ソルトside
おたべが死んだ。そう聞かされた日から私の世界から色が抜けてしまった
大好きな赤色も・・もう分からないんだ。
おたべのスカジャンの色だって、分からない・・・
おたべが消えてしまいそうで怖かった
いつになくピリピリしたムードの部室はバカモノの一言で破られた
「おたべさんは・・・誰に殺されたんだ」
どきっと心拍数が早くなっていき呼吸が上手く出来なくなる
息がつまり、頭に血が溜まっていくのが分かった
「ソルトさんを・・・守っておたべさんは傷ついたんですか?」
ドクドクと脈打つように心臓が飛び上がり顔を上げることが出来なくなっていた
「おたべさんが苦しい思いをしてるのは!!ソルトさんのせ」
私の時とは違ってヨガの拳がバカモノの腹に叩き込まれた
「ッウ・・・。でもそうだろ!!ソルトさんが居なけりゃ今おたべさんはここに居たんだ!」
「あれは事故だろ?!ソルトさんは関係ない!」
バカモノの拳がヨガの頬に打ち込まれヨガの蹴りがバカモノのこめかみにヒットする
辞めて・・・辞めてくれ!!!
私のせいでおたべが傷ついたってのに・・・。
バカモノやヨガまで、巻き込んでなにしてんだよ・・・
「もう辞めろ!!!ヨガまで巻き込むな!」
バカモノの冷たく鋭い視線が体中に突き刺さった
「私が悪かった・・・おたべを殺したのも私だ・・・。でもヨガまで巻き込まれる理由なんてねえだろ・・・」
私なんかがいるから・・・
何もかも崩れ落ちちゃうんだ・・・。