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長編「大切な人」5

ヨガside

あの日から・・・ソルトさんはどこか変わってしまった

何を言っても喋りかけても首を微かに動かすだけで反応がない

「ヨガ・・・」

久しぶりに聞くソルトさんの肉声に目を大きくさせしっかりとへんじをした

「なぜ・・・私の傍にいる・・・?」

しっかりとこっちを見たソルトさんは、おたべが居る前より、疲れ切った顔をしていた

「ソルトさんが大切な人だからです」

「私は・・・おたべを殺したんだぞ・・・」

声が震え、手のひらが力強い拳に変わったのを見逃さなかった

「あれは誰のせいでもない。事故です」

「私がっ・・・。もっとしっかりしていれば」

ソルトさんは本気で自分を責めている

自我自暴になって、自問自答を繰り返しストレスに身を追われここまで病弱してる

ソルトさんは悪くないよ・・・

悪いのは紛れもなくあいつなんだから

ここまで悩まなくても・・・自分の身を削らなくても・・・。

「ソルトさんがこんなんなってるの見たらおた」

「喜ぶだろうな・・・、私のせいで自分がし」

バチンっと乾いた音がなり、ソルトさんの左頬に、季節外れな真っ赤な紅葉が浮かび上がった

「っ」

「そんなこと2度と言わないで下さい。私は・・・そんなソルトさん大嫌いです。」

もうすぐこんな悪夢も終わるから・・・

ソルトさんもこの試練に、もうちょっと付き合ってくれますか?

クリスマス(ゆいぱる【18】

由依side

「え、由依・・・?」

「ん?」

「いや、なんで///」

ぐっと顔を近付ければ戸惑い顔を赤くする


「いやなんとなく」

「なんとなヒャッ!」

首筋に、舌を這わせばさらに顔を赤くしてビクビク反応する

これがずっといじってたくなる、理由やねん

敏感すぎるんもあたし相手には不利やしな

「なっ、、由依!!」

肩を掴んでぐっと引き離される

「いや・・・?」

拒否されたんは初めてやからちょっとシュンってなる。

「嫌とかじゃなくて・・・びっくりしただけ・・・」

荒く乱れた息はあたしを更に興奮させる

「じゃあ慣れて」

今度はぱるるの肩を首の横に押さえつけて動けやんようにする

「無理矢理な、シュチュエーションもええやろ?」

「なんでいきなり・・・/////」

「クリスマスプレゼントや。」

今年は今までにもらったこと無いくらい最高の。

『ぱるる』を貰いました。

クリスマス(おたソル

ソルトside

ちらっと右を見ると熱いハートが世を飾っている

左を見るとプレゼントを片手に子供と遊んでいる家族の姿

だから苦手なんだ・・・、クリスマスシーズンは。

どこを見てもキャッキャキャッキャ、イチャイチャイチャイチャ・・・

ほんと、慣れないこの空気。別にクリスマスに恨みがある訳じゃない。彼氏が居なかったことも無い

けど・・・この空気が無理なんだ。

人に酔いやすい私はすぐにクラクラ世界が回り出す

「ソルト大丈夫か?」

困ったように笑ったおたべは胸元に赤いリボンをつけていた

「楽しんでんのか・・・この状況に」

「ん?楽しいやん、クリスマスって」

いつもそうだ。

私は、祭りとかパーティーとか人の集まりは苦手なのにおたべは真逆なんだから

でも、この笑顔が見れるならそれも悪くないかな・・・。

「今年のクリスマスは楽しかったよ」

「お!なんで?」

「おたべの隣だから」

「ば、バカ!!」

最高のクリスマスプレゼントだ。

これからもずっと私の隣で笑ってくれますか?

星がきらめく夜空に9匹のトナカイとヒゲをはやしたおじいさんが見えたような見えなかったような・・・

「はい、プレゼント!」

「え・・・」

「絶対似合う!!」

私の首元で光るネックレスは

最高のプレゼントとであり宝物になった。

長編「大切な人」4

ソルトside

今日もひとり欠けた部室に重い足を運ぶ

おたべが居ない今、部室にいたって意味がないけど、おたべが好きな部室だったんだから

いつになく皆の顔が暗くどす黒いオーラがあたりを包んでいた

「おはよ・・・」

そう言えば誰ともなしにマジックが鼻声で呟いた

「おたべが・・・死んだ・・・」

しばらくの沈黙が流れ何を言われてるのか全く分からずただ目を丸くさせた

「冗談でも・・・そんな事言うのは許さねえぞ」

「冗談なんかじゃありません、今朝おたべの体調が急に乱れて」

ヨガの声も酷く濡れていて途切れ途切れに言った

嘘だろ、おたべが

最初は半信半疑だったけどこいつらの真面目な顔に涙が知らぬ間に頬を流れ落ちた

「おたべ・・・」

おたべの笑顔や怒った顔、困った顔に苦しそうな顔が頭に浮かびフッと消えた

「そんな・・・」

「おたべ・・・最後までソルトさんの名前呟いてたらしいですよ・・・」

マジックの目からも涙が一滴流れ落ちた

「うぁあぁあぁあぁ!!!!」

取り乱してる私は・・・

この世で1番卑怯な奴だ

助けてやれなかったのに、自分はもう全てを巻き込み自我自暴になってる

なんで・・・こうなっちまったんだよ・・・

長編「大切な人」3

ソルトside

『ソルトまだかー?』集合場所に来なかったらおたべは私の家まで迎えに来てくれてたっけ?

『はい、ココア〜』寒い日は集合場所の公園で買ったココアをほってきてあわあわしながら受け取ってた。

『ごめん!遅れたー』いくらこの公園で待っても来てくれない・・・。こんな言葉、背後から聞こえたら私は・・・。

『ソルトほってくなよー』息を乱し後ろから走ってきてくれないだろうか?

『ソルト今日は休む、明日なー』そう書いたメールが届かないか?何時間経っていい

こんな日常がもう1度来てくるなら私はなんだってする

おたべの笑顔がもう1度見れるなら

バカモノ達のうるさい喋り声が聞けるなら

おたべの心地いい「隣」で居てられるなら・・・

私は・・・。

おたべが居なくなって初めて知った。私にとっておたべがどれくらい大切な存在だったのか

皆がどれくらいおたべを必要としているのか

怒らないから・・・、また私の隣で笑ってよ?
私に背中をあずけてよ

私はおたべが居ないと駄目なんだ。

私にはおたべしか居ない、お願いだから戻ってきてよ・・・。