最近、オアシズの光浦さんの本を恐ろしい速さで読破している。
面白くて読みだしたら止まらず、気づいたら「あとがき」。お…おもしろい。
この本は雑誌の「TVブロス」に掲載されたお悩み相談コーナーをまとめたもので、読者の様々な悩みを光浦さんの独特な面白さで解決していくものだ。寝る前に読みだしたら寝付くどころか目がギンギンに冴えてしまって眠れなくなる面白さだった。

光浦さんの表現方法で大好きな一文があるのだが、それが「ヘレン・ケラーの「ウォ、ウォ、ウォーター!!」状態になる」だ。
これだけ書かれてどういう状態だかわかる人はヘレン・ケラーの伝記を読んだことがある人だけだろ。ちなみに私は幼少期に買ってもらった数少ない本の一冊に「ヘレン・ケラー」があったため、この一文が伝えてくる破壊力がすさまじくツボった。

これが書かれたお悩みは、一人暮らしをしている20代大学生男子が、実家の祖母が宅配便で送ってくれる食料などの荷物の中にいつもどこかのスーパーで買ったダサいトレーナーとかが入っていて、これをやめさせたいというもの。
光浦さんは孫を喜ばせたい素晴らしいおばあちゃんだと絶賛し、黙って着てろと答えた後に嫌々アドバイスをくれます。
その名も「ハンムラビ大作戦」。
目には目を、歯には歯をというハンムラビ法典を参考に、孫からイケイケ、ケバケバ、ナウナウの服をおばあちゃんに送り、受け取ったおばあちゃんが「気持ちは嬉しいけど、この服はちょっとアタシには着れないなぁ。正直、孫のセンスって言うのは理解できないっつーか…あれ?…もしや……あああっ!」と気づかせる作戦。
この「あああっ!」状態をヘレン・ケラーの「ウォ、ウォ、ウォーター!!」状態という。(大笑)
この状態って目から鱗が落ちたとかいう穏やかな状態じゃなくて、もっと凄まじい、雷に打たれたかのような気づき、天啓が降りてきたみたいな勢いがあって好きだ。
というか久々にヘレン・ケラーのことを思い出した。あまりメジャーじゃない偉人(←)を話しに盛り込んでくる光浦さんの豊富な知識とセンスが大好きだ。ヘレン・ケラーってメジャーか?

ところで日常で分かり切ったかのように使っている言葉の端々が正しいのかどうか苦悶することが、最近よくある。
車で高速を走っているとき、「あ、今ターボが利いてる…」と考えた後、「ん?ターボが入った?」「ターボが目覚めた?」「ターボがオンになった??」…どう表現していいかわからない。
ちなみに前乗っていたホンダフィットは、VTEC入ったなーと思っていたけど、VTECも「入る」という表現で合っていたのかわからん。しかしあのVTECのパァァァーーーーンっていうレーシングカーのような音に切り替わる瞬間が超好きだった。今やすっかり街乗りコンパクトカー規格しかないフィットにVTECエンジン乗っているんだろうか?

ついでに天啓も「降りてきた」と書いたけど、これで合っているのかわからん。国語って難しい。

光浦さんは普段黙っていると「怒ってる?」「具合が悪いの?」と話しかけられることが多いらしい。それはご自分の分析では口角が下がっているせいだろうとのこと。
私も以前は誰彼構わず愛想よく笑顔で振舞い、天気の話しなどのくだらない話題でコミュニケーションを取ろうと必死だったけど、今やもう疲れ切ってしまい無表情で最低限の返事しかせず、エレベーターを待っているときなどの気まずい間は眼鏡を拭くなどの動作で無言を貫いていたら怒っているとでも思われたのか人から話しかけられなくなった。
この状態も嫌ではないけど、あまりにも人と話さないと声がでなくなり、電話の応対の際に声が出なくなるという弊害があるので、もうすこし表情を柔らかくして人から話しかけられるようにならなければと最近思う。(←)
で、光浦さんが行っている怒っていると思われない表情づくりの方法が「エロい妄想」だ!
エロい妄想をしていると自然と顔がニマニマして、人から「具合が悪いのか?」等の質問をされなくなったそう。
よーし!いっちょ私もエロを妄想しようじゃないか。
……と思ったものの、とりあえずエロを展開する登場人物は身近な生身の人間だと生々しすぎて不可能で、芸能人はハリウッドスターであってもやっぱりなんだか生々しくて無理。そうなると二次元の産物となり、まあ、そうだなー三ムソ4あたりの趙雲と…相手は誰がいいか…もう思いつかない、とりあえず適当な女を描いて(絶対に自分が登場しないのが己の性格をよく表している)、いざ!!
と思ったが、そのいざ2人がエロい展開になるにはどんなシチュエーションだよ。付き合っている二人がチョメチョメしている展開より、お互い好きなのに言いだせず、場の雰囲気で欲望が抑えきれず、みたいなのがいいなあ。しかし欲望が抑えきれない状態に持っていくにはどうするよ。酒か!酒の力を借りるんだ。
いやでもでも酒の勢いで事に及ぶまでの間、「間」があるじゃん、その「間」ってリアルな人たちの場合どうしてるの!?例えばバーやら酒場で酔った二人がいい雰囲気になって、じゃあ事を致せる場所に行きましょうとなったとき、場所に移動するまでの「間」よ。この時ってもう「抑えきれない欲望」を抑えてるじゃない、その状態が不自然すぎるじゃんああああああってなって、ちっとも2人は絡まない。
私の妄想はいつまでたっても酒飲んでる状態から進まん!!
これも経験値の低さゆえか…。その点、映画とかドラマってチューして気分が盛り上がってきましたーって後には場面が切り替わっていきなり寝室で、チュッチュしながらお互い服を脱がせるシーンに行けるから便利だよな。不自然な間はすべてカットよ。
リアルにワンナイトカーニバルとかしちゃう人とかホントどうやっているのか密着取材したいわ。
ついでに酒の力を借りて全ての欲望のストッパーを弾け飛ばしてチョメチョメを想像すると、性欲もさることながら我慢のストッパーもぶっ飛んでトイレまでの我慢もできず、ウンもションも垂れ流してしまうんじゃなかろうか。ということまで考えてしまう。酒に酔ってやっちまうということは、もはや前後不覚ぐらいの酔った状態じゃないと間違いなんて起こさないじゃん!?
いや、何となくわかっていますよ。人々は「酔ったせいで」という言い訳をしてヤる、頭は冴えわたったしたたかさんなんだという事くらい。
私はつまらん事にこだわりすぎるんだよ。

故に私は今でも無表情で無言のままだ。大丈夫だよ怒ってないよ。