おたべ目線

息を乱してさっきまでとのクール差はどこに・・・

取り乱し始めた島崎

「大丈夫か?」

あざ出来るぐらいの力で肩を掴まれる

その行為にびっくりして肩から手離させようとしたんやけど絶対に離してはくれやんかった

島崎はずっと「独り」って単語を連呼してる

過去になんかあったんかな・・・こんな取り乱すって・・・

「大丈夫・・・大丈夫やから」

胸に抱き寄せて頭撫でたら背中に腕巻き付けてこれまた力強く抱きしめられる

「島崎の前からおらんくならんから・・・やからさ・・・ちょっと手離してくれへん・・・?」

そんなこと言っても離してくれるわけなくてあたしの胸元にぐりぐり頭押し付けてくる

「居なくならないでくれ・・・お願いだ・・・頼む・・・独りにしないで・・・」

そんな可愛いこというんやもん・・・

しょうがないわな・・・

「分かった・・・絶対おらんくならん」

島崎の後頭部に回してた手をあたしの胸元に押し付けた

その途端じんわり濡れた胸元の服

泣き声はたてやんと静かに服を涙で濡らしていく

島崎が落ち着くまでいくらぐらい掛かったやろか?

すっかり服は島崎の涙で濡れこんでた

「島崎・・・落ち着いた・・・?」

返答なし・・・

それどころかぴくりとも動かん

「ちょ・・・島崎??」

微かに聞こえる寝息

まじかよ・・・。

「泣き疲れたか・・・」

そっと床に寝かして頭をあたしの膝に乗っけた

髪とか頬をそーっと人差し指で撫でる

「島崎も変わるんやな・・・もしかしたら過去があかんもんかも・・・」

踏み込まへんよ人の過去になんか・・・

でも・・・島崎を守るって決めたから

そばにおるんわええでな?

こんなちっさい体で怯えてたんやって思ったらこっちまで哀れみになってくる

絶対守る

この小さな背中を。