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購買のおばちゃん(おばちゃん+智+茂/パラレル)

雲の空耳と独り言+α 様からお借りしたお題です。
※学校で日常な 30題/抜き出し



「はい、コレお釣りね」

「はーい、ありがとうございまーす!!」
「おばちゃん、また明日ねー♪」

ああ、また明日ね!と声を掛けた後、長い髪を揺らしながら去っていく女子生徒二人を見送った。

(私も昔はあれくらい若かったんだがねぇ…)

女子生徒の後ろ姿を見ながら少し昔…いや、随分昔を振り返る。
新しい制服、新しい友達に新しい部活。
それに、甘酸っぱい異性との出会い。
何もかもが新鮮だったあの頃。
この時が無限に続けばいいと思った。

でも…、いつの間にか時間だけがあっという間に過ぎてしまった。

(やっぱり、一度っきりの人生は悔いのないようにしたいもんだねぇ…)

そんな事を思った矢先、バタバタと廊下を走る音が聞こえてきた。
あの少し特徴のあるくせ毛に黒髪は…。

「〜っ、おばちゃん!!焼きそばパンまだある!?」

息を切らせて走って来たこの少年には見覚えがある。
いや、むしろ知らない人間の方が少ないか。

「ああ、智かい!!ははっ、まだ残ってるよ!?」

「よ、よかったーーっ!!!まだ残ってたんだ!!」

「ああ、今日三年生は社会科見学でいないからねぇ。その分余ってるんだよ」

「三年いないの?あぁ!!そう言えば武が言ってたなぁ…」

「それにしても珍しいねぇ?仕事で収録がない日は確かあんた弁当だったろう?」

「え…ああ!!!そう、そうなんだよ!!!本当は弁当あるはずだったのにさぁ!!〜イデッ!!」

「自業自得だろうが、材料買い忘れたお前が悪い」

突如(とつじょ)現れた茶髪の少年は、顔を引きつらせながら丸めた教科書を智の頭にクリーンヒットさせた。
ああ、この子も勿論知っている。名前は…

「おい茂!!叩くなってあれ程言っただろ!?頭おかしくなったらどうするんだよ!!」

「スリッパでは叩いてないだろうが。それに君の場合、頭はもうおかしいから大丈夫だ。安心しろ」

「なんだとぉーーー!!!(怒)」

「おばちゃん、僕コレとコレ一つ」

「無視すんなーーっ!!!」

智を完全スルーした茂は、サンドイッチとカフェオレを手にとってレジの前に差し出した。

「あいよ。で、智はどうするんだい??」

「へっ!!?お、オレはえっと…勿論、焼きそばパン!!それにカレーパンと…あとは」

注意が反れた智を見た後、「ありがとうございます」と一言添えて茂は会計を済ました。

「そう言えば、茂も今日は弁当じゃなかったのかい?」

「はい、そのはずだったんですけど…
どっかのバカが買い物するのを忘れて冷蔵庫はカラッポ状態。
朝ごはん作るのがやっとだったんですよ」

そう言いながら茂は目線を智に向けた。
あぁ、そう言えばこの子達は確か一緒に住んでいたのだと思いだす。
周囲にあまり広めたい事ではないようで、担任や一部の友人にしか口外していないらしく、智がひょんな事で口を滑らせたからこそ私はこの事実を知っているのだ。

「じゃあ…弁当は茂が作ってるのかい??」

「ええ…じゃないとキッチンが大惨事になりますから」

「おや、それは大変だねぇ」

「全くです。それに、一緒に住んだら住んだで相手の事よく知っちゃうから余計やりにくいんです。
あれは出来ないコレも出来ない…出来ないだらけなんですよ!?
少しは家の仕事してほしいんですけどね…はぁ、やっぱムリかな」

綺麗に整った顔立ちで愛想もよく女子生徒に人気のある茂だが、どうも智の話をする時は表情がコロコロと変わる。…まぁ、群を抜いて不機嫌な顔がダントツに多いのだが。
それでも、茂が気を張らずありのままの表情を出して話せる相手は智だけではないかと思ったりもする。

