ハルさんのことは、一年前から知っている。
見た目は普通で特別好みなわけではなかったけれど、満更でもなかったので、ちづとふたりでどうにか進展しないかと日々妄想してた。
ちなみに『ハルさん』てのはちづと勝手につけた呼称で、実際名前を知ったらかすってもなかった(笑)
けど、もう一年もイメージが定着してるからハルさんのまま。
そんなハルさんは連休とか長期休暇のタイミングで現れることが多くて、もしかすると地方に住んでて帰省してきてるのかなって想像してた。
そしたら7月の平日の夜突然現れて、中島よりもちづが慌てる(笑)
ちづのおかげでレジで沢山話せて、その時知ったのは一人暮らししてて実家がこのコンビニの近くだということ。
そして8月、お盆休み初日。
ちづ
「?!おい!おい!ハルさんが店の前でタバコ吸ってる!!」
まじかあああwwやっぱり来たかあああwww
外のゴミ拾うふりしてちゃっかり挨拶し、その後万全を期してレジにて待機する中島。
店内に入ってきたハルさんは、ビールを手に取りレジへ。
中島
「今日はお仕事お休みなんですか?(いった!話しかけてやったぜ!)」
ハルさん
「そうです。お盆休みで…
お盆はどこか出掛けるんですか?」
中島
「いえ、特に予定はないですね。出掛けはるんですか?」
ハルさん
「いえ、僕も特に出掛けないです」
では、と帰りかけるハルさん
中島
「彼女さんと出掛けたりしないんですか?(よし!言ってやった!)」
ハルさん
「あ、いや、3年くらい彼女いないので…」
中島
「そんなんですね!意外…」
ハルさん
「はは(笑)では…」
一回は外に足を向けたハルさんがレジに向き直したと思ったけれど、他のお客さんが来たため中島はレジ対応。
するとハルさん、再びビール持ってレジへ。
ハルさん
「あの、よかったら連絡先教えてもらえませんか?…友達になってください」
キターーーー(°∀°)ーーーー!
中島
「バイト22時に終わります!」
ハルさん
「では、また連絡します」
一年越しのハルさんの想い、なのか、一年越しの中島の願い、なのか。
人によっちゃ、本気ならもっと早く連絡先聞いているだろう、なんて意見もあるのですが。
タイミングとか色々あるし、ハルさんはだいぶ臆病な気がするし、よく分かりません。
ハルさんはめちゃくちゃLINEも丁寧で、真面目。その分面白味には欠けるけど、ハルさん文面からはどこか哀愁を感じて、そこがまたいいなぁと思わされる。
どこか、自分にも似ている気がする。まあ、まだ二週間くらいしか経ってないし会ってもないから分からんけど。
けれど、こうしてハルさんと連絡をとれるようになったのは、ムッくんと出逢った後の話。
ムッくんを家に泊めた後、中島はハルさんと急接近してしまった。