いやー、昨日の地震怖かったですね。
新潟県内は震度はさほどだったけど、とにかく緊急地震速報が怖い!
スマホがブオブオブオブオ!!なんやなんや!!福島県沖…?防災無線チロンチロンチロンチロン「大地震です大地震ですだいじs」
怖い怖い怖い!!怖くて過呼吸!!!オエッ(えづき)

揺れに備えろって言われても正直備えようがないというか、音にビビって身動きとれない。
ちょっと前(といってももう2年前になるのか…)の新潟と山形の県境辺りの地震の時は地震速報が鳴る前に揺れていた気がする。あれはあれで、いつガンッという縦揺れがくるかわからなくてずーっと怖かったけど、あっちこっちでスマホがブオブオいってるときの恐怖感と絶望感となすがままにしかならない感、こわいよう。
とにかく防災無線が「大地震です」を繰り返すのがメチャメチャ怖かった。
怖い思いをしたせいか、怖い夢見た。幽霊が出てくる夢で、歌を歌うと霊が退散すると聞いて一生懸命歌おうとするんだけど声が出ない→リアルに寝言で叫んでた。

そんな寝言でオペラ歌手バリに歌った後床屋に行ってきた。
そこで映画談義してきたわけで、ここ最近見た映画といえば、「パラサイト」(テレビ録画)と劇場で見た「聖なる犯罪者」だ。

聖なる犯罪者はポーランド映画で、舞台もポーランドなのかな?キリスト教徒の小さな町が舞台。
少年院・刑務所に入ったものは聖職者になる資格を得られないらしいんだけど、聖職者の司祭というのはとても人気職業で、金が儲かるとかそういう意図ではなく神のしもべとして皆を教え導くという職業意義そのものが人気らしい。
主人公は少年院を出たばかりなのだが、院の中で学んだ教えから聖職者に憧れを抱いている。本当は木材工場で働く予定だったのだが、小さな嘘から教会の司祭様代行をすることになるのだ。
教会での彼の教えは一般的で聖書に書かれているような「教え」ではなく、人の心に響く教えで、若くて風変わりな司祭は町の人たちに人気が出てきて、ミサへの参加者がどんどん増えていくのだ。
この映画の面白いところは、犯罪者である彼の教えが人々の心を動かす様子や、一方から見ていると被害者・正義でも見方を変えると危害を加える者・悪だったりする「正義ってなにか」を問う点だ。
オーバーな演技やセリフや音楽は無いのに淡々と見ている者に語りかけてくるし、コミカルなセリフや演出はないのにクスリと笑わせてくれる。映画の最後のシーンはよくわからないんだけど、結構面白い、いい映画だった。

そんでパラサイトはまあまあ面白かったけど、あんなにネタバレ禁止!最後のどんでん返しがー!と言われていたが、「言うほどか?」というストーリーだった。イマイチ、どんでん返しってどこの事を言っているのかわからないくらい「まあ、そうなるでしょうよ」みたいな自然なはなしの流れ。途中でオチは読めるけど、それでつまらないというわけではない。

パラサイト(寄生)なので、半地下に住む貧しい一家がお金持ち一家に寄生して暮らす、というそのまんまの話しをコミカルに描く。
頭が良いがお金がないため大学に行けない兄が、友人から家庭教師の斡旋を受けるところから話しは始まる。お金持ちの家で兄が家庭教師を始め、その兄が美大志望の妹を絵の先生&カウンセラーとして(赤の他人のフリして)お金持ちの家に呼ぶ。更に運転手として父を呼び、家政婦として母を呼ぶ。こうして一家全員がお金持ちさんの家で働く職を手に入れるのだ。
能力があっても、お金が多少あっても、いい大学を出ていても、持たざる者は持っている者には絶対になれないという現実が映画のいたるところに散りばめられていて、どんなに身を繕おうが生まれながらにして身に沁みついているものは隠し通せず、メッキはすぐに剥がれてしまう。
最近話題になっている本で「育ちのいいひとだけがどうのこうの」という本もあるけど、たしかに育ちがよくて豊かな人たちはギスギスしていなくて本当に「善良」なんだ。その善良さが素晴らしいんだけれども、時にそれがものすごく残酷にも感じる。善良で純粋だからこそ最高に残酷だ。それをおもしろく残酷にわかりやすく描いた映画だった。
半地下一家の父親には全く向上心がなく(向上心を殺しているのかもしれないけど)、家族で焼き肉を食べられる生活は幸せだな!と、これはこれで善良で温厚なのだ。それが時折スーンと全表情が死ぬみたいな顔になるシーンがあって、そこから映画の結末を予測させる。ソンガンホの顔が怖いんだ。

どちらも面白い映画であった。今日、美容師さんとディザスタームービーの話しで盛り上がったので今デイアフタートゥモローが見たくなった。あんだけ地震にビビったくせに←