話題:今日見た夢
無駄になっがいので前記事の続き。分割するしかなかったが、ちょっとした悪夢。こっちも生々しい描写が。実質前の記事の後編みたいになった。


こっちは中ボスクラスの禹螢戦後の組織の様子が出てきた。禹螢が残した爪痕はひどく、特に精神攻撃を受けた鼎は心身共にダメージが深刻。命に別状ないのが救いだが、心の傷は深かった。


鼎は禹螢戦から4日眠っていた。火炎発動を最大火力にした影響が如実に出た形。かなり消耗していた。
御堂も鼎と同じ本部隣接の組織直属病院にいる。御堂も鼎よりはダメージは浅いが、2日入院。

この間に晴斗・囃・彩音・霧人の4人は埼玉の組織直属病院から→本部のある東京へと戻っている。


鼎が目を覚ましたのは禹螢戦から5日目のこと。
気がついた時にパニックにならないよう、海堂は看護師達に鼎の仮面をそのまま着けたままにしろと伝えている。

戦闘で仮面もかなり汚れていたために、鼎が眠っている最中に新しいものに替えてある。


「ここは…どこだ…」

鼎はぼんやりと呟く。見慣れた天井。ここは本部の病院…?
鼎は辺りを見渡す。広い6人部屋の病室には自分1人だけ。本部隣接の病院は実質隊員専用病院なせいか、患者が少ない。

病室に来た看護師は鼎が気がついたことをすぐさま海堂に伝える。
海堂は『あのこと』をいつ伝えるか迷っていた。それは残りの戦闘出来る回数。


鼎の残り戦闘が出来る回数=対の刀の火炎・閃光発動出来る回数でもある。これには通常発動も含まれる。


数日後。鼎の怪我は少しずつ回復しつつあるが、心の傷は癒えないまま。禹螢から受けた精神攻撃の影響は大きい。

海堂は『あのこと』を伝えることを躊躇った。さらに彼女にショックを与えてしまう…。
現に鼎は禹螢戦後食欲が出ず、しばらく点滴を打っていた。この後ようやく食欲が少しだけ戻るも、摂食障害が出てしまうほどにはヤバい。


本部。鼎がいない本部はぽっかり穴が空いたよう。
御堂は上の空。晴斗は呟く。

「御堂さん、大丈夫ですか?さっきからぼーっとしてるよ」
「晴斗か。わりぃ…鼎のことが気になってて…」

いつもの御堂さんじゃない…。


宇崎は休憩所を訪れた。

「お前らは鼎のこと、気になっているんだろ?…非常に言いにくいが、あいつ…摂食障害が出るほどに精神的ダメージを受けている。怪我は回復しつつあるが…復帰まではまだしばらくかかる……」
「鼎には会えないのか!?」

御堂は宇崎に詰め寄る。


「お見舞いはOKだが、今の鼎はかなり繊細でより敏感になっている…。言ってる意味…わかるよね」
宇崎は優しく言った。
「わかりますよ。あいつは昔から繊細で敏感だ…。カウンセリングは受けてるんだよな…」

「受けてはいるがいまいちらしくてな。『仲間に会いたい、会わせてくれ』としきりに言ってるそうだ…。だから会ってやって欲しい…。行くなら明日以降にしてくれだとよ」
「わかった…。彩音…お前も行くよな」
「うん。…行くよ」

鼎はああ見えて寂しがり屋だ。親しい者じゃないと心を開かないのも心の壁が厚いから。


海堂は鼎にようやく『あのこと』を伝えた。鼎はショックのあまり、言葉を詰まらせる。

「…嘘だろ…?あと多くて2回しか戦えないなんて……」鼎の声は震えていた。
海堂は複雑そうに続ける。
「あの戦いであなたは無茶してしまったのね…。最大火力を使ってしまった結果…身体はさらに限界に近づいてしまった…」
鼎はショックで上の空。
「こればかりはどうすることも出来ないの…」
「わかっています…。わかってはいますが…!」