「よっし決めた!!!おばちゃん、コレ!!!!」

しばらく悩んだ末、智もレジの前に両手一杯分はある様々な種類のパンを置いた。

「智…そんなに食べれるのか?」

「へ?ああ!!!大丈夫だいじょうぶ!!!オレ茂の弁当じゃなかったら一杯食えるから!!」

「は?何だよソレ」

「んー、何か茂の弁当だとそれで満足出来るんだけどな?
パンとかコンビニで買ったヤツだと何か物足りなくってさ、一杯入るんだ」

「・・・・・・」

「??茂、どうかしたのか?」

「何でもない」

「へ?お、おい!!!先行くなよーっ!!?」

いきなり背を向けて廊下を歩きだした茂に智は大声で叫んだが、茂の足は止まらない。

「ったくいきなり何なんだよ!!オレ何か悪い事言った?」

「あっはっは!!!いいや、むしろ逆だろうね」

「ぎゃく??」

「ほら、お釣りだよ。さっさと追っかけな?」

「う、うん!!!ありがとぉ!!!」

大量のパンを入れたビニール袋を受け取った智は、来た時と同じようにまたバタバタと足音を立てて走り去って行った。

「全く、天然ってのは恐ろしいねぇ…」

智の言葉を聞いた途端に赤面した茂の顔を思い出す。

「いやぁ、若いってのはやっぱりいいねぇー♪」

いつの間にか歩調を合わせて歩き始めた二人の後ろ姿を見て、自然と顔が微笑んだ。



(一度っきりの人生、悔いのないよう過ごしなさい。
おばちゃんはいつだってあんた達みんなの幸せを願ってる。

本日も晴天、青春日和である。)


 


購買のおばちゃん
「それにしてもあの二人…どうやら噂は本当のようだね。
ま、禁断の恋ってのも良いかもしれないねぇ!!」



 

ーENDー

あとがき...
はい、再びお題をお借りしてパラレルやっちゃいました!!!
最近パラレル多いな自分。しかも駄文。
でも学パロって本当に美味しいネタだと思います(笑)

 

行方不明の黒板消し(智+茂+春花+秀/パラレル話)


雲の空耳と独り言+α
様からお借りしたお題です。
※学校で日常な 30題/抜き出し


 


「ターゲット確認!!投下まであと、5・4・3・2・1!!!!」


「悪い、遅くなっ…!!!!!!」


「〜〜〜っ!!!!」


「〜ぷっ!!!!ぷははっ、ひっかかった引っかかったーっ!!!!!」


「さ、智!!!そ、そんなにぃ…笑ったらっ…ふふっ、可愛そうよ?」


「君も十分失礼だと思うけど?」


扉を開けた途端、落下してきた黒板消しを頭に乗せて教室に入ってきた僕を見てくすくすと遠慮がちに笑う春花に対して、智は人差し指を向け腹をかかえて床を転がりながら爆笑中。
冷やかに二人を見つめてから申し訳なさそうにこちらを見たのは隣のクラスの秀だった。


「…止めようとはしたんだ、遅かったみたいで申し訳ない」


「はぁ…いや、秀くんが気にすることはないよ」


頭の上に乗った黒板消しを取り、髪の毛や上着に付いた白いチョークの粉を払う。


目線をやや上に向けて時計を見ると、丁度指針が5時50分を指した。
智には生徒会の用事で少し遅くなるから先に帰ってもいいと伝えたのだが、「そんなに長くないんだろ?ちょっとくらい待っててやるよ!!」と親指を立てられたのが今からおよそ1時間前。
30分もかからないだろうと思い、資料と筆記用具を片手にすぐに戻ると言い残して教室を後にした手前、遅くなった事に対して智には申し訳ない気持があったのだが…。


「どうやら謝るのは君の方みたいだねサートシくん?」


わざとシゲルのような口調で嫌味っぽく言ったのだが、智は逆に「おー!!シゲルだ!!!!なつかしい!!」と愉快そうにケラケラと笑った。


「きゃーww私生で聞いたの始めて!!ねぇ、もう一回言ってみて!?」


「春香、君ってやつは…」


「オレは!?オレのは聞きたくない!?」


「うん、サトシは聞き慣れてるから別にいいわ」


「………(ズーーン)」


「あからさまに沈むなよ…っていうか早く謝れ!!話が脱線しそうだ」


「えーっ!!茂が遅れたのがいけないんだぜ!?それに楽しかったからいいじゃん!!!」


「君ってやつはよくもっ…!!あー、なるほど。
ようするに僕も楽しめればいいわけだよな??」


握ったままだった黒板消しに力を入れて智に近づく。


「〜なっ!!!し、茂…まさかお前っ!!!」


危険を察知した智だったが、時すでに遅し。
大きく振りかぶって勢いよく投げたソレは、カコーンと音を立てて智の石頭に見事命中した。




 


行方不明の黒板消し
「ねぇ見つかったー?」
「こっちにはないみたいだ」
「何でオレまで探さなくちゃいけないんだよー」
「もとはと言えば君のイタズラのせいだろ!!!」
「でも失くしたのは茂のせいだろ!??」
「……(早く帰りたい)」




あとがき....
結局その日黒板消しは見つからず、翌朝先生によって校舎裏で発見されました。←窓の外へホームラン決めてました(笑)
今回の一番の犠牲者は秀くん←
お題を借りてパラレルにまたまた走りました。
サマースクールの時も思ったんですが、やっぱ学校を舞台にすると面白い気がします!!!

