スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

SるるとMはん

ぱるるside

耳まで真っ赤にしてぷるぷる震えてる。

「由依・・・?」

「ふぁ!?耳に息かけんなや!」

そんな強がり言ってるけど首筋つねれば「ッゥウ・・・」なんてうなって更に縮こまる

「次期総監督がこれだもん、がっかり」

「ぱ、ぱるるがこんな事するんやろ!!」

こんな事って言ってもさ、そんなきわどい場所触ってない

ちょっーーと敏感になる場所いじってるだけ

例えば耳裏とか

さわさわ撫でると「ふぅぁ」って声漏らしてじっと睨んでくる

「変態かよ、いちいち反応して・・・」

「敏感な場所触るからぁ!」

首筋に爪をツーって走らせる

「でも普通こんなに声出さないよ、変態ドM」

「うるさいわ!ドS!!」

どうも、って軽く返事してまた由依に、ニヤニヤ笑う

面白いよ見てたら、ビクビク体揺らして声漏らして睨んでくるんだからさ。

「なんで、いっつも!」

その通り、確か昨日もたっぷりいじめてた

だって、私のことほって他の子達とキャッキャキャッキャしてるんだもん

妬いちゃったよ

「今こんな状況なのは由依のせいでしょ、由依が悪い」

「っんなぁ!!誰と喋ろうとぱるるが決めることじゃないやろ!」

いきなり怒鳴られて目がまん丸になった

その通りだから・・・返す言葉がなくて、しゅん・・・と肩を落とした

「ごめん・・・」

その瞬間クックックッって忍び笑う声、由依が口元抑えて怪しげに笑ってる

「なぁぱるる、今日は誰とイチャイチャしてたか言ってみん?」

いきなりの立場逆転に戸惑っていると首筋に唇を這わされた

「ひゃぁあぁ?!」

「自分も敏感なん忘れたらあかんで?」

にやって笑って前からやってきた事短時間で全部仕返しされた

由依曰く落ち込んだ私見てS心が掻き立てられたとか・・・?

由依もSだったって知ってちょっと驚き

次は絶対私が主導権握るから!!。

嫉妬はするよ2

由依side

あんにんと別れたんはついさっき、まだ消えやん体の火照り。
心臓がバクバク言ってて周りの景色がなんも目に入ってこやん

『由依の事がずっとずっと好きだったの、ダメ・・・?』

そう突然あんにんから告げられてぐっと近付いてきたあんにんの唇

どうすればいいか分からんくてただあんにんの思うままに体を流してた

そっと唇に手を触れてみたら清明に全部思い出す、あんにんの唇の感触だとか胸の鼓動とか風の匂いとか

ニヤニヤ、ニヒニヒ顔のあたしはきっと周りの人から避けられてたはず・・・
そうこう思ってるうちに見慣れた景色。

ドアに手をかけてみたら、たやすく開く自分家のドア

まった、ぱるる鍵閉めてへん・・・
いつもの事やけどね

「ぱるるただいま?」

いつもなら『おかえり!!』ってリビングのドアが開くはずなんやけど今日は物音のひとつとしてしやん

「ぱるるー?」

そこにぱるるの姿はなかった

ちらって時計に目を移せば短い針が 2 を指してる頃。

もうこんな時間か・・・そりゃもう帰って寝てるわな
軽くシャワーを浴びて、服着替えて二階にあがる

自室のドア開けた瞬間、暗いはずの部屋はすみだけ明るく照らされてた

それは机のスタンドの電気で、その机に突っ伏すように寝てるんはまぎれもなくぱるる。

なんでやろ?ってぱるるの下敷きになった紙に目が入る

何書いてるんやろ?起こさんように気付けながらその紙を引き出した

その手紙はあたしに送るものでまだ書きかけ

でも、途中だけでもあたしの胸は強く引き縛られた

ぱるるがあたしの事を・・・??え、でもそんなはず・・・
ちらってぱるるの顔を見てみれば目の下に映ってる涙のすじ

何してるんやろ??ぱるるが寂しい、って思って家に来てるんは知ってたのに

あたしは結果ぱるるをひとりにしてたやん

ただ遊びに行きたいからって、留守番ばっかりさせて用事押し付けて自分は楽しんで

挙句の果てにはここまでぱるるを追い詰めてた

泣かしてもたんや・・・ぱるるの事

あたしは何が出来るんやろ?ぱるるの為に・・・この小さな遥香の為に。

手紙の最後辺りの文
これはあたしに対する義務やでな?