鼎の声は泣きそう。彼女はまだこの事実を受け入れられないでいる。


翌日。御堂と彩音は鼎のお見舞いに行くことに。鼎は少しずつ食べれるようにはなったが、摂食障害は続いているらしく→見るからに痩せていた。

「鼎…だよな?お前大丈夫か!?」
御堂は思わず声を掛ける。鼎の声に力がない。

「大丈夫なわけ…ないだろう…。少しずつ食べれるようにはなったが…まだひどくてな…。点滴頼りになっている…。まだ戻してしまうんだ…。ショックがひどくて…」

彩音は鼎の手をそっと包んだ。鼎は入院中なので手袋は履いてない。手の火傷の跡…だいぶ目立たなくなってきてる…。
「無理して食べなくてもいいよ…。鼎はあの戦いからずっと苦しんでるって聞いて…。私達は待ってるからさ、ゆっくりでいいんだよ」
「彩音…ありがとう」

彩音は泣きそうになってる。こんなにも痩せてる鼎は初めて見ただけに、ショックだ…。


鼎はぽつぽつと話し始めた。

「…あの戦いの影響で、あと多くて2回しか戦えないと聞いた…」
「2回!?」
2人は同じ反応をする。

「それを昨日、先生から聞かされた…。ショックだった…。身体は確実に限界に近づいているって…」
「鼎…自分を絶対に責めるなよ…!最大火力は正しいと思ってやったんだよな…」
「…そうだ……」
「俺も無茶したから鼎のことは言えねぇな…。対の刀同時発動、かなりキツかったんだよ。消耗が恐ろしい」

「室長もすごい心配していたよ。『鼎は仲間に会いたがってるからお見舞いに行きな』って言われて来たんだ。鼎…本当はすごい寂しかったんでしょ…」
「寂しかったよ…」

彩音は鼎をよしよししてあげた。鼎は堰を切ったように泣いている。彩音は鼎を子供をあやすようにしてる。
鼎は仮面で顔は見えないが、寂しげに見えるのは陰影と角度のせいか?

「大丈夫、大丈夫だからね。鼎は回復するよ。食べれるようにもなるから…私達も時々来るからね。そうすれば安心でしょう?」
「…うん」


御堂はこんなことを言った。

「鼎、お前が退院したら快気祝いに出かけような。約束だ」
御堂は指切りげんまんのジェスチャーをしてる。鼎は恐る恐る小指を絡ませた。

「わかったよ…」
「約束だからな!じゃあ俺達はそろそろ戻るよ。鼎、ゆっくり休んでな。ゆっくりでいいんだよ。無理は禁物。俺達を見て少しは元気出たんじゃないか?」
「和希・彩音…ありがとう」

御堂と彩音は病室を出た。


本部。禹螢戦以降、怪人はパタリと出なくなったが→これは鐡が動く嵐の前の静けさに過ぎない。


ゼノク。蔦沼長官と真治は司令室に籠っている。司令室には西澤室長と長官の世話役の南もいる。

「真治、鐡は動く気配ないなー…。警察からも連絡なし。翳珠も動きなし」
「親父、いきなりラスボスが動くわけないだろー?鐡とは親父、戦ってんだよな?」
「戦ってはいるが、今は僕が不利だからね。元の姿に戻ったからさ。復活した鐡と戦えても1回が限界だろうな。それまでに身体が持つかもわからない」

「親父…ギリギリなのか…」


真治は複雑そうに父親を見る。

「いつ症状が出てもおかしくない状況なんだ。真治、鐡戦にはお前も参戦しろよ。じゃないとあいつを止められない」
「親父を1人に出来るかよっ!親父はもっと自分の心配をしろってば…」


2日後。鼎の病室に今度は晴斗と囃が来た。鼎はあれから少しは食べれるようになったらしく、ガリガリに痩せてない。まあまあマシにはなったか?

