…………ゆらゆらと海洋の中を泳いでいる。
「………………………あれ、何か気持ちいいかも…………。」
夢の中でリオンはシャチと共に海洋を泳いでいた。

「…………………………って、まさかの夢?」

高級マンションの一室で、リオンは目を覚ますとガクッと項垂れた。

朝食を作り、椅子に座ったリオンはご飯を口にした。

「………はぁ、それにしても昨日は災難だったな…………。
ミュウミュウってこの間、テレビで話題になっていたよね………。
猫耳生やした子とか、ウサギ耳?生やした子とか。
………そう言ったのと同じ、なんだよね。私も。
………っては、まさかミュウミュウって動物と合体した子が変身したとか!?」

思わずご飯を零しそうになったが、リオンは合点が言った。

「…………そうだよ、私の中にシャチが入っているってことはさ…………。
シャチの力を手に入れたってことになるんじゃ……………。
………いや、でもそれなら事故に遭った私がここまで回復できたのにも合点がいくというか…………。」

朝食を食べ終え、食器を片付け、歯磨きをしたリオンは鍵をかけると登校することにした。




「………………まぁ、何にしてもだ。今の状況をまとめると、
あのショコラとバニラはエイリアンの親玉に仕えていたけど、6人のミュウミュウに倒されたから
反旗を翻したんじゃないかな…………。
で、キッシュとタルトとパイの3人のエイリアンが人間にほだされたっていうから、
多分2人は彼ら?彼女ら?と和解していないってことになるんじゃないかなあ…………。
あ、頭が痛くなりそう……………。」


「あ、おはよう、櫻井さん!」
「…………あ、おはよう。」

クラスメイトに声をかけられて、リオンはビクッとなった。

「どうしたの?」
「あ、ううん。何でもない。今日も良い天気だなぁ、と。」
「そうだよねぇ。あ、ところで櫻井さん。カフェミュウミュウに行かない?」

「…………カフェミュウミュウ?」
「ケーキが美味しいの。店員さん達ももう可愛くってさぁ!」

「へー。」

「…………で?どうする?行く?」
「行こうかな。」

「やった、じゃあ放課後にね!!」

そう言うとクラスメイトはパタパタと駆けて行った。


「………………カフェミュウミュウかぁ…………。
もしかしたら、関係あるのかもねえ………。」



続く。