告白は突然に(茂+智/パラレル)

※茂+智(パラレル/ある晴れた土曜日と繋がってます)



告白は突然に



「よっ春花!!また宜しくなー!!」


「智!?あなた何で入学式来なかったのよ!?
もしかして風邪引いて…あー、それはないわね。智は健康だけが取り柄だもの!
あ、席は出席番号順だから智の席は窓側よ?」


「ああ、入学式は家の用事で仕方なく休んじゃってさー…
ってか今何気にひどい事言わなかったか?」

「そう?あ、茂くんおはよう!!下駄箱大変な事になってたみたいだけど大丈夫?」


春花は智の言葉を軽く受け流し、教室に入ってきた茂に声をかけた。


「ああ、おはよう。下駄箱の中の物はとりあえず回収したよ」


「ふふっ、お疲れ様」


「相変わらずモテるんですねー。茂くんはーイイデスネー」


眉をピクピクと揺らしながら嫌味っぽく智は茂が手に持った物を見ながら言った。


「それにしても今頃珍しいわよね?ラブレターなんてww」


「全くだよ。気持ちは嬉しいけど…おかげで要らない時間をとった」


「でも女の子にとってはとーっても勇気のいる事なのよねww
私も好きな人が出来たら書いてみたいなー、なんて♪」


「へー…秀くんに書かないのかい?」


「しゅ、しゅしゅしゅうーーー!?
な、ななな何であたしがあんなヤツに!!!」


「違うのかい?」


「そうよ!!もしどうしても出さないといけないんだったら私茂くんに出すもの!!」


「春花…オレには?」


「智はごめん、論外かも」


「即答っ!?…ちょっとは迷ってほしかったぜ」


春花に異性として好意を持っている訳ではなかったが、それでも若干期待していた分智はガックリと肩を落とした。
そんな智を横目に茂ははぁ、とため息を吐いた。


「え〜と、そんな事より、茂くんはソレ…どうするの?」


話題を変えたいのか、ぎこちない表情で春花は茂に話を振った。


「え?どうするって…取りあえず読むけど」


「り、律儀なのね〜。で、もしかして付き合ったりする…かも?」


「あぁ、読んで返事はするけど…。それはないな」


「何で…あ、もしかしてもう好きな子がいたりするの!?
それはちょっとビッグニュースかも!!!!」


「いや、特に気になる子はいないけどさ…」


「じゃあどんな子がタイプだったりするの??」


「タイプ…か。あー…、まぁしいて言えば…その…ーっ!!!?


そこまで言いかけた茂はようやく気付く。
いつの間にか自分達の周りに数人の女子生徒が集まってきている事にー…。


(これはまずい、な…)


優しくて料理が上手で可愛くて…
春花一人だけになら、一般男子にありがちな事を適当に並べて言って話を切り上げようと思っていたのだ。
それが今ではこの状況…下手したら実行する女子が多数アピールしてきたり、友人に情報を流したりと何かと面倒のなる。


(適当に答えるのは…やめたほうがいい)


どうせ聞かれてしまうのならいっその事とんでもない事を言ってしまえばいいのだ。
実はブサイク顔でぽっちゃりした大食いでお相撲さんのような子がタイプ…とか。
いや、やっぱりやめよう。もし万が一それを信じた子がいたとして実行したとしたら!?
ー…考えるだけで恐ろしかった。


(一体どうしたら…!!!)


