2011-6-21 01:21
あまりの情報量に頭がパーンってなりそうだったからこうして感動を久しぶりに言葉にして残しておこうと思う。
昨日ホンマタカシのニュー・ドキュメンタリー、美大生のアニメーション3、三嶋りつ恵展あるべきようわ、ジパング展に行ってきた。
ホンマタカシさんの展示は見てみると雑誌の写真で意外と知ってる方で、こんな写真も撮られてるのかとびっくりした。
日常を切り取ったような一瞬の景色の写真もよかったけど、イタリアの女性たちの写真もよかった。若い時の姿と、年を重ねた時の姿を並べられてその月日の間のことをいろいろと想像するとなんだか泣きそうになった。
でもどの女性も力強くて優しそうで穏やかで女性の魅力に溢れてた。そこに垣間見える文化というか生活感がよかった。
野生動物のも見入ってしまった。マックのも。なんだか考えさせられた。美術というかアートのそういうところは嫌いじゃないです。むしろ好きです。
同時開催のクサナギシンペイ展もよかった。なんだか3DCGのような街並みに見える油絵が面白くて見入ってしまった。青や緑の使い方がすごく私好みだった。
不思議な距離感というか空間があって少ない線と色でそれを表せるのがすごいと思った。地の色を生かしてるのも良い。
美大生のアニメーションは後半から見た。
後半のはどれも良くてアニメーションをやりたい私にはとても刺激になった。
奥清香さんのMelting medamaはとてもツボだった。不穏な音楽と水の中みたいにゆらゆら揺れる実写と写真の映像が相まってどこかに行ってしまいそうな感じ。暗い部屋で頭をからっぽにしてずっと見てたいのが面白かった。ちょっとというか全然違うかもしれないけれど、昔大好きだったイタリアの作家のタルピーというクレイアニメを見ていた小さいころのあの感覚がよみがえってくるような作品だった。
上映の後にいろいろお話しできて本当によかった。一コマ一コマ描くアニメーションばかり考えていたけど、映像って楽しいんだよ!やろうと思えば誰だってできるんだよ!っていうのを教えていただいて、新しい表現をしたくなった。最初の出会いがトイレという残念な感じだったけど!
告畑綾さんの今村商店は懐かしい感じがした。九州の言葉が使われてたこととか、近所にあった商店のこととか思い出して実家に帰りたくなった。
光や影が夏休みの寂しげで虫の音だけのする静かな世界をクレイアニメで表現していたのがすごいと思った。空気感が完璧すぎた。
あの商店のおばちゃん、元気かな。今度長崎に帰ったらのぞいて見ようと思った。
特別な何かがあるわけじゃない、日常の一部を淡々と見せられてるのが良かった。
そして本命の植草航さんの作品をやっと見ることができた。終了展は見に行きたかったけど、課題とか課題とかで時間が作れずに見ることができなくて悔しかったけど、やっと見ることができた。
相変わらず私のハートをキャッチして放さない映像だった。
キャラクターと動きがすごくよくあってて、全体の色や世界観とかこだわりが見えてやっぱりすごいなー!好きだなー!が溢れてた。
ミュージックビデオを意識してて音に合わせての動きが良かった。サビのぽーんって勢いのある感じとか殺伐としてるのに愛らしかったり、キラキラしてたり…好きだなぁ。
語彙が少なくて表現できないけど心がぞわぞわする感じ。
私が高校三年生の時、受験でもやもやしてて、ただぼんやりと音楽が好きだから、映画が好きだから、アニメーションが好きだからタマグラ入って映像したいなぁとか思いつつも課題も講評もよくないし、学校では勉強ばっかりで絵を描きたい私と周りの温度差にやきもきしたり悶々としてたときに偶然見たのが植草さんの向ヶ丘千里だった。一発で好きになった。ただただ衝撃的で若い人がこんなすごいものを作ったのか!世の中すごいな!捨てたもんじゃない!って思った。
音楽と映像の融合。アニメーションでしかできない表現や動きにぼんやり悶々していた私は第一志望のタマグラに入ってアニメーションを作りたい!と思った。
それから何度も何度も見た。落ち込んだ時、やる気を出したいとき、受験当日の朝、何度も何度も見てあの時の衝撃と衝動を忘れないようにした。
そんな作品を作った植草さんと今回お話しすることができた。
最初は好きすぎて好きすぎて何を話したらいいか全くわからなかった。正直あきらめてた。
そしたら友達が先に話に行っててこれはチャンスだと話しかけることができた。
すごく挙動不審で変な子だったと思う。もっと気の利いた事とか、お話ししたいことがあったけど、やっぱりテンパってうまく話せなかった…
でも彼のアニメーションが私のやる気の支えになっていたこと、ただ作品が好きで好きでたまらないこと、今回のも前にも増してよかったことを伝えられてよかった。
夢のようだった。
すごく長くなってしまうので他のはまた今度。