*前記事の別分岐*


前記事の、銀さんのことを刷り込みでも初恋でも何でもどうでも大好きすぎる新八くんをなだめて誤魔化す代わりに、

「仕方ねーな。じゃあチューしてみるか?一回でいいんだろ?」

と言ってみた銀さんから、別バージョンも考えてみる。



【ex.新八くんが少し恥じらってみた場合】



「……え?ち、チューって?え、ちょ、待ってくださいよ、それってアンタと僕が?(はわわ)」

などと言って急にあわあわとして、赤面する新八くんにチューを拒否られた銀さんだとすると、

「てか、できるはずないですよ!できませんよ。銀さんだもん。僕のこと……別に好きって訳でもないのに、そういう事言って誤魔化すのやめてください。僕は真剣なんです」

なんて真顔で言ってきた新八くんに胸板押し返されたりすると、それはそれで何かムカッとする銀さんなんだよね。例え直前まで新八くんに告られてて凄え困ってたとしても、新八くんに拒否られるとす〜ぐ不機嫌になるからね、銀さんはね。

す〜ぐ真顔になって、プチっとこめかみの血管イキらせて、大人の貫禄を見せつけようと努力はするんだけども、

「(……オイオイ、何これ。何で俺がフられたみてえになってんの?逆じゃね?普通は逆だろ、つーか新八のくせに俺のこと拒否ってんじゃねーよ腹立つ。べ、別に俺は変なこと言ってねーしィ?かわいそうなメガネに思い出作ってやろうっつー俺の仏心じゃん、銀さんなりの優しさじゃん?それをマジな顔して論破って何、てかふざけんなよ。てめえこそ俺が好きだのどうだのさっきまで熱弁してたじゃねーか、てめえの俺への愛はそんなもんかよ、それしか愛はこもってねえのかよ!どうなってんだこのゆとり世代が!!怖えよ、こんな世代が愛だの何だのアラサーに語ってくるのがもう怖えよ!こうなったら大人の怖さ思い知らせたらァァァァァァ!!)(くわっ)」

ですよ(大人の貫禄はどこ行ったッ)

ままま、ベースが万事屋師弟ですからねえ。BLしててもすぐ喧嘩腰になるというロマンスの欠如っぷりに、やはり銀新は萌えますな。
そしたら無理やりキスするよね(銀さん)

嫌がってる新八くんの肩をぐわしと掴み、無理やりにチュッとしてみるんですよ。でもそしたら新八くんはその不意打ち、てか腹の立った銀さんによるほぼ嫌がらせも同然の初キッスに(こう書くとほんとひどいな銀さんは)、ポロポロと涙をこぼしてしまって。

「…………っ!(キッ)」

と、銀さんを無言で睨みながら、それでもポロポロと泣いてるんですよ。それを見たらね、銀さんもビビるって。

「え?な、何だよお前。何で泣いてんの?え、どっか痛かった?もしかして具合悪ィ?どうした新八」

びびってタジタジになりつつ、基本は銀さんも優しいから尋ねるんたけど、そのうちに何も言わない新八くんに焦れて、はああって盛大な溜息吐きながらチラチラと面倒臭そうに新八くんをチラ見して、

「てか何マジになってんのお前は。泣くほど嫌なら俺に好きとか言うなっつーの、お前の中の好きってほら、そういう『スキ』なんだろ?神楽とかお妙が好きだっつー感情と、所詮同レベルだろ?家族として好きっていうさァ。ならいいよ、今更俺だけ別枠に入れようとしてくんなよ、てめえのそれはいっつも紛らわしいんだよ、こっちだって勘違いもするわこの駄メガネが、つまりはアレだよアレ……ごめんなさァァァァァァい!!!(ズザァッ)」

って、ぶちぶち言ってたくせに最後はめっちゃ謝ってるぅぅぅぅ!!えええ銀さん!?とりあえず謝っちゃうの!?やっぱり新八くんの前で強情張り続けるのは無理なのね!(銀さんは銀さん)

でも新八くんも別にチュー自体が嫌だった訳じゃなくて、ずびっと鼻すすりつつ、必死こいて謝ってくる銀さんを見てやっぱり僕はこの人が好きだと思いつつ(そうそう)、

「ち、違……だって僕はファーストキスだったんですよ!なのにあんな、腹立ち紛れみたいにキスして!僕に嫌がらせしたかったとしても、そんなのってひどいですよ」

などと涙目で銀さんに言ってきたので、それには少し考えた銀さんも、

「……なら、別に嫌がらせでも腹立ち紛れでもなく、お前としたいって思ってすんのはいいの?」
「したいって、何をですか」
「お前とキスしたいからするっていう理由があるなら、お前的にはひどくねーの」

と。ひょいって屈みこんで新八くんの目を見て言うと、新八くんは途端にカァァと頬を染め、


「なっ、何言ってんのアンタは!ばかっ!」
「いや答えになってねーんだけど」
「ばかばか!ほんとデリカシーがないんだから!」
「お前こそデリカシーがねえだろ、よりによって俺を好きになるとかよォ。ばかだよお前は。これから先の事なんて分かんねーのに、はっきり言って不毛じゃね?お前の未来的にはありなのコレ、てか待て待て、これって俺がお妙に殺されるフラグ案件じゃねーか」(←確かに)

ばかばか言ってるんだけど、でもこんな憎まれ口をまだ叩く銀さんを見て、憎まれ口を叩いてるのにさり気なく新八くんの将来を心配する銀さんを見て、新八くんもクスッと笑い、

「不毛じゃないですよ」

銀さんの両頬をふわっと手のひらで包みながら、優しく銀さんの紅い目を覗くの。

「僕はね、思い込みでも刷り込みでもなく、銀さんが好きです。銀さんがいいです。ううん、銀さんだからいいんです。これから先の事なんて誰にも分かりませんよ。でも、不確定な未来の為に今を犠牲にしようなんて僕は思わない」

そして、ふふっと笑ってね。

「だから……僕も今、銀さんとキスしたいです。銀さんも、そう思ってくれるなら」

と、ふんわり笑って言ってくださる新八くんなので、銀さんも、

「……。……ああ、そう」

って照れ隠しにぽりぽり頬を掻きつつ、すこぉし赤らんだ頬を隠すようにそっぽ向きつつ、でも今度は真正面からチュッと2回目キスを……



──って、どう足掻こうとリア充、どう転んでどう着地しても銀新は銀新んんんんんん!!!!(ガッシャン)

どう足掻こうと吸い込まれるように銀新が成立するのは何故なの!最後は吸い込まれるように銀新、オチにつれてハッピーエンドに彩られていく!何で最終的には両思いなのか、何でこいつらにはラブしかないのか!?


あ、銀新だからですか?(そうです)