「千鶴、何を書いたんだ?」
机の前に座り、何やら一生懸命短冊に願い事を書いている。その背後から、斎藤がのぞき込もうとすると…
「斎藤さんっ!見ちゃ駄目です」
がばっと、机に突っ伏して、自分が書いていた短冊を覆い隠す。
「だが、おまえの背では笹の高い所に手が届かない。吊るすのは俺だ」
「だ、だからって、見たらだめですっ」
くすくす、と笑う斎藤に対して必死で抗議する千鶴が面白くて仕方ないのだろう。斎藤はからかうのをやめようとはしない。
「俺は…千鶴のことならばなんでも知っていたいんだが?」
後ろから、ぎゅと抱きしめると、未だその行為に慣れないのか、ガチガチに固まる千鶴が可愛い。
「で、でも…だ、だめなものはだめ、なんです…///」
千鶴はこう見えて、意外と頑固だ。それは新選組時代に嫌と言うほど、経験した斎藤だからこそ解ること。
「分かった、それ程大事な願いなんだな?」
願い事は、人に話すと叶わない、とよく言うものだ。俺にも言えないと言うことは、それ程大事なことなのだろう。
「はい…」
申し訳なさそうに、こくんと頷く千鶴の頭を優しく撫でる。
「気にすることはない。叶うといいな」
「千鶴、笹の準備は整った」
「じゃあ、短冊吊るしましょうか」
「斎藤さん、一番高い所にお願いしますね。くれぐれも見ないでくださいよ?」
「ああ、分かっている」
ふたり、くすくす、と笑いあう時間は…とても幸せで温かくて。
斎藤が、千鶴の短冊を裏返して吊るそうとしたとき…
ふぁさ…
本当に、偶然───…
まるで御伽噺のような…そんな偶然と言う名の悪戯。
「………っ!!」
風で翻った千鶴の短冊が見えてしまったのだ。それを見た、斎藤は頬を緩ませ、風に目をくらませてしまい、瞼を閉じていた千鶴に振り向き、優しく笑いかける。
「すごい風でしたね…」
閉じていた瞳をうっすらと開けると、何故かそこには斎藤の笑顔。千鶴は、はっと気がつく。
「さっ…斎藤さん!///私の短冊見ましたね!!?///」
「す、すまない…」
「………………///」
風の所為なのに、言い訳もせず、素直に謝ってくれるから、更に恥ずかしくなり千鶴は俯いてしまう。
「だが、千鶴…」
そ、と千鶴の頬に手を添える。
「俺の願いも同じだ」
「さ、斎藤さんも?」
「この先も……」
「この先も……」
"千鶴と共に在れるように"
"斎藤さんと永久に一緒に"
二人はどちらからともなく、接吻[くちづけ]を交わす。
「願い、叶うと良いですね…」
「心配するな。必ず叶う」
満天の星空、願いに囲まれた空の下で。
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はーい(^^;)
突発的駄文です<(_ _)>
書いてそうで書いてない七夕ネタです。今更かなー?とも思ったんですが、大好きな斎藤さんで書かせていただきました^^
短文ですが、読んでいただけたら幸いです。
「亮司、さん…」
その声はか細く、何よりも小さな"音"として、しん…と静まり返った部屋に響いた。
お互い、
信じ合った筈なのに───…
確かめ合った筈なのに───…
あんなにも強靭な敵を倒した後なのに。
「…珠洲?」
静まり返る部屋に、優しく響く愛しい人の声。
「まだ…僕が信じられない?」
「違うっ…!違います…」
最初は強かった語気も、最期になるにつれて、弱々しいものに変わる。
だが、それは言葉に偽りを被せたからではない。
「なら……どうして僕の手を拒む?」
「‥‥‥‥ッ……」
訳も解らず、涙が溢れた。
───…いや、訳は解っているのだ。
無事、戦いを終え平和を取り戻し…大好きな真緒姉さんも還ってきた。
けれど…姉に亮司とのことをなんて言えばいいのか…珠洲は悩んでいたのだ。
「お願いだ…どうか、泣かないで。
僕の手は、あなたの涙を拭う為だけにあるわけじゃないんだ。」
「りょ、じさ…」
嗚咽に苦しむ珠洲の震える身体を、今まで涙を拭っていた、その手で、優しく抱き寄せる。
「こうして…あなたを抱きしめるものでもある。」
手と同じか……それとも、それよりも優しいであろう声音が抱き寄せられた珠洲に降り注いだ。
「………っ……」
声にならない声は、やがて涙となって現れ、亮司の着物に、跡を残した。
この涙の跡は、やがて乾いて消えゆく。
この想いも、やがては渇いて消えゆくのだろうか?