「鼎さん、退院の見込み立ったってホント?」
「このまま順調に行けば5日後には退院出来るよ。晴斗は相変わらず元気だな」
「えっ?」晴斗はきょとんとしてる。

囃は御堂からの伝言を伝える。
「鼎、和希からの伝言だ。『対の刀のメンテはしっかりしてるから安心しな』…だってよ。あと『約束は覚えているよな?』…だって」
「和希のやつ…おせっかいだな…。約束は覚えているよ」

鼎の声が僅かに明るくなったように聞こえた。やっぱり和希のことが気になっているんだな…。


解析班。朝倉と矢神は部屋で通常任務を淡々とこなしているが、集中出来ない様子。

「鐡の動きなしって怪しくない?不気味すぎよ」
「チーフ、いきなりラスボス動いたら話終わっちゃうって」
「矢神…お前何言ってんだ…?確かにそうだけどさぁ、鐡ってかなりヤバいんだよね。鐡と同等にやったの、長官だけってさ…。長官もスペックおかしいけど」

「厳密には義手のスペックがおかしいからね、蔦沼長官は」
矢神は冷静。
「言われてみれば確かに…。じゃあさ、二階堂さんスペックヤバいじゃんか。あの義手と義足…戦闘兼用だ。それも長官設計の変態仕様」
「変態仕様って言うな。長官に失礼だろ」

矢神、思わず突っ込む。


それから数日経つが敵に不気味なほど動きなし。鐡がいるであろう、廃ホテルは人気がなさすぎるのだ。
翳珠も廃ホテルを見張っていた。警察とは違う遠方のライブカメラで。


この鐡の件はゼルフェノア・翳珠・警察の3組織連携という、大々的なもの。対怪人戦闘集団・翳珠は民間組織だが、メンバーのスペックはゼルフェノアよりは上の少数精鋭組織。
鐡の目的はある程度目星がついていたため(前回の鐡決戦で)、大々的に展開することにしたわけで。

ゼルフェノア本部・支部やゼノクでも裏方班と呼ばれる工作班達が密かに動き始めていた。
解析班も裏方班の1つなので、廃ホテルなど怪しい場所を次々解析している。


裏方班は裏方班で組織の垣根を超えて連携していた。

解析班は支部工作班チーフ・勅使河原と頻繁に連絡している。朝倉は勅使河原とは親しい。


さらに数日後。鼎は退院。怪人が出現する気配がまるっきりないため、戦闘隊員は束の間の平和を満喫していた。



無駄に長いスペクタクルな夢の実質後編?長い、長いってば!後日談にしては後味が悪い…。
まだ中ボス戦が終わった段階なんだよな…。ラスボスが組織に因縁ありまくりなんで、こぞって警戒しています。

こっちは前の記事の実質前編とは別な意味で、キツい描写が入ってました。精神攻撃系ですね、こっちは…。
鼎さんに容赦ない展開すぎる…。あと多くて2回しか戦えないとか、鼎さんショック受けるだろうて…。
鼎の主治医の海堂先生も葛藤してる。


一見平和そうだが、警察や裏方班が活動してるあたりがリアル。嵐の前の静けさってやつですな。

矢神のメタ発言w
解析班の凸凹コンビは清涼剤みたいになってるなー…。蔦沼親子はシリアスなのに対し、解析班は温度差が…。
ある意味、解析班は通常運転。



この怪人が当たり前に出現する世界では、隊員や目撃者がPTSDになりやすいことから→心のケアはしっかりしている。
隊員や市民を問わず、そんなシステムが構築されてんの。怪人との戦争ですからねー…。

本部・支部・ゼノクにも病院とは別に専門のカウンセラーが常駐してる。病院にもいるのだが。
組織直属病院では、本部とゼノクがカウンセラーの数が多い。ゼノクは怪人による後遺症の入居者もいるわけだから必然的に多い。


カウンセラーでも効かない場合は、鼎のように親しい仲間に相談することもあるようで…。特に隊員はそれが多いみたいだ。
鼎さんの場合は仲間と会い、話をしたことでなんとか心身共に回復。

鼎さんの回復は親友の彩音と(実質彼氏の)御堂のおかげなのか?
(歳は離れてるが)幼なじみの晴斗と、囃と会話したのも回復に貢献してる。


鼎さんの寂しがり屋な部分が如実に出ているなーと…。口調は冷淡だが、本当は繊細で独りが嫌…らしい。さらに不器用なのでうまく伝わってない時が…。

仮面キャラの悲哀みたいな部分がかなり出ていてキツいな、これ…。顔が見えないが故の孤独みたいなもんもあるかと…。理解者がいたから良かったものの、鼎さん絡みはハードになりがち…。