ソルトside

「おいで」

その一言におたべは嬉しそうに微笑んだ
目を細めて頬の猫線をくっきり浮かび上がらせる。

「ふふ」

ひょこひょこ走りよってきて座ってる私の膝に軽く重みを掛けてきた

「おたべシャンプーかえた?」

「ん?かえたー」

ゆっくりとかすように髪を撫でて、頬を両手で包み込んだ

「いい匂いする・・・。」

胸元に顔を押し付けて擦り寄ってくる。

こんな幸せな時を過ごせるなら・・・、最初から・・・。

心配しなくてもおたべは私のものだと・・・そう気付いていれば最初からあんな思いさせなくて済んだのに。

「ソルト?」

無言な私を見てかおたべの顔がくもっていた

「ごめん・・・」

「なんで謝んの?」

こっちを見たおたべの頬にはぼたんのような鮮やかな青色がふしだらに付いていた

「酷いことした・・・おたべのこと傷つけた・・・」

「気にせんでええよ。抵抗しようと思えば出来たんやから、殴ろうと思えば殴れた。」

今まで見たことないぐらいの笑顔で頬をぱちんと叩かれた

「こんなんすぐ治る、でもソルトの隣はあたししかおらへんのやろ?」

にかっと少年みたいな無邪気さで私の髪をぐしゃぐしゃに撫でてきた

「意味分かんない・・・でもの使い方間違ってるし・・・」

へへ、なんて笑うおたべにニコって微笑んでその純粋な体を強く抱きしめた

「あぁ・・・ずっと隣だよ・・・」

おたべはどうなんだ?

あんたの隣は誰だ?いや・・・誰だっていい。

今のこの幸せ、が永遠に続くなら。