えー、新年でございます。
お休み最高だよ。もうホント仕事行きたくねーよ。(出だしから愚痴)
昨年は新型コロナがじわりじわりと流行りだし、和楽器バンドの大新年会が中止になるという最悪のスタートから始まり、もうそれどころではないくらい世界的に大変なことになってしまったわけですが、今年は明るくてギスギスしない年になるといいなぁ。個人的にも世間的にも。

さて、昨年の11月末頃の話なんだけど。
「新解釈・三国志」を観たいなぁという気持ちと「孔明がムロさんだしなぁ」という複雑な気持ちがせめぎあい、とりあえず「映画見に行きたいな」という気持ちだけが残ったので映画館のタイムテーブルを調べた。あ、別にムロさんが嫌いなわけではないです。


「ストックホルム・ケース」面白そう。これはかの有名なストックホルム症候群、銀行強盗に同情()した銀行員が強盗に力を貸してしまう、人質と犯人が親密になってしまう心理状態になるには現場でどんなことが起こっていたのかというのを映画化したもの。しかし主演イーサンホークやんけ。あのイーサンホークやんけ!と躊躇っていたが、よくよく調べたら上映は来週だった。考えてた時間、無駄。あ、イーサンホークは大好きです。

そこで「ザ・ハント」を観ることにした。
これは富裕層が貧民層を狩る「人間狩りゲーム」の映画。ハイハイまたアンタはこんな映画ばっか見てと相方に呆れられそうだということは分かっている。でもヒラリースワンクが見たくてということで行ってきた。
映画のストーリーと前知識は「人間狩りデス・ゲーム映画」という事だけで見に行ったんだけど、これがなかなか面白かった!
まずこれ、世界観もよくわからず主人公が誰だかわからない状況でデス・ゲームが開始されるんだ。
まずパツキンのねーちゃんが目を覚ますと口にさるぐつわをされていて、ここはどこなの?周りにいる人たちもさるぐつわしているわフェーイフェーイ(ヘーイと言いたい)とか言ってると人々のなかからなかなかのイケメンが登場。パツキンとイケメンが主人公か?と思っていると次々と狩られて死んでいく!!えええっ!?みたいな。
次に主人公っぽくなる奴も死…。えええ、どうなの?ヒラリースワンクいつ出てくるの?と思っているとそのうち真の主人公っぽい人が登場。その主人公のバリバリの戦闘スキルと、何考えてるのかよくわからない(ちょっとまともじゃない人にも見える)表情がおもしろい。
中盤で「ウサギとかめ」の話をする主人公の語りも面白い。この人にいろんな昔話を朗読してもらいたいわーおもしろいわー。

この主人公の活躍と、世界観の秘密というか…がなかなか面白かったんだ。世界設定の秘密は一言で説明できるんだけど、最大のネタバレになっちゃうので書けないけど、かなり皮肉が効いていておもしろい。今の世相をかなり皮肉っていてプププと笑える面白さだった。
「人間狩り」というからもっとグログロなのかと思ったけど、そうでもなくアッサリめ。
狩られる側にも武器を与えるところとかよくわからない箇所もあるけど、狩られる側の人選が「ほぼ白人ばっかり」なところとか皮肉〜()



さて、ちょっとネタバレ。この映画、前情報が少ない方が楽しめると思うので書かない方がいいんだけれども少し書く。
この映画は「世界感」が面白い。私は「富裕層が貧困層の人を狩る映画らしい」という情報しか知らずに見たんだけど、狩られる獲物側の登場人物たち(狩る側は後半にしか出てこないんだけど)は状況が何となく飲み込めているような飲み込めていないようなビミョーな感じで、「噂は本当だったんだ!」「陰謀論が…」みたいなことを言っている。
この映画の世界では「富裕層が貧困層を狩って楽しんでいる」というのが当たり前の世の中なのではなくて「という噂がある」という世界のよう…。 この噂がどこまで本当なのか、誰がそのデスゲームの参加者なのか、という緊張感がほどよくワクワクハラハラして良い。


こういう映画内の世界設定を探り探り見る映画が結構好きなんだけど、最近いちばん受け付けなかった映画が「テネット」
あの時間逆行映画よ。あれ世界観を理解しようにも置き去りにして振り切られるあたりがさ…。謎がいっぱいだから2回以上観ないと…と言われているけど、私としては謎がいっぱいというかどうでもいいフリが多くて、その割にアクションやストーリーにぐいぐい引き込まれるような話でもなく、最後の感想は「で?」っていう感じであった。
「スゲー解釈の映画作ったった。お前ら理解できるぅ?」みたいな作り手のドヤ顔がチラ見えする。

いろんな人の考察サイトを読んで(でなきゃ理解できなかった)なんとなく話しは分かったけど「おおお!そうだったのか!?」って純粋に驚けず楽しめず、っつーかなんで逆行すれば瀕死の怪我から助かるんだよ、という冷めた目しかできなかった。
わけわからん映画も劇場を出るときに笑えてればいいんだけど、テネットは「だからなんなん」とか「は?」状態にしかならなかった。