娘が生まれてからというもの、よく写真を撮るようになったと思います。

昔の私は写真にいい思い出がなく、またどうせ残したところで意味がないと思っていた、はず。中学生から、自分の携帯を持つようになった高校生になっても『写真を撮る』ということに縁がありませんでした。誰かと写真を撮る、というのもとても苦手。またそうして映った自分の写真をもらうのも、なんとも言えない気持ちになって苦手でした。

それはたぶん、自分が嫌いだったからなんだと思います。少なくとも大学生の初めの頃まで「私は私が嫌い。だから(ダメな自分を嫌いだと言える自分が)好き」というくらいひねくれていたものです。

けれど大学で過ごすうちにいろいろ変わったのだろうと思います。逸見さんを好きになってお付き合いするようになったのはもちろん、友人たちにも恵まれましたし、いつの間にかひねくれた考えは薄れていったように感じます。だから、大学の卒業式は自分でカメラを持っていって、勇気を出して、離れ離れになってしまうたくさんの人たちと写真を撮ってもらえたんだろうと思います。大好きな人たちと映っている写真って、見直すととても懐かしい気持ちになるので好きです。

それから社会人になり、結婚する頃まではそれほど写真も撮っていませんが…やはり娘が生まれてからというもの、写真が格段に増えました。そして私はようやくアルバムに残すようにもなりました。

娘は存外写真に撮られることが好きなようで、カメラを向けると笑顔でピースしてくれます。それがとても可愛くて、同時にとても幸せだと思います。写真の中でたまに自分が写ってしまったり、動画の中で自分の声が入っているのはやっぱり複雑なのですが…(笑)。アルバムに残して、たまに見返して。ちょっとだけ思い出に浸ることにも幸せを感じられるようになったのは、私の中ではとても大きな進歩です。

まだ二月、とは思いますが、そろそろ新年度の話も出てくるようになりました。春はきっとあっという間にきてしまう。そうすると娘はまたひとつ学年が上がるわけで、あっという間に過ぎる月日の中、ほんの少しでも残しておけるものがあるのなら、と思います。