桜庭デパートでの1件が終わった後、満月は桜庭GC(ガールズコレクション)に
作品を出展するため、準備をしていた。
「ああ、忙しい、忙しい!」
「満月ちゃん、大変だねぇ。」
「そうなんですよぅ。もう色々と忙しいです!
学校に仕事に行ったり来たりだから、もう倒れそうで!」
「大丈夫かい!?」
「若旦那様、過保護すぎです。」
その時、満月のスマホに着信が入った。
「はい、もしもし姫宮です。…………ああ、三倉さんですか。…………え?」
桜庭GCの主催者である三倉の話に満月は言葉を失った。
「……………え、それガチで言っているんですか?
はあ、わかりました。一応、こちらの方でも確認取ってみます。はい、はい。
失礼します。」
電話を切った満月はため息をついた。
「どうかしたのかい?」
「三倉さんが、刀剣男士にゲスト出演できないかって。」
「………………急な話だね。」
「何でも、ゲスト出演する予定だったアーティストが身内の訃報が入ったとかで、
出れなくなったんです。」
「………まあ、冠婚葬祭は仕方がないよ。
でも、今から出演できる俳優って言ったらいるかな。」
「とりあえず電話で聞いてみます。」
そう言うと満月はスマホを操作して、電話を入れることにした。
……………そして、迎えた当日。
「まさか、桜庭GCにゲスト出演するなんて思いもよらなかった…………。」
「それは僕もそう思います。」
「でもまぁ、仕方がないんじゃないかな。冠婚葬祭は仕方がないし。」
「そうだねぇ。冠婚葬祭は人生における最大のイベントだからね。」
春花、涼、千夏、祐一の言葉に満月はホッとした。
刀ミュ仲間で桜庭GCにゲスト出演できる人間がいないか、電話で訊ねたところこの4人が
立ち上がってくれたのだ。
「でも見事に厚樫山異聞、幕末天狼傳、三百年の子守唄から2振りずつの編成になりましたね。」
「………隊長、誰にする?」
「そりゃ、満月ちゃんでしょ。」
「刀剣男士formationof桜庭GCですか…………?」
「お、そりゃいいな。」
「………てか、何で智久さんがここに?」
「ああ、俺は司会進行役なんだ。アナウンサーが腹痛による体調不良で白羽の矢が立ったんだ。
まったく困ったもんだぜ。」
「…………不束者ですが、私もサポートをさせていただきます。」
「鶴丸さんが一緒なら、大丈夫ですね。」
「ありがとうございます、春花様。」
続く。
「なるほどなぁ、そんなことがあったのか。」
「さすがは太鼓鐘と物吉だな。」
正午を回り、満月達は桜庭デパートにやってきた芳樹と智久と合流した。
「でもまあ、何というか無事でよかったよ。」
「はい。妊婦さんの旦那さんから物凄くお礼を言われましたよね。」
「感謝感激の言葉を言われた時は驚きましたけど。」
「ま、俺達は皇室の要人警護もやっているぐらい強い守り刀だからな。
けど、傲慢したらいけないもんな。」
「……………これからもよろしく頼むよ、皆。」
「はい!」
「さて、じゃあお昼は何処で食べようかしら。」
和気藹々と話をしながら、6人は飲食店に入り、昼食を摂ることにした。
そして、次の日。
「……………へぇ、そんなことがあったんだ。」
私立聖ミカエル女学院で満月と物吉は春花に桜庭デパートで起きた出来事を話した。
「テロリスト達、何の目的で桜庭デパートにやってきたの?」
「何でも不当に解雇されたとかでその腹いせに色々と準備をして、
不法侵入をしたそうです。」
「……………勤務態度に問題があったからじゃないの?」
「そうだったらしいよ。」
「馬鹿だねぇ。真っ当に勤務していれば、解雇されることもなかったのに。」
「そうそう。」
「人生を無駄にしてしまいましたね。」
「ホントに…………。」
続く。