ソルトside

下校時、少し肌寒くなってきた街はいつもとは違うどこかよそよそしげな雰囲気を出していた

多分明後日がハロウィンだから

ちゃんとハロウィンなんてしたことがない私はハロウィンのよさなんて1ミリも分からない

ぽーんっと軽く小石をけった

と同時に真っ暗に変わる世界、それにふんわりとした京言葉が耳に付く

「どないしたん?今日はいつもより早よ帰んねんな?」

振り返らなくても分かる、振り返えっても両目塞がれてるから見れないわけだが・・・

こんなふうに私に体を触れされたり子供みたいな事するのは・・・

「おたべこそどうした・・・いつもより帰るのが早いな・・・」

その瞬間両目ににぎやかな世界が広がり背中に暖かなぬくもりが感じられた

「っどうした・・・今日のおたべ・・・」

「なんもあらへんよ?」

腰に手を回し強く抱きしめてくる、照れ屋なおたべがどうしてこんな人前で?

「おたべ・・・こういうのは家帰ってからだろ?さすがにこんな人見てるとこで・・・」

照れ屋なのはおたべもだけど私だって照れ屋なのは負ける気がしない。

「そう言って学校で甘えても家帰ってから、ってばっかやん?家帰ってもやんか・・・」

半分いじけたような・・・子供っぽい。

「分かった・・・今日は特別、その代わり家帰ってからでいいだろ?今は・・・さすがに」

そう言い切る前にぐっと手を引っ張られた

「そんじゃあ早よ帰ろ??」

その後どうなったかは・・・またいつか教える