「……………これは確かに殺害予告ですねぇ。」
芳樹宛に届いた手紙を読んだ物吉は深いため息をついた。
「厚と後藤、薬研と信濃の4人には若旦那様についてもらいます。
お嬢様については…………毛利と包丁、それに乱が。」
「わかりました。」
「お嬢様は僕達が守るからね、いち姉ぇ!」
「安心していいよ!」
「お嬢様には虫1匹近づけさせません!」
親指を立てて、自信満々に護衛をかってでた毛利と包丁、乱の3人に物吉はうふふ、と笑った。
「……………で、筆跡鑑定は出たんだろう?姉貴。」
「ああ、複数犯の可能性が十分に高い。
正々堂々と出るか、それとも闇討ち暗殺をするかはわからないが…………。
真正面から仕掛けるのなら、鯰尾と骨喰に。
闇討ち暗殺なら、堀川殿の方が………というか、新選組にお任せしようか。」
「そうだな。」
「…………………なら、その作戦で行こうか。」
「だな。」
「うん。」
「大将の命を狙うなんて良い度胸しているよなぁ、この手紙の差出人。」
「綿貫と姫宮にケンカを売ったこと、ぞんぶんに後悔させてやりましょう。」
「………………いち姉ぇだけは敵に回したくないよね。」
「同感だ。」
続く。
「……………ふむふむ、なるほど…………。」
喫茶店に入った芳樹と満月、物吉の3人は
メニューを見ながら先ほど購入していた同人誌を読んでいた。
「…………なかなか面白いね、これは。」
「…………18歳だったら、読んでいたんですけどぉ…………。」
「まぁまぁ、お嬢様。後1年と十数カ月の辛抱ですよ。」
「それが長いんだってば。」
「…………………春花ちゃんの従姉妹は面白いのを描くね。
後で春花ちゃんに連絡しておかないと。」
「………むぅ。芳樹さん、私と春花ちゃんどちらが良いんですか?」
「そりゃもちろん、満月ちゃんに決まっているじゃないか。」
きらきらとした笑顔でにこやかに笑う芳樹に、
店内にいた女性客達は鼻血を出しそうになった。
「………………………笑顔が眩しい………。」
「とかいいつつ、ちゃっかり写真を撮っているじゃないですか、お嬢様。」
「だって、今のカッコいい芳樹さんは今しか撮れないんだもん。」
「満月ちゃんは可愛いなぁ。
……………さて、次は何処に行こうか?」
「それでしたら、この店に行きたいです。
何でもパンケーキが美味しいと評判だそうで。」
「お嬢様、食べ過ぎると太りますよ。」
「満月ちゃんはもうちょっと太っても大丈夫だと思うんだけどねぇ。」
「芳樹さん!」
にこやかに他愛もない話をする2人の様子を見て、店内にいた客達は至福……という表情をした。
続く。