さて、なにも手につかないからブログでも書く。
新しいテレビが来たことだし、いい音・いい画像で「ハート・ロッカー」を見ようぞ!!と久々に見た。
確かハート・ロッカーの事を語ったことがなかったと思うので語る。
これはイラクに駐留するアメリカ兵の爆弾処理班の日常にフォーカスした映画だ。
正直、戦争映画は割と好きなんだけどいい加減なこと(内容説明と感想)を書けない気がするので忌避してるのよね。
だって〇〇戦争と聞いてもどこの国とどこの国がどんな理由で(きっかけで)戦争を始めたのかを知らないと、戦争映画を正しく解説なんてできないじゃない。でも数々の戦争の歴史って、調べれば調べるほど複雑で理由・要因が多すぎて、国vs国と言い切れないと思うのよ。
太平洋戦争だって私は歴史の授業では「太平洋戦争」と習ったけど呼び名はいくつもあるし、どの期間で区切るかによって敵国は変わるし、知ってるつもり・学んだつもりだけどわからないことが多すぎて曖昧過ぎて書けない。
さて話し戻るがこの映画、別にイラクとアメリカがゴリゴリの銃撃戦や空爆などの「戦争」をしている話ではない。イラク国内の宗教紛争にアメリカなどの国が介入し、イラク国内の情勢を不安定にするべく仕掛けられた爆弾やテロを「解除」していく話なのだ。
「爆弾解除」と聞くと赤いワイヤー青いワイヤーどっちを切るかとかタイマーが残り40秒しかないとか、そういう展開のハラハラを思い起こすけど、この映画のハラハラは
そこじゃない。
ジェレミーレナー演じるジェームス二等軍曹はニッパーひとつで淡々と爆弾を解除していくわけだが、その様子を見ている周りの現地の人々の目が
すんごく怖いんだよ。
これらの爆弾の起爆装置を
誰が持っているかわからないというのがすごく怖いんだ。きっと外国の兵士たちがズゴックみたいなスーツ(防爆スーツ)を着てなんかしてる(しかも周りに銃を構えた兵士がたくさんいる)のがベランダから見えたら、興味津々でじっくり見ちゃうじゃん。だけどその見ている人のうちの誰かがこの爆弾を仕掛けた犯人だったら?起爆装置を持っていたら?と思うと、兵士、緊張で頭おかしくなるって!!
…という極限の緊張状態が映画内で続くわけだが、この緊張が麻薬のようにやみつきになり、死亡率の高い爆弾処理の仕事からに離れられなくなる兵士がリアルにいるらしい。
そして兵士たちが任務明けまで、今日は生きている。でも明日はわからないという日々をすごし、疲弊していく様子が痛々しい。
ところでこの映画を見て「?」というシーンがいくつかあるんだけど、特にベッカムよ。
私もサンボーン軍曹に賛成でイラン人の見分けが全然つかないのであれはベッカムなのかどうなのか何度見直してもわからないし、特にジェレミー演じるジェームスは心境を吐露しないので何を考えて何を思っているのわかりづらいんだ。「こういうことかな?」と勝手に想像しているけど間違っている気がする。
だがこの映画は極限の緊張感を味わって、どうしてこんなこと(戦争・紛争・爆破)するんだろう?と考えさせられる映画だ。ただの反戦映画でも兵士称賛映画でもない。地味な絵面を緊張感タップリに淡々と描き(矛盾しているけどホントにそうなんだ)、そのリアルさが恐ろしい。
ついでに私が戦争映画が好きなのは、国々の死生観、宗教観が浮き彫りになるところかも。
太平洋戦争時にゼロ戦で特攻してくる日本兵をアメリカ人は理解できないが、日本で生まれ育っているからか「じわり」と理解できる。だから自爆テロを仕掛ける人々の宗教、文化、背景を学べば、そんなことをしなくてもいい・そんな散り方よりも幸せがあることを伝えられるようになるのかもしれない。