私の書いてる原作高新の晋助って、そうとう新八に想いを寄せてるけど(歪んではいるが)、新八には気付いてもらえてないんだよね。うん。新八も新八で、まさか晋助が自分をそういうふうに見ているとは全く思ってないし、むしろその辺はすべてシャットアウトしてるんだよね。考えたくない、って。だから延々と、
高→|越えられない壁|←新
という関係なんですよ、原作の二人はね。これね、ヤバいほどぞくぞくしますよ。報われなすぎて(どんな)。
晋助が死んだら、新八は気付くのかな。それくらいでいいんだと思いますよ。うん。今の段階で全面的にそれを、晋助に向けてるよく分かんない感情を認めちゃったら、もう新八じゃなくなっちゃうんじゃないのかな。たぶん。そこんとこは、ずっと抗っていて欲しい。
新八くんには未来があるので、その辺、晋助には囚われないで欲しいよね。誰にも言えない恋を、誰にも分からないまま、終了させるんですよ。終了させた後に、あれは恋だったのかな、と思い至る。ひっそりと、眠れない夜とかに。そういう恋があってもいいじゃない。
誰にも認められなくとも、いいじゃない。
触れ合えた時はたくさん傷付いて、傷つけられて、憎んでね。それこそ殺したいくらい憎んだけど、その嵐が過ぎ去って、激情の波が凪いだら。そこにあったのは、嵐の最中においては気付けなかった気持ちでね。
気付きたくないから、胸の中の小箱に、厳重に鍵を掛けてしまっていたんだけど。迂闊に見られないよう、あふれてしまわぬように、必死に守っていたんだけど。そしてずっと、ずっと、見せたくない相手がいなくなってからも、その小箱は胸のうちにあったんだけど。
ある日、錆び付いた鎖が溶け落ちるみたいにするんとほどけてね。そして、やっと見つけるの。自分がずっと、しまいこんでいた、その感情を。
あなたをこわいくらいに愛してた、と。あなたを、好きだった。認めたくないくらいにって。
やっと気付いたのは、そうですね、新八が24、25くらいでしょうかね。16の時からだから、ゆうに8〜9年ぐらいはかかるよ。そこまで認めるのに。それくらいかかるよ。長いの。ユカリの中の高新のスパンが、めちゃくちゃ長ェのよ。マジ。
そこまで行かなきゃ、たぶん新八は認めないでしょ。あ、新八が18くらいで晋助は死ぬから(という脳内予定)(どんな予定)。もちろんね(勝手に殺すなよ)。
何だろうね。とても薄暗いし、かなしい恋だけど。だけどもね。
そんな恋があってもいいじゃないか。