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恥ずかしがり

ソルトside

下校時、少し肌寒くなってきた街はいつもとは違うどこかよそよそしげな雰囲気を出していた

多分明後日がハロウィンだから

ちゃんとハロウィンなんてしたことがない私はハロウィンのよさなんて1ミリも分からない

ぽーんっと軽く小石をけった

と同時に真っ暗に変わる世界、それにふんわりとした京言葉が耳に付く

「どないしたん?今日はいつもより早よ帰んねんな?」

振り返らなくても分かる、振り返えっても両目塞がれてるから見れないわけだが・・・

こんなふうに私に体を触れされたり子供みたいな事するのは・・・

「おたべこそどうした・・・いつもより帰るのが早いな・・・」

その瞬間両目ににぎやかな世界が広がり背中に暖かなぬくもりが感じられた

「っどうした・・・今日のおたべ・・・」

「なんもあらへんよ?」

腰に手を回し強く抱きしめてくる、照れ屋なおたべがどうしてこんな人前で?

「おたべ・・・こういうのは家帰ってからだろ?さすがにこんな人見てるとこで・・・」

照れ屋なのはおたべもだけど私だって照れ屋なのは負ける気がしない。

「そう言って学校で甘えても家帰ってから、ってばっかやん?家帰ってもやんか・・・」

半分いじけたような・・・子供っぽい。

「分かった・・・今日は特別、その代わり家帰ってからでいいだろ?今は・・・さすがに」

そう言い切る前にぐっと手を引っ張られた

「そんじゃあ早よ帰ろ??」

その後どうなったかは・・・またいつか教える





パルピー

パルside

このプリズンに来て、二週間が経とうとしていた。

私は相変わらずぼーっと時の流れを感じるだけ、ハブのやつらもどんちゃんバカ騒ぎ起こしてる・・・

プリズンにきて変わったこと・・・といえば、ダチが出来たことだ

プリズンは気に入らないけど、ダチは好き、ほら今日だって、知らず知らずのうちに苛立ってきてる

ピースがまだ来ないから・・・

「おはよ!パル!」

肩をとんっと軽く叩かれ振り向く前に目を塞がれる

「今日はね?パルにお土産もってきたよ!」

ピースはハブの中の調達係、云わば頼んだ物の大抵は用意してくれる。

普段はピースに直接頼み調達してもらうんだが特に欲しい物がない私はこうして受け取った事がなかった

「ちょぉっと、目閉じててね?」

その瞬間離れて行く手、言われた通り目を固く閉じ待っていた

「はい!もういいよ!」

また軽く肩を叩かれた、ゆっくりと後ろを振り向くと満面の笑みを浮かべたピースとクルックルのくせ毛のクマのぬいぐるみ。

「パルあんまり、私物持ってないじゃん?だからぬいぐる見どけど私が選んだの!」

ぎゅーっと押し付けられる。花のいい香りが鼻をくすぐった

「私は・・・私物なんていらない・・・」

一瞬シュンとした表情に変わったピース

「ピースがいれば、それでいいんだ」

不器用だから・・・、でもこれだけは言いたかった。

ゆいぱる「主人と愛猫」

ゆいside

リビングへと続くドア、開けた瞬間ボフッて音がして目の前が真っ暗闇になった。

「痛たたークッションなんか投げたら危ないやろ?」

にっこり笑ってムスッとした顔のぱるるを見つめる。
どうせ帰りが遅いとかそんなつまらんことなんやろな〜

「ただいま、どうしたん?」

「遅い・・・」

ほら、遅いとかなんとか、そんな辺り。うつむいたままクッションぎゅって握ってる。可愛いすぎやろ・・・

「仕事なんやからしゃあないやん?」

「待ってる間さみしいんだよ?」

どうしたんやろ?なんか・・・今日のぱるるへん・・・
ほんまは塩味やのに甘えてくるっていうか?

