シャニマス二百三十一日目。
淡雪の戯れで第二シーズン。
(ボーカル型育成用の編成に突っ込んだことに気付いた顔文字)
神坂一
旅の途中のリナとガウリイが揉め事に巻き込まれる話。いやぁ、大体『スレイヤーズ』のあらすじはこの説明で片付くんですよねぇ。
騒動に巻き込まれるうちにお馴染みのメンバーが顔をだす、そんな同窓会のような話でした。
今回の敵役、エルフというのが新鮮でした。今まで味方キャラしか登場していなかった、はず。リナが前巻でタリスマンを失って弱体化しているし、地の利も向こうにあるから強敵感がありました。
案内役の内弁慶エルフもスレイヤーズのゲストキャラらしい味付けです。
何年経っても変わらない作風にシリーズをぶっ通しで読んでいた時期を思い出して懐かしくなりました。
でも私、リアルタイムでアニメ視聴していた世代ではないのでゼルガディスとアメリアがいつめん扱いされているのを見ると違和感があります。
「数値が上昇していると思えば……。また翅を使いましたね、プリンセス」
ミーナは入室してきた男を見上げる気力もない。
思い出す。男の名前がエラム・ギュレムであること。年齢は四十半ばから五十であること。丈の長いローブを着ていること。ミーナをずっと探していたこと。ミーナをここに連れて来たこと。おそろしい計画を立てていること。
「困りますな、プリンセス。いたずらに力を使うのは。貴女の肉体はまだ力に慣れていない。さぞや消耗の激しいことでしょう。計画に支障をきたす行為はお止め下さい」
もうひとつ。ミーナをまるで姫君の如く扱いつつも、その実は道具程度にしか思っていないこと。
「お父さんとお母さんのところへ帰して下さい」
ミーナはそう言ったつもりだったが、口から出たのはひゅうひゅうとした吐息だけだった。
「……わたしがこのまま死ねば、あなたは台無しですね」
今度は言葉になったらしい。エラムが不愉快そうに言う。
「……人間なら餓死も衰弱死もあるでしょう。しかし貴女は違う。プリンセス、いつまでも人間気分でいられては困ります。人間が死ぬような苦痛で易々と死ねると思いますな。貴女にあるのは長く引き伸ばされた死への待機時間だけだ。辛いですよ」
男は踵を返し、扉は再び閉ざされ外から施錠される。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。ミーナは顔を覆うとすすり泣いた。