エムブロはもうじき、無くなってしまうのかもしれない。
そんなタイミングで、三度目のただいま。
当初高校生だった私も、立派なババアに成り果てた。
あの頃は、天上天下唯我独尊。
怖いものなどなかったなぁ。
恐怖を掻き立てるのは、知ってしまったからかもしれない。
そんなことはどうだっていいのだ。
目隠ししてみるとさらに恐怖が増した。
屋根の向こうに霞む山の頂上に佇む、一本の松を私は知っている。
だが今はただ、空に描かれる線の一部に過ぎない。
私は今どこに立っているのだろうか?
多分、そんなに遠くない。
耳元で叫んでやる。