できるだけ揺らさんように気付けてベッドに寝かした、敏感なぱるるはすぐに目覚まして驚いてたけど後ろから抱きしめたらすぐに肩の力を抜いた

「帰ってたんだね・・・おかえり・・・」

眠そうなぱるるの声、けど明らか鼻声で泣いてた、って言うんは誰が見ても明らか

「ただいま・・・ごめんな、こんな遅くなって」

「私は大丈夫・・・由依こそあんにんとどうだった・・・?」

自分はあんなにも悩んでんのに、また人の事考えて・・・

「なぁぱるる、ほんまにごめんよ?」

ふっと軽く笑った様な気がした、けど作り物の笑顔って分かるから・・・思わずぎゅっと力強く抱きしめてまう

「今日の由依変だよ・・・?どうしたの・・・」

「あたしは・・・、ぱるるの事考えてへん、最悪な奴やな?」

そう呟いたらくるっと首だけこっちに向かせた

「読んだの・・・?」

「ごめん・・・」

困った様な泣きそうな・・・
そんな複雑な表情に変わった

「由依に見つかる前に捨てようと思ってたんだけど・・・読んじゃったんだね、ごめん、あんなわがまま」

「こっちこそごめん、なんも考えてなくて」

重苦しい沈黙を先に破ったんは、にこって笑ったぱるるやった。

「でも今ここに居てくれてるのは間違いなく由依でしょ?こうして抱きしめてくれてるだけで、満足だから・・・」

笑ってたはずやのに、涙がぱるるの目に溜まってきて流れ落ちていく

「ごめん、困るよねこんな私」

「こっちこそごめん、ぱるるの事考えてなくて・・・」

その瞬間重なり合う唇。

「フフ・・・これは由依が私にする賠償、私は何をしたらいいかな?」

一瞬何が起きたんか分からんくてポカーンとしてまう

「そばにいてろ・・・バカ」

そう、ぱるるの・・・

この笑顔が大好き

あたしの本命って・・・もしかして

ぱるるやったんかな?

嫉妬はするよ

ぱるるside

リアルタイムで由依が出てる逃走中を見ていた

由依の他にあんにんも出てるんだけどさ・・・、同出演なんだから仕方ないよ・・・、

けどさ!!

酷いよ・・・ずっとふたりで行動するとか

私が見てるって知ってるくせに

あんにんが由依の前に現れた時、見えない尻尾がぶんぶん振られてた

いつも、会ったとき犬みたいに私に尻尾振るからちょっと切なくなった

私だけに、愛想使って欲しい

そんなのただのわがままに過ぎないけれど。

それに由依が想いを寄せてるのはあんにんだって知ってる、由依にとって私はただの同期の友達だってことも

けど私にとって、由依はかけがえのない親友で私の好きな人

だから、胸が苦しい。ずっと肩引っつけちゃってさ

「ただい・・・っもぱるる!だから靴は並べる、って何回言えばええねん!」

本当に怒ってるわけじゃない、笑った顔で由依がリビングに入ってきた

私たちは別に同居してる訳じゃない。ただ私が由依の家に居るだけ

足のせいでリハーサルにも行けないし喘息だから遠出も出来ない

平日の寂しさに耐えきれなくなって由依が帰ってくる1時間ほど前に由依の家に勝手に入って勝手にくつろいでる、ただそれだけの事

最初は迷惑かな??って不安になったけど由依自身帰ってきた時の真っ暗な部屋が寂しかった、らしいから丁度良い

「おかえり、今日もあんにん?」

せっかく帰ってきたって言うのにまた慌ただしげに身支度をしてる

昨日も、一昨日も二昨日も、ずっと帰ってきてはあんにんと遊ぶって、出かけちゃう

「ん?そうそう、今日も誘ってくれたから」

天使のようなふんわりとした笑顔は寂しくて、ずきずき傷んでた心を軽く癒してくれた

でも、軽くにすぎなくてすぐ例え用のない寂しさが込み上げてくる

「そっ、か・・・」

「ごめんよ?いつもひとりにしてもて・・・」

(そう思うんならそばに居てよ)

「別にいいよ、居ても居なくても一緒だし」

思ってる通りの言葉が口から出なくて、素直じゃない言葉が口から出る

「え?・・・うんそっか、じゃあひとりで大丈夫?」

(嫌だよ、寂しい。いつも一人なんだよ)

