「………どれ、テレビでも観ようかの。」
幸造はそういうと、テレビをつけた。

『………それでは次のニュースです。
今朝未明、散歩をしていた老夫婦が大型動物のようなものに襲われ
病院に搬送されるという事故が発生しました。』

アナウンサーが読み上げたニュースに満月達は釘付けになる。

『老夫婦は重傷を負いましたが、命に別状はありません。
警察の発表によりますと……。』

「……大型動物のようなもの、か。」
「闇呪かの。」
「調べてみる必要がありますね。………行きましょうか?」

「満月ちゃんはダメだ。怪我でもしたら、大変だ。俺が行くよ。」

「芳樹さんが行くなら私も行きます。運命共同体ですから!」
「そうは言っても………。」

「満月が頑固なのは知っているでしょう、芳樹。
お前絡みになると聞き分けが悪くなる。」

「………まあ、それは昔から変わらないんだけど………。」
「喧嘩するぐらいなら2人で行って来たらどうじゃ。
物吉も連れてな。」
「…………わかったよ、じいさん。
でも、満月ちゃんには無理をさせないからね。」
「はーい。」
「そんなに心配なら私達も行こう。」
「皆で行けば怖くないって奴?」
「さんせーい!」

「……そんな赤信号、皆で渡れば怖くない的な発想はちょっとなぁ………。」

「じゃあ、私と梢江さんとで夜食の準備しておくわね。」
「お母様、呑気すぎですよ。そんなピクニックじゃないんだから……。」

「………まあそれがお義母さんの良いところでもあるんだけど。」



続く。