「………そっか、真琴ちゃんは澪ちゃんと同級生なんだ。」
「はい、仕事の時とかはいつもノートを貸してくれるんです。」
「あー、わかる。私も仕事の時はクラスメイトに頼んでノートを取ってもらっているから………。」
「満月さん、大変ですよね。
音楽作家兼デザイナーとして活躍しているだけじゃなくて、
女優としても活動しているんですから!
憧れちゃうんですよねぇ。」
「そうかな?」
流れるプールでゆらりゆらりと流されながら、満月は真琴と話をした。
「…………そりゃ、清光は男じゃないとダメだ、とか華奢さがどうしても受け入れられないー、とか
よく聞きますけど、演技に性別なんか関係ないですよね。」
「そうそう、ド素人がそんなことを言うのはどうなんだ?って話だね。」
「私、満月さんの演じる清光、大好きです!」
「そう言ってくれると嬉しいなぁ。」
「お嬢様、あそこにウォータースライダーがありますよ?」
「え?ホント、芳樹さん行きましょう