マスク巡り医師が激高、校長怒鳴り机蹴ったりバットを持って来校したり…分限免職

2/15(水) 7:35配信
読売新聞オンライン

 マスク着用を巡って地域の中学生を激しく叱りつけるなどしたとして、佐賀県神埼市が、市職員で、市営診療所に勤める男性医師を分限免職処分にしていたことがわかった。処分は10日付。市は「指導しても改善がみられなかった」と説明している。

 市によると、医師は昨年7月上旬、診療所などが入る公共施設内で複数の生徒がマスクを外して話していたことに激高し、「新型コロナウイルスの感染者が何人出たか知っているのか」などと叱責(しっせき)。翌日から学校を度々訪れ、「指導が甘い」と校長らに大声でどなったり、机を蹴ったりした。バットを持って来校したこともあった。

 学校側は医師が校医も務め、交流があったことなどから警察に通報しなかった。報告を受けた市は診療所勤務を続けさせる一方、威圧的な言動や生徒への接触をやめるよう指導した。しかし、内川修治市長らの再三の注意を受け入れる様子はなく、最終的に「公務員としての適格性を欠く」と判断。不祥事などによる懲戒処分ではなく、分限処分での免職が妥当と結論づけた。

 医師は2016年4月から勤務。市の聞き取りに「自分は新型コロナ対策を一生懸命やってきた。これは私と生徒の問題で、市長の問題ではない」などと話したという。

 市の担当者は取材に対し、「不適切な言動を繰り返しており、住民から配置換えを求める声があった。慎重に処分を検討した」と語った。

 診療所の常勤医師は1人で、13日から後任者が勤務している。