目の前には興味津津とばかりにキラキラとした目で期待をして待っている春花がいる。
もう後には引けまい。
そこで一瞬思考を止めた茂は、今だに肩を落として下を向いたままの智に再び目を向けた。
どーせオレの事なんて誰も好きになってくれないんだ、などと小声でブツブツと言い始めている。
このまま放置すればいずれのの字を書き始めるだろう。


(いつだってお気楽能天気で頭がカラッポなのかっていうくらいポジティブなのに…何でこう言う話になるとネガティブになるのかなコイツは…)


「全く…無神経で分からず屋で猪突猛進で無駄に元気で騒がしくてポケモンオタクで…本当に世話のかかるヤツだ…でも何故か嫌いにはなれないんだよなぁ…」


「…ねぇ。茂くん、それって…誰の事?」


「へ!?」


周囲がやけにざわついている。
女子だけではなくいつの間にか男子までも集まっていた。


「「・・・・・・・・・・・」」


「もしかして、心の声だったりした?」


「…あー…僕、何か言ってた?」


「ええ、はっきりと」


「〜…っ何て?」


「えーっと…無神経で分からず屋で猪突猛進で「分かった、分かった。ありがとう、そこまででいいよ」」


「そう?…ふふっ、でも意外だったわ」


「…何が、だい??」


(凄く、もの凄く嫌な予感がするー…!!!)


茂は、今までにない寒気を感じながら頬をひきつらせた。
意味ありげに含み笑いをしながら近づいた春花は、茂の耳元に手を添えた。


「茂って…智の事、好きだったのね?」


「ち、ちちちちちっがーーーーう!!!断じて違う!!誤解だ春花っ!!!」


「私こう見えても口が堅いのよ!?大丈夫♪
そっかー、それで茂はラブレター断るのね〜、納得!」


「いやだから誤解だって!!」


「茂…」


「!!!!?」


ネガティブから復活したのか、目の前に立った智は哀れそうな目を茂に向けた。
そしてー…。


「お前、趣味悪いんだな?オレだったらそんな奴とは絶対付き合えないぜ」


「〜…全部お前の事だ、こんの大バカがぁああーーーッ!!!!」

 


ー…その後。
クラスの中心で幼馴染みへの愛を叫んでしまった茂に、ラブレターは一切届かなくなったのだった。

 

 


ーEND−
(誤解だーーっ!!!)

 

あとがき...
パラレル第2話みたいな感じで書きました。
智の引っ越し騒動を第1話と考えて読んで頂けたらと思います。
調子に乗ってもしかしたら第3話も書けるかもしれない(笑)←

相変わらず駄文すみませんデシタ(汗)

 

ある晴れた日曜日(茂+智/パラレル)

「おっし!!早速はじめるぞー!!こっちの荷物は衣類でこっちは食器で…」

「…オイ」

「あー、コレ教科書かぁ。辞書も入ってるから重いんだよなー」

「オイ」

「えーっと…あとはコレコレ!!コレが一番大事なんだよな〜!!
これはやっぱり居間に置くべきだよな♪」

「…話を聞かんかーーーーいっ!!!」

「ふげっ!!!す、スリッパ!?何でスリッパで叩くんだよ!?…ソレで叩くのはゴキ●リくらいだろ!?」

「そんな事はどうでもいい!!!まずは…まずはこの状況を説明しろーーっ!!!!」

中学1年生になって初めて迎えた土曜日、天気は晴れ。
いつもと変わらない朝を…迎えるはずだった。



ある晴れた土曜日


まず僕が目を覚ます原因となったのは2度3度としつこく鳴ったインターホンの音。
それがこの騒動の始まりの合図だった。

学生にとって土曜の朝は日曜日とさほど変わらない。
寝ているヤツがほとんどだろう。
普通ならここで母親が応対するのだろうが、何せ僕の両親は共に出張の多い社会人だ。
家にいる事なんてほとんどない。
たまに帰ってきては土産話を聞かせて去っていく…いわばゲスト的存在だ。
昨日は二人揃って入学式に会わせてようやく帰ってきたと思ったら、「当分は帰れないからあとはよろしく!あ、お金はちゃんと銀行に振り込んでおくからね♪」と一言残してまた出て行ってしまった。

いくらおじいちゃんが時々様子を見に来てくれるとはいえあんまりだ。

…よって、ここには僕一人しかいない。

「ったく…こんな朝早くに何だって言うんだ」

重たい体を無理やり起こし、寝ぐせを軽く直してからリビングに設置されたインターホンの受話器を取った。

「もしもし」

「あ、おはようございます!…っこしセンターです。宅急便があります」

「……ああ、今開けます」

マンション住まいの為、外部から人が入るには扉の開錠が必要だ。
少し寝ぼけていたせいか、声も少し聞きそびれてその反応が鈍った。

(どうせまた父さんか母さんからの届け物だろう。さっさと受け取ってまた寝てしまおう…)

再びインターホンの音が聞こえた。

わざわざ再び受話器を取るのは面倒だ。
そのまま僕は玄関へと直行したー…そして。

「よっ!!茂!!!おはよー!!!」

「さ、智?何でお前が…」

「あ、その荷物こっちにお願いします!!」

「はい、じゃあ先に割れ物から入れていきますね?失礼しますー」

「え!?ちょっと…!!!何で家の中に入って!?」

「おじゃましまーす!!…じゃないか、ただいまー!!」

智の背後にいた体格のいい男達が次々と部屋の中に入って行く。

(なんだ!?一体、なんだっていうんだ!?)