「大丈夫、だから気にせず遊んできて」

そう言った瞬間、また満面の笑顔が由依に咲いた

「じゃあ行ってくるな?ありがと!!バイバイー!」

「いってらっしゃ」

全部言い切る前に扉が閉まってしまった

由依がいなくなったこの家は容赦なく、孤独を叩き付けて来る

ふと頬に生暖かい何かが流れてるのに気付いた

拭ってもぬぐっても止まらなくて、だんだん視界がぼやけてくる

由依が居なくなって、AKBにも行けなくて、メンバーとも会えなくて・・・

嫌だよ寂しい。どうして行っちゃうの?

静かな部屋に私だけの泣き声が流れていた

声をだして泣いて、泣き止みたくても涙がこぼれ出てきて・・・

こんな自分大ッ嫌い

私は・・・一人ぼっち?

三角関係

おたべside

「ソ、ソルトさんおはようございます!」

そんなヨガの声にあたしも負けじと声をかける

「ソルトおはよ!昨日はちゃんと寝れたん??」

何気に、昨日も遊んでたことをヨガに聞こえるように言った

「おかげで睡眠時間半分だ・・・」

「ソルト確か、ホラー苦手やもんな??腕にしがみついてくるソルト可愛かったでー」

同時に真っ赤になるソルトの顔と、ある意味真っ赤になるヨガ

「それは、内緒だって言ったろ・・・!」

「ソルトさんと・・・」

赤いオーラと黒いオーラ

半分半分で体を包み込んでくる

「あんた許さないからな・・・」

「ソルトはあたしのもんや」

バチバチってあたしとヨガの間にイナズマが走る

「今日は遊べま」

「ソルトとデートの予定!!」

「そんなの知らな・・・」

皆の言葉を切っていく


ソルトは誰にも渡さへんで

あたしの幼馴染みで親友で恋人やもん。

らしくない

楓子side

春の暖かなそよ風とふわりと飛んだ桜の花びらが頬に張り付いた。

窓から見える、皆の楽しそうなわちゃわちゃした明るい声

2時限目は外でミニサッカーやって

あたしはこの女子高に入って一回も外で走り回った事がない

ほんまは走り回りたい、ボールも力いっぱい蹴りたいし皆と汗かいて笑いたい

でも、この病弱な体がそんな行為を固く縛る

中学生の頃から一回も外で遊んでへんから真っ白な体はほんまの病人みたい

あたしだって遊びたいのに・・・、そんな胸苦しい思いは腕をぎゅっと握るだけで終わってまう

「そっちそっち!!ボール行ったで!!」
「おっけー!!あたし蹴る!!!」
「ヤッター!!!!」

美瑠のシュートで外はいっそう騒がしくなった
皆にハイタッチしてもらって・・・楽しそう・・・

あたしのちっさい頃からの幼馴染、白間美瑠

あたしとは真逆の性格で皆からリーダー的に見てもらって好かれてる
体も丈夫で小麦色に焼けた肌と、笑った時の白い歯が人気の秘訣でもある

────

「ふぅちゃんー!」

知らん間にチャイムが鳴っててガヤガヤ騒がしくなってきた

「お疲れ様、シュートかっこよかったで」

にこって笑って抱き抱えてたタオルと水筒を手渡した

「え、ありがとう!!今日もふぅちゃんの為に頑張ってん!!」

そんな何気にドキドキする事言ってくるから、こんなふうに・・・

どんどん好きになっていってまう。

「あ、ありがとうな、あたしの為って・・・」

「ふぅちゃん喜んでくれるさけ嬉しいねん!大好きやで!!」

いつにも増して心拍数が上がっていく、これでもかってほど顔は真っ赤になって思わず目線を外してもた

「どうしたん??ふぅちゃんらしくないな??」

「な、なんでもないよ」

ピタって頬に、てのひらが当てられた。それに美瑠の額があたしの額と重なる

「顔真っ赤やで、しんどない??」

「だ、大丈夫!!」

肩掴んでぐっと離した

これ以上、密着してたらおかしくなりそうやから

「あたしの大事なふぅちゃんやで、なんかあったら言ってな??大好きな人やから」

美瑠の最後の言葉だけ顔赤くなったって思ったんは気のせいやったんかな??。
前の記事へ 次の記事へ