこと言われたら困りますよ!

私だって選ばれし子供なんですから、命のやり取りだろうが何でもこーいって感じです!
そりゃ、命の奪い合いは怖いですけど………。
でも、戦わないと、人間界が危ないことになるんですよね?」

「そうですね。デジタルワールドと人間界、両方の世界が混乱と恐怖に陥ってしまいますから。」

「………ちわーす、本宮大輔、入ります!」

パソコンルームに本宮大輔、火田伊織、高石タケル、八神ヒカリの4人が入ってきた。

「………あれ?京、その人は?」

「ああ、今日転入してきた物吉美月ちゃん。選ばれし子供なんだって。」
「マジ!?」
「意外です。僕達以外にも、居たんですね。」
「どんなデジモンなの?」

「………はい。ルナモン。」


美月に抱きかかえられる形でルナモンはひょい、と会釈した。


「初めまして、ボクルナモン!よろしくね!」

「後1人、涼宮流司さんも選ばれし子供………なのかな?18歳だって言っていたし。」


「涼宮さんって、あの俳優の?」

「え?俳優?有名なの?」



「大輔君、サッカー以外にも興味持とうよ。今をときめく俳優さんよ?」


「へぇー…………。」


「流司さんとはデジタルワールドで合流することになっているから、
その時にでも紹介するわ。
……………で、私がここに来た理由についてなんだけど………。」


そういうと美月は自分が選ばれた経緯と理由を話した。


「…………七大魔王………ですか。」

「相互理解は難しいと思う。命のやり取りをするのは避けられない。
本物のデジモンを殺すことも、ありうるかもしれない。
でも基本的にはデジタルワールドに送り返したいの。
彼らには彼らの生き方があるし、ただ力の強い存在に従っているだけの生き物を粗末にしたくないのよ。
………甘ちゃんかもしれないけれど。」


「甘ちゃんでもいいと思うよ。僕とヒカリちゃんが小学2年生の頃は、命のやり取りをしていたんだから。」
「できることなら、命を奪いたくないって言う美月さんの気持ちはよくわかります。
悪いデジモンはいないって。」

「でも、七大魔王は人間界をも支配しようとしているんですよね?
それは絶対に避けないと。」


「…………ありがと。」


「では、オファニモンに会いに行きましょうか。僕達も情報共有をしたいですし、これからのことも
考えなくては。」


「………はい!!」



続く。

ACT3-(8)

「……なるほど、七大魔王が。
それでオファニモンが貴女と涼宮さんに。」

「ええ、そうなりますね。
デジタル庁の宮森さんも協力してくれることになっていますし、
多少は動きやすくなるかと思います。
…………問題は七大魔王がいつ人間界に来るか、なんですけど。
できれば、デジタルワールドでどうにかしたいと思っているんです。」

「七大魔王の情報については?」

「リリスモン、ベルフェモン、
リヴァイアモン、デーモン、ベルゼブモン、
バルバモン、ルーチェモンの7体です。
今のところ分かっているのは名前だけで…………。」

「………そうですか。」

「………やっぱり、戦う以上は命のやり取りをすることになるんですか?泉先輩。」


「そうなるでしょうね。
ロイヤルナイツとオリンポス十二神族と七大魔王の三つ巴の戦い。
ロイヤルナイツに関してはオメガモンとデュークモンがこちら側についているとはいえ、
他のメンバーもついてくれるかどうかはわかりません。
おまけにオリンポス十二神族のデジモン達はバラバラになっているそうですね。」

「………………宮森さんとオファニモンが協力して、情報収集してはいるんですけど
時間がかかりそうです。」

「…………………あの、京。もしかして、デジモンの命を奪うとかそういうのってあんまり経験ない?」
「………うん、正直に言うと1回だけしかないの。」

「…………あの、命のやり取りをするのが難しいのなら私と流司さんだけでも
戦いますけど。
あんまり、良い感情持っていないみたいだし。

…………でも味方は多い方がいいかなぁ、とは思っているんですけど。」


「ええ、無論わかっています。
2人だけでは負担が大きすぎます。ここは皆で協力すべきかと。
太一さん達には僕の方から伝えておきます。
京君、君はどうしますか?」




続く。

ACT3-(7)