「ごめんよ・・・でも仕事やから?な?もうこんな時間やん、はよ寝なぁよ?」

「イヤ・・・ゆいが寝るまで待ってる」

じっーーと目見つめられたまま数分・・・

「ぱるるはどうしてほしいん?」
「傍にいてほしい・・・早く帰ってきてほしい」

ぱるるの柔らかくて細い髪に指を通してとくように撫でれば嫌そうな顔するも口角が上がってくる

「仕事とかの関係上早くは帰れやんかもしれやんどな・・・?なるべく早く帰ってくるしずっと傍におるから・・・」

髪がグシャグシャになるまで撫でたらくすぐったそうに身をよじらせた
「くすぐったい・・・最悪髪グシャグシャになったじゃん」

嫌そうな顔はしてへん。

「これやったら早よ寝なあよ??」

ぱるるの顔に顔を近付けていく、ぱるるは顔を真っ赤にしながらも目を軽く閉じた。

「はい!終わり・・・早く寝なぁ?寝付くまで傍にいてちゃる。」

今度はにっこり微笑んだ

さっき、ぱるるとあたしの間に起きた事は秘密やねん、ずっとずっと永遠の秘密。

おたソル「傷の舐め合い」

ソルトside

今日は特別おたべの帰りが遅かった・・・。いつもなら一緒に帰って一緒に過ごす・・・だけど今日は先に帰るよう背中を押されたのだ

「大丈夫か・・・?」

おたべがいないリビングは・・・どこか寂しくて苦しくて・・・。
今は7時半頃、もう辺りは真っ暗闇に包まれている

「ただいま〜」

聞き慣れた大好きな声。とっさにソファから起き上がって抱いてたクッションもほり投げた

「おたべ!!」

「ん?なんや??」

口調こそはいつも通りなのに・・・いつも通りじゃない、おたべの頬には真っ赤な鮮血が飛び散り所々傷跡もある

服だって返り血か傷血か分からないほどに真っ赤な色に染まっていた

「なんだ・・・それ」

「えっと・・・ちょっと転んでな?」

これが本当だって誰が信じるんだろ?少なくとも嘘だってすぐに分かった。
傷口が痛むのか時々顔を痛みに歪ませる

「・・・られた」

「え?」
「誰にやられた!?ぶっ殺す・・・」

取り乱れたと気付いたのはおたべの冷たい手だった
熱上がった体にはおたべの冷たい手がちょうどよく体温を下げてくれた。

「あたしはええで?大丈夫やから・・・」

「おたべがよくても!私は許せない」

じっと目を見つめられる。おたべの目は吸い込まれそうなほど真剣だった

「これはあたしの問題なんやで?ソルトは首突っ込まんでええねん」
「でも・・・嫌だろ大切な人が目の前で傷ついてるのに黙ってるとか・・・」

「あたしの事好きじゃなくて火の粉吹っかける奴もそりゃおる、そいつはそいつの行動なんや
ソルトがあたしを大事に見てくれてんのは嬉しいで?でも・・・
ソルトは動かんといて?お願いやから・・・」

そのおたべの言葉にどんな言葉が含まれているのかは分らない・・・

凄く深い意味なのか、その場しのぎの軽い言葉なのか・・・

でも嫌だ・・・黙ってみてるとか。

なんで大切な人が目の前でさんざん言われてるのに指くわえなきゃいけねぇんだよ・・・

私は・・・そんな大人な考え持てるほど・・・

大人じゃないんだ。

自分の弱さには・・・悲しくなって頬に生暖かい何かが伝った。



ポッキーゲーム

マジックside(フォロワーさん案)

コツっと軽い音がして、目の前を石ころが転がっていく。
そのまま堤防の坂を下り川の中へと消えていってしまった。

「あ・・・新記録だったのに・・・」

残念そうにちょっと頬を膨らましたソルトさん。そういや最近よく石けりしてたっけな〜って思い出す。

「マジック・・・?」

「はい」

「コンビニ寄って・・・お菓子買いたい」

ソルトさんがお菓子か・・・。家が同じ方面だから時々下校時に一緒に帰ったりしている、でもソルトさんがお菓子買いにコンビニに入ったのは初めての事だった。

ーーーーー

「何買ったんです??」

キャップをひねって冷たいお茶を乾いたのどに与える。

「ポッキー・・・食べる?」

2本取り出し目前まで、ぐっと近付けられた

「あ、ありがとうござ・・・ん?」

2本の内1本はソルトさんの口の中へと消えていってしまった

「え?ちょっ!!ソルトさん!?!」

チョコの部分を先端に、咥えニヤッと笑ったソルトさん。やっぱりこの人何考えてるのか予測不能だ。

ぐいっぐいっと咥えたポッキーを揺らし顔を近付けてくる、要するに・・・

「ぽ、ポッキーゲームですか??」

今度はこくっと深く頷いた、ソルトさんそんなキャラだっけ??

「む、無理ですよ!!そんなポッキーゲームとかした事ないですし、ましてや私と!!」

片方の口角だけをあげ無言のまま顔を更にぐっと近づける
ポッキーの先っちょが軽く唇にふれた

「ソルトさん・・・?」

そっと唇をあけようとした瞬間

あっという間にポッキーがソルトさんの口の中へと消えた

ぽけっとしている私に追い討ちをらかけるかのようにソルトさんが一言言い放った

「何期待してんだ・・・ポッキーゲームなんかしたらおたべに、殺されるだろ・・・マジックが。」

な、なんでマジックが、の所だけにやついたんですか??

これだけは否めないことがある・・・
顔近付けられた時ドキドキしたな って・・・。

またカラカラに干上がってしまった喉に、冷たい潤いを流し込んだ
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