たぬきののろけば

今日もたくさんキスして貰えた。
擦り寄ってきてもらえた。
噛んでもらえた。
頬にもお腹にもキスして貰えた。
抱きしめて貰えた。
一緒にご飯食べて貰えた。
手紙も読んでもらえた。
一緒に寝ようとしてくれた。
ギリギリまで同じ部屋に居て貰えた。
大好きって言ってくれた。

でもきっと今からはもう1人の恋人との時間。
しんどいな。でももう慣れるしかない。
二股なんて。浮気相手にされるなんて。
いつもそうだったじゃん。
まともに付き合ってくれた人なんていなかった。
今回もそうだったってだけの話。
あんな美人な人が私だけ相手にするわけない。
ドキドキもトキメキもないやつに。
元々恋人になりたがっていたのは私だけだ。
恋人じゃなくてもずっと一緒にいられればいい。って君は言ってたから。
私相手にときめきもしないのに、無理矢理付き合わせてたのが間違いだ。
だから仕方ない。浮気してもいいって言ってたし。
束縛も嫉妬も受け付けないって。
そう思わせた私が全部悪いから。
全部自分のせいだ。相手のせいじゃない。
相手があいつじゃなかっただけ喜ぶべきだ。
LINE見た感じもいい子みたいじゃんか。
年下に求める物は若さと初々しさだって。
まさにそんな感じだった。
化粧っ気のない、モテなさそうな感じ。
君の求める物なんだろうな。

今日は始まりの日。
私が6年前、君に対して恋愛感情を自覚した日。
そして、初めて君と恋愛関係になった日。
まだあの日のことは覚えている。
すごくすごく、嬉しかったから。
あの時私を選んでくれてありがとう。


なんてうってた。
昨日も幸せだった。
本当に浮気してたんだね。
恋人、いたんだね。
愛してる。なんて伝えてさ。
私には言ってくれないのに。
そっか、私が思ってたよりもクズだった。
1年前から付き合ってる私がいて
それとは別にもう1人恋人がいて
元カノに今でも好きなんじゃないかって言ってて
別の人とは玩具のスクショ送りあってて、その人関連のTwitterに、魅力的な人は周りにいないのにSEXしたい。とかツイートしてて
君は誰が本命で誰が浮気相手？
もう、私が本命だ。なんて1ミリも思わない。
浮気相手でもいいや。何でもいい。
思ったよりも冷静だ。
多分きっともう1人の恋人が本命なんだろう。
君に嫌われるのが怖いから浮気なんて出来ない。なんて言ってたのにね。
もう私に嫌われてもいいんだと思う。

一昨日もSEXして、昨日も大好きって言って貰えて、手繋いで寝てくれて、私が懐いた文章に嬉しいって言ってくれて、愛情伝わってない？って聞いてくれて、沢山キスしてくれて。
全部嘘だった。全てが上辺だった。
もういいや。妬みなんて、そんな感情無いよ。
不安とかここまで来たらもう無いに等しい。
もう他の人の物だもん。
何回も君の浮気相手になんかなったし。
もう慣れた。もういいや。疲れた。

でも逆に今まで自分の中でとても邪魔だった物が無くなった気がする。
今の方が君と表面上、上手く関わっていける気がする。
いいよ。存分に今を楽しめばいい。
存分に浮気すればいい。逆に好都合だ。
私に本気じゃない分、その恋人さんにも本気じゃないもんね？
簡単に他の人とSEX出来るんだもん。
どうせ問い詰められない。
どうせ相手を離れさせることは出来ない。
なら自分が都合のいい女になってやる。