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飼い猫の生活。

とてとて、とフローリングの床を私ことキティは歩いていた。

「あ、キティ。おはよう。」

ご主人様である満月さんに声をかけられて私はみゃぁ、と鳴いた。

私はノルウェージャンフォレストキャットという種類の猫で、
元々捨て猫として保護されていたところをちょうどペットが飼いたいと思っていた
芳樹さんと満月さんに貰われた。

綿貫家での生活はほんとにのんびりとしたもので、
ご飯は美味しいし、2人や守り刀の世話はとても丁重で心地良い。

満月さんの歩調に合わせて私は歩く。

幼少期は病弱だったという彼女は今でもたまに季節の変わり目になると寝込んでしまう。
そういう時、私は傍によるのだ。

ちょっと顔を見てみると、何だか調子が悪そう。大丈夫かしら?


「……なぁに、キティ。心配してくれてるの?」

満月さんの問いに私はみゃぁ、と鳴いて足に擦り寄った。

「キティは優しいのね。」

当然。私は芳樹さんと満月さんのことが好きなんだから。
2人に貰われなかったら、保護施設のところにいたままだったかもしれないもの。

「ああ、満月ちゃん。おはよう。それにキティも。」

ご主人様、おはようと私はみゃぁと鳴いた。

人間との意思疎通はできないけれど、人間の言葉は理解できる。

私はここにきて幸せだ。

「……………そろそろ、手入れをしないといけないかもなぁ。」
「そうですね。」


ご主人様の手入れはとても気持ちがいい。満月さんと2人で協力してやってくれるから、なおさら。

ごろごろと鳴く私の首を芳樹さんは撫でた。


「キティは良い子だね。これからもよろしく頼むよ。」

ええ、こちらこそ喜んで。



終わり。

飲ませちゃいけないわけ。

姫宮満月には炭酸飲料を飲ませるな、という話がある。

「…………何で炭酸飲料を飲ませたら駄目なんですか?」
テレビドラマの撮影現場にて、
有栖川澪は満月の婚約者である芳樹にそう訊ねた。
「ああ、満月ちゃんは炭酸が苦手でね。
昔からなんだ。
シュワシュワしたものが嫌いなんだよ。」
「…………それじゃあ、アルコールもダメなんじゃないですか?」
「………うん、そうだね。まだ未成年だから飲ませていないけど、
炭酸がダメならアルコールもダメかなぁ。」
「澪ちゃーん、ちょっといいかなー。」
「あ、はい。………でも満月さんにも苦手なものあったんですね。」
「そりゃ、人間だもの。嫌いなものとか苦手なものは誰にだってあるさ。」

澪を見送った芳樹のところに、守り刀である和泉守兼定がやってきた。
「そらよ、差し入れだ。若旦那様。」
「ありがとう。満月ちゃんの前では炭酸飲めないからね。」
「…………あの子に言わんで良かったのか?
お嬢様が炭酸飲料を飲んだら、酔っ払うって。」
「………言えるわけないだろ。
満月ちゃん、酔っ払うと感度良くなるって。澪ちゃんにはまだ早すぎる。」
「だろうな。」
あはは、と笑う和泉守に芳樹はため息をついた。
「炭酸水もダメだからなぁ、お嬢様。」
「…………誰だよ、炭酸水が美容に良いとか言っていたの。」

そういうと芳樹は缶コーラの蓋を開けて、いっきに飲み干した。


終わり。

小さい子だって夢を見る。

有栖川澪、8歳。
彼女は今、天才子役として名を馳せていた。
……だが、そんな彼女も密かな夢を抱いていた。

「……………ねぇ、ママ。」
「何?」
澪はある日、マネージャーを務めている桜子にこんなことを訊ねた。
「…………恋愛したいって言ったら、どうする?」
その問いを聞いた瞬間、桜子は持っているスマホを落としそうになった。
「………ちょっと待って。そういう話は専門家に任せるから。」