よく見れば、男性達の制服にははっきりと「らくらく引っ越しセンター」とししゅうがしてあった。
意味が分からずパニック状態になった僕を面白そうに見ながら智は笑う。

「あ、そう言えばオレたちクラス一緒だったんだな?宜しく頼むぜ!!」

僕の背中をバシバシ叩きながら智はマイペースに話す。
状況が理解出来ず、あれこれ悩んでいるわずかの間に奥のリビングは大小の箱で埋め尽くされていた。

◆◆◆



「それでオレの母さんもしばらく家に帰ってこれなくなってさぁ〜」

「…つまり、君と同棲しろってことか?」

「ああ、そーゆー事だ!幸成じいちゃんもそうしろって言ってたぜ!!」

「おじいちゃんが!?」

「ああ!!あ、あとコレ。茂のお母さんからの手紙…ってかいい加減スリッパ置けよ、怖いだろ!?」

「手紙??」

叩かれた頭部をさすりながら、持参したリュックから一通の封筒を智は僕に差し出した。
スリッパを放り投げ、封筒をばっと勢いよく取り上げて中身を開けるとそこには丁寧な文字。
間違いなく母の筆跡だった。


茂へ

いつも貴方にはさみしい思いをさせていましたね。
芸能のお仕事も気分転換にと思って勧めたけれど…やっぱり普段家にいる事も多いでしょう?
父さんも母さんも本当に申し訳ないと思っているの…

でね!!私考えたの、どうしたら茂が寂しくなくなるか!!
お父様…幸成おじいちゃんとも相談したら、それなら同じ年ごろの子を持つ花子さんに相談してみたら?って言うお話になって…。
そしたらあらビックリ☆花子さんもお家の事情で智くん一人残して実家に帰らないといけないって言うのよ!?それを聞いて私、ひらめいたの!!
そうよ。幼馴染みなんだし、いっその事二人で同棲させたらっ…

【グシャッ】

(母さん…あなたって人はーーーーっ!!)

途中からハイテンションになり始めた母の手紙を最後まで読まずに握りつぶした。
つまりは、これは全て自分の母が考えた事なのだ。

「し、茂…くん。顔、怖ぇよ??」

僕の顔を覗き込みながら智は恐る恐る話をかけてきた。

(よく考えれば智だって被害者なんだ。仕方ない)

「悪かったね、どうやらこれは僕の母さんの陰謀…考えだったようだ。
これからその…宜しく、な」

「へ??いや、別に悪くないじゃん!!オレ茂と住めるんなら全然問題なし!!
茂の母さんから話聞いた時は実は嬉しくってさ…へへ。よろしくな!!」

少し顔を赤らめた智が恥ずかしそうに笑った。
そんな智につられて僕もつい口元が緩んだ。

(ああ、案外うまく行くかもしれない)

少し胸の奥が暖かくなるのを、僕は確かに感じた。

「よし、じゃあまずは片づけからだな…そんなに量もないし二人ですれば夕方には終わるだろう」

「あ!!じゃあまずはコレから!!これが一番大事なんだ!!居間…リビング?にコレ置こうぜ!!」

段ボールの中でもひときわ大きい箱から智はソレを取り出した。

「・・・・・コレ、を?」

「おう!!!いいだろーー♪」

それは、自分でもよく知っているキャラクターのぬいぐるみだった。
赤いほっぺ、黄色のシャツ…ギザギザもようの僕のベストフレンドーー!!!!