……………そしてそれから1週間後。
美月はお台場へとやってきた。

「ハンカチ持った?忘れ物はないわね?」
「忘れものはないよ。」
「仕事があるから、一緒には行けないけど、ヘマしないようにね。」
「大丈夫、1人じゃないから。………じゃあ、行ってきます!」

ランドセルを背負い、小学校に向かう美月を見て母親は涙ぐんだ。


「………というわけで、お台場にやってきました物吉美月です。
よろしくお願いします。」

担任の案内で6年生の教室に入った美月は軽く自己紹介をした。

「席は井ノ上の隣が空いているな、そこに座りなさい。」
「はい。」


「初めまして、私、井ノ上京。京って呼んでね、よろしく!」
「…………よろしく。」
その時、美月はデジヴァイスが熱を持ったことに気づいた。
「………ねえ、唐突に聞くけど。貴女、もしかしてデジモンがいるの?」
「………へ?何でそれを?」
京の言葉に美月はやっぱり、と呟いた。



「………へぇ、なるほどね。貴女もデジモンがいるんだ!」
「そう。ルナモンって言うんだけど。今、デジヴァイスの中にいるから。」
「そうなの?私はホークモンって言うんだけど、幼年期だからポロモンなのよ。
デジタルワールドに行くと、進化するんだけどね。」

「ふーん…………。」

京の案内で美月がパソコンルームに到着すると、そこには他に数人の生徒がいた。


「あ、泉先輩、こんにちは!」

「やぁ、京君。待っていましたよ。……そちらの方は?」

「初めまして、物吉美月と言います。今日、転入してきました。」

「あ、そうでしたか。僕は泉光士郎と言います。よろしくお願いします。」

「はいこちらこそ。」

「先輩、聞いてくださいよ、彼女もデジモン連れているんですよ!」

「そうなんですか?どういったデジモンを連れているんですか?」


「あ、ちょっと待ってください。今、デジヴァイスから出します!」


そういうと美月はデジヴァイスを取り出して、ルナモンを出した。


「ふぅ、デジヴァイスの中は退屈だよぉ…………。

美月、楽しそうにお喋りしているから、羨ましいなって思った。」

「ごめんね、ルナモン。今日の帰りにまたプリン買うから。」

「わぁい、やったぁ!」


「………何と。君のデジヴァイスはデジモンを収納することができるんですか?」


「ええ、まぁ…………。」




続く。

ACT3-(6)

…………その日の夜。

美月はルナモンを抱えると、父親の部屋に行った。

「パパ?ちょっといい?」
「ん?どうしたんだ、美月。」

「話があるんだけど…………。」

「ちょうどよかった。パパも話があるんだ。」

「………え?何?」

「実は転勤の話が出てね。お台場に行くことになったんだ。」

「……………え、転勤?」
「うん。お台場にある本社で欠員が出ちゃって、支社からパパが選出されたんだよ。
………で、学校のことなんだけど……。」
「あ、いいの。ぼちぼち行こうかなって思ったところだったし。」
「ホントかい!?」
「うん。私立か市立のどっちかに行くかはまだ決めかねているんだけど、
そろそろ行かないとって思っていたところだったし。」
「………転校って形になるけど、すまないねぇ。」
「ううん、いいの。栄転話は嫌いじゃないから。」

「で、美月の話って何だったんだい?」

「あ、いや……………お台場に行きたいなぁって思っていたからパパに相談してみようかなって思って。」

「どうして?」
「………いや、あの、友達が出来そうな気が…………。」

「それは良かった。でも無理はしていないかい?美月は昔から、無理しがちに動くから。」


「……………ありがとう、パパ。じゃあ、話はそれだけだから。
………あ、ちなみにママは?」

「ママもついていくってさ。お台場となるとやっぱり都会だからね。今頃浮かれているんじゃないかな?

美月も私立中学のことで、色々口煩く言われそうだから気を付けるように。」
「はぁい。じゃあ、おやすみなさい。」
「うん、おやすみ。」

父親の部屋を出た美月はホッと一息をついた。


「………良かった。これでお台場に行けれるね、美月。」
「うん。………お台場にいるデジモンを連れた子供達………どれだけの人数がいるんだろう………。」


続く。
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