「…………で、私に聞こうとしたわけ?」
「………そうなんですよ。満月さん、生まれる前から結婚相手が決まっているって言うから、
話を聞くだけ無駄じゃないってママが。」
喫茶店で澪は8歳年上の満月に相談した理由を話した。
「まあ、確かに性別が分かった時点で結婚相手が決まったのは事実だね。
綿貫は姫宮をあらゆる方面から守る代わりに、女児が生まれたら
綿貫に寄越せって約束をしていたからね。」
「………あの、満月さんは不満なんてなかったんですか?
物心ついた頃から婚約者がいるってことに。」
「いやぁ、不満なんて感じたことはなかったね。
ほら、刷り込み効果って奴でさ。
1番最初に見たものを親と信じ込む効果っていうの?
そう言う感じが強かったかな。
あ、私、この人の番になるんだなぁって。」
「…………。」
「…………答えにはなっていない?」
「全然。だって、普通の年頃の女の子だったら今時、自由な恋愛したいとか言い出すと思うんですけど。」
「あー……自由な恋愛ね。そりゃ確かに身分違いの恋にも憧れたことはあったよ。
でも、後々が面倒でさ。こういう家に生まれた以上、どうしても身分違いの恋はできない、
私は身分相応の恋しか許されないんだなぁって幼いながらに悟ったよ。
でも、それを感じさせないほど、芳樹さんにはよくしてもらったから。」
「はぁ…………。」
「まあ、つまるところ、恋愛に年齢なんて関係ないけどさ。
ひとまず、澪ちゃんの年齢で恋愛はまだ早いかな。
子供でいられる時間を大事にしろって話。
私みたいな境遇の人間なんて、結構特殊だし、参考にはならないよ。」
「でも話を聞くだけタダじゃないですか。」
「そりゃ、そうだけどね。」
「でも、満月さんと芳樹さんみたいな恋愛をしたいなって夢はあるんですよ。
歳の差婚になるんでしょうけど、お互いに思い合っているっていうか。
相思相愛って奴というか。」
「まあ、お互い思うのは大事なことだね。
一方通行の恋愛は止めた方がいいよ、ろくでもないから。」
「はぁい。」




終わり。

小さい頃のお話。

「…………うーん、38.5℃。高熱だね。」
「………七夕会楽しみにしてたのに………。」
「満月ちゃん、あまり無理しないようにね。
そんな体で学校行ったら、倒れるだけじゃ済まされないよ。」
体温計を救急箱に入れた芳樹は満月にそう言った。
「お昼ご飯、何が食べたい?」
「………んとねー………うどんが食べたい。冷たいの。」
「うん、わかった。作ってくるから、待ってて。
………物吉、満月ちゃんを見てて。」
「はい、わかりました。」
「……………。」
台所に向かう芳樹を見送った満月はもぞもぞと布団の中で動いた。
「暑いですか?」
「……うん、暑い。」
「今日は最高気温35度ですからね………。高熱出している時に学校へ行ったら、
熱中症も出ちゃいますよ。」
「……ね、チューしよ?」
「………ボケっとしちゃっていますね。今、タオル変えますから。」

物吉は氷水で冷やしたタオルと熱を帯びたタオルを交換した。

「………物吉、満月が熱を出したって本当か!?」
「大丈夫!?」
「……ちょっと心配!」
「満月、死んだら嫌だよ!?」
「………落ち着いてくだされ、皆様方。
満月様は熱が出ているんですから、お静かに。」
一期一振の言葉に綾人達はう、となった。
「満月様、これを。」
そういうと一期は後ろに視線を向けた。
そこには笹の木があった。
「家でも七夕が楽しめるよう、信濃達が用意してくれました。
お薬を飲んでお休みになる前にでも、短冊に願い事を書いてくだされ。」
「………ありがとう、一期。信濃達にもお礼を言っておいて。」
「はい。かしこまりました。」



「………って言っているけど、実際はいち姉ぇが用意したんだよね。」
「………乱、それは言っちゃいけないぜ………。」
「なんやかんやでいち姉ぇも満月お嬢様に甘いよなぁ………。」

「………どうする?アイス買ってきたんだけど。」
「皆の分、あるんでしょ?渡しに行こうよ。」
「それもそうだね。」

そんな会話が部屋の前でされていたことなどつゆ知らず、満月は芳樹達に甘やかされて
うどんを食べた。


終わり。

リオン・レーヌが刀ミュにハマったようですE

ノンストップで演奏をする満月と芳樹に愛歌のファン達は感嘆の表情をしていた。
刀ミュのファン達はさも当然のような表情で2人の演奏に耳を傾けている。

何曲か歌った愛歌は息切れする様子を見せることなく、笑顔を見せた。

「皆、楽しんでるー!!?
今日はスペシャルゲストとして、芳樹さんと満月ちゃんに来てもらっているわよ!
最後まで楽しんでいって!!」

愛歌の言葉にファン達はペンライトで返答した。


……………そして、時間はあっという間に流れ。ライブは無事に終了した。


歓声と拍手が鳴り響き、芳樹と満月は手を繋ぎ、会釈をした。

それを見て愛歌と物吉はニコリと笑い合う。


ライブも無事に終了し、反省会が終わった頃には既に日付が変わっていた。

「………今日は本当にありがとう。2人のおかげで大盛況だったわ。」
「いえ、こちらこそ刀ミュ以外のライブに参加できてよかったと思う。」
「………はい。」

「僕は楽譜を捲るだけでしたけど、参加できてよかったですね。」

「今度、幕末天狼傳をやるんでしょう?絶対観に行くわ。」
「はい、ぜひにも!!」
かくして、3人のライブは無事、大盛況に終わったのであった。


終わり。
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