「そんな…そんなでかいピカチュウ、ここに置けるかーーーー!!!!」

「えーーーーっ!!!なんでだよ!?」

「なんでだよ、じゃないだろ!!?こんなでかいの置いたら狭い狭い狭い!!!
食事だってここでするんだぞ!?それにTVが見ずらくなるだろ!?」

「えー!!そこを何とか!!!頼む!!!」

「無理、無理無理無理絶っ対ムリだーーっ!!!!」

「茂のケチったれーーー!!!」

「智が分からず屋なんだーーー!!!」




ー…こうして、僕と智の騒がしい同棲生活は始まったのだった。




ーEND−


あとがき...
何か、パラレル書くの楽しいかもです。
今までセリフだけの短文で書いてきたのでこうやって文章付けるとイキイキとしていて嬉しいです←
でも、初めて読まれた方は「何コレ?」って感じですね。
詳しくは「二人の関係」を読んで頂くと分かってもらえるかと思います。

ここまで読んで下さった皆様に感謝です!!!(ペコリ)


>追記
HPに先にUPした短編です。
自己満小説が増えていくばかりで本当にすみません(汗)


ポケモンでDJ風/番宣/智と光

(前回に引き続き現代パラレル/智と光)

何を見ても許せる方のみ↓↓へどうぞ(笑)









光「皆さんこんにちは!!ポケモンでおなじみ。ヒロインのヒカリ役、光です」

智「こんにちは!同じくポケモンで主人公のサトシ役やってます、智です!!」

光「いよいよポケットモンスターDPはクライマックスへと向かって突き進んでいます!!
一部地域を除きますが、4月29日にはヒカリが大活躍のグランドフェスティバル編に!」

智「7月からはサトシの見せ場、シンオウリーグ編が放映されます!!く〜っ、やっとここまで来たんだなぁ…」

光「うん、凄く楽しみだしすっごく嬉しい!!…でもあっという間だったかも。
サトシやタケシとの旅ももしかしてこれでクライマックスなのかな!?」

智「えっ!?そうなのか!?オレはまだまだ一緒なのかと思ってた…そう思うと寂しいな」

光「でもでも、サトシは今まで何度か仲間と別れて旅をしてきたでしょ??
ほら、カスミとかハルカとか…」

智「そうだな〜。あの時も結構寂しかったなぁ…」

光「ヒカリってどうするんだろ…ハルカみたいに一人旅とかするのかな??」

智「かもな!?案外カントー地方のポケモンコンテスト目指したりして」

光「あっ!!だったらエテボースに会う感じのお話になるかも」

智「エテボースかぁ、懐かしいなぁ〜!!
AGの頃からの付き合いだったからオレもちょっと会いたいな…」

光「みんなで会えるお話があるといいのにね?」

智「だよなー」

光「でもヒカリと違ってサトシはまた違う地方に旅に出そうよね?」

智「ああ…そういえばポケモンシリーズで何か新しい地方があるんだよな!?
まだ開発中みたいだけどすっげー気になる!!」

光「私も気になる!!だって新しいポケモンも出るんでしょ!?楽しみだなww」

智「今年の映画で一足先にゾロアとゾロアークが宣伝されたよな?あれ見ただけでオレ興奮しちゃったぜ!!!」

光「そうねー。ポケモンだけじゃなくてサトシにも化ける事が出来る能力もある何て…w」

智「ああーーーすっげー楽しみすぎる!!!ゾロアークだけじゃなくってさ、セレビィが見せた未来も…」

光「さ、ささささ智ストーーップ!!!それ以上はネタバレ!!禁止事項よ!!!」

智「ふぐっ…あ〜、悪い。サンキュー光」

光「全くもぅ…」

智「とにかく!!今年の映画は見所が満載だから、みんな劇場に来てくれよな!?
特にサトシがいっっち番活躍してるから!!!」

光「なっ、ヒカリだっていっぱい活躍してるわよ!!?」

智「そうか??サトシの方が目立ってただろ??」

光「ちーがーいーまーすー!!ヒカリもしっかり可愛く目立ってました!!」

智「あぁ…そういえばちょこっと目立ってたな?」

光「・・・・・・・(プチン)」

智「??光?いきなり立ち上がってどうしたんだよってちょっ…、ばっ、やめっ、いたっ痛いイダイ痛ーーい!!!」

光「〜っ智のブァカーーーーーッ!!!!」

智「たっ、たすけ…!!!し、茂!武ィーーーっ!!」


(ブツン)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


茂「何やってるんだ?あの二人は」

武「はぁ…やっぱりオレが収録に行くべきだったんだ(汗)
よりにもよって生放送で…!!!」

茂「まぁラジオだからマシだよ…自分を責めない方がいいよ?
ほらティッシュ」

武「ううっ…、ずまんっ、ずずっ」

茂「はぁ・・・・」



ーENDー



色々すみません(汗)
何かいきなり書いてみたくなってつい!!!
閲覧ありがとうございました(感謝ーー!!)





















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