「あなたが、例え100%信じてくれなくても。」
抱きしめる腕に、ぎゅ───…と力が籠もる。
「僕は、あなたを愛し続ける。
やっとこうして、抱きしめることが出来たんだからね?」
兄と妹の様な存在の昔からは想像がつかない。
玉依姫と守護者になって初めて築けた関係だ。
「亮司、さん…」
「今は、まだ何も考えなくて良い。
僕だけを、真っ直ぐ見ていて欲しいんだ。」
落ち着いたら、そんな二人の関係を取り戻そう。
今まで叶えられなかった"初めて"を二人でたくさん叶えよう。
今はまだ…僕の胸でおやすみ。
あなたが欲するなら、僕の総てはあなたのものだから。
END**
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何故か翡翠創作(笑)
しかも突発(*´∀`*)
いや…他も大体が突発ですが…(*・ω・)苦笑
げぇむに大ハマりだから、書きたくなりました(*´д`*)
さっき亮司を終えたところですので…
いや…その後、真緒との関係はどうなるのかな…とか思いましてσ(^_^;
全然キャラが掴めてないから、誰だか解らなくなりました(┬_┬)
最後まで読んでいただき大変ありがとう御座いましたm(u_u*)m
今日は────…
大切なあなたが生まれた日。
****
「おい?
ぼー…としてどうしたんだよ?」
そう言いながら…
随分と伸びた、背に…
大きくなった、手に…
くしゃ、と髪を撫でられた。
「ま、将臣くん…っ///」
その仕草が、どうにも子供扱いに感じられて…
ついつい頭を振って、手を振り解いてしまう。
「将臣…く、ん…」
「どうしちまったんだよ
望美?」
風貌の変わった、幼なじみに…ついつい祝いの言葉が発せられないのは、何故だろうか?
中身は、以前と変わらない将臣に違いないのに。
「ま…将臣、くん…
今日さ…」
不思議顔をする将臣を、深緑の瞳で見つめる。
「誕生日、だよね…
おめでとう。」
「くっ…」
祝いの言葉を言った途端に、顔を崩して、髪を手でくしゃ、と握り…
眉を下げ、彼独特の笑顔を作る。
「どうして、笑うの?///」
「変わってねぇな…てな。」
優しい微笑み。
お前への特権。
「望美、お前におめでとう…なんて言われたのはかなり久しぶりだしな」
「あ‥‥…。」
そう言われれば、そうだ。
将臣くんは、私の知らない時空[とき]を過ごしている。
私の知らない"将臣くん"
私には去年伝えた言葉だが、将臣くんにとっては随分久しい言葉になるに違いない。
「望美、お前と居ると…」
こつん…
軽く腕を引き寄せられて───…
望美の額に、少し体温の高い自身の額を擦り寄せる。
「まっ…将臣く…///」
「暴れんなよ。
ようやくお前を手に入れたんだぜ?」
意地悪く告げると、先刻言いかけた言葉を…
紡ぎ始めた。
「お前と居ると…俺は俺で居られる。
異世界へ行く前と変わらぬ俺で──…」
「将臣くんは、将臣くんよ?」
長く伸びている、群青[あお]い髪をくしゃり、と撫でて…
「ああ…もう二度とお前を離さない。
大切な想いを…失ってしまわないように。」
「ずっと────…
一緒、よ?」
二人大きく肯いて。
一緒に過ごせる時空[とき]が、何よりかけがえのない…贈りもの。
〆
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かーなーり(>_<)
将臣くんの生誕話遅れました(>д<)
しかも似てない…orz
日記さぼってた訳じゃないのですよ(*´∀`*)笑
このお話を将臣くんの誕生日の日に投稿したことにしたくて(笑)
(投稿日いじってね☆)
やっとお届けできたわけですm(u_u*)m
即席で作ったので短文ですが…
名前変換できるようにして、夢話置き場に移動も考え中です☆
ではでは、最後まで読んでくださりありがとう御座いましたm(u_u*)m