「芳樹さん、どうですか?この浴衣、似合っています?」
くるり、と一回転をした満月に芳樹はうんと言った。
「似合っているよ、満月ちゃん。」
「芳樹さんも似合っていますよ。」
「ありがとう。」
初瀬神社で行われる夏祭りと花火大会に参加するため、2人は浴衣に着替えた。

「さて、じゃあ行くとしますか。」
「はい!」

2人は仲良く手を繋ぎ、初瀬神社に向かった。

屋台が並ぶ中、2人はりんご飴を食べたり、綿菓子を購入して楽しんだ。

「満月ちゃん、お腹大丈夫?」
「平気ですよ。小さい頃みたいに壊したりはしませんって。」
「なら、いいんだけど。満月ちゃんは無理をするから。」
「心配性ですね、芳樹さん。」
「そりゃ、心配もするって。
お腹を壊して病院に搬送されかけたのは誰だったかなぁ、と。」
「もう、芳樹さん!」

ぷくぅ、とむくれる満月の頬を芳樹はつんつん、と突いた。

「あはは、むくれ顔も可愛いなぁ。
じゃあ、お姫様の御機嫌がこれ以上悪くならないよう色々買わないとね。」





終わり。