パルside
このプリズンに来て、二週間が経とうとしていた。
私は相変わらずぼーっと時の流れを感じるだけ、ハブのやつらもどんちゃんバカ騒ぎ起こしてる・・・
プリズンにきて変わったこと・・・といえば、ダチが出来たことだ
プリズンは気に入らないけど、ダチは好き、ほら今日だって、知らず知らずのうちに苛立ってきてる
ピースがまだ来ないから・・・
「おはよ!パル!」
肩をとんっと軽く叩かれ振り向く前に目を塞がれる
「今日はね?パルにお土産もってきたよ!」
ピースはハブの中の調達係、云わば頼んだ物の大抵は用意してくれる。
普段はピースに直接頼み調達してもらうんだが特に欲しい物がない私はこうして受け取った事がなかった
「ちょぉっと、目閉じててね?」
その瞬間離れて行く手、言われた通り目を固く閉じ待っていた
「はい!もういいよ!」
また軽く肩を叩かれた、ゆっくりと後ろを振り向くと満面の笑みを浮かべたピースとクルックルのくせ毛のクマのぬいぐるみ。
「パルあんまり、私物持ってないじゃん?だからぬいぐる見どけど私が選んだの!」
ぎゅーっと押し付けられる。花のいい香りが鼻をくすぐった
「私は・・・私物なんていらない・・・」
一瞬シュンとした表情に変わったピース
「ピースがいれば、それでいいんだ」
不器用だから・・・、でもこれだけは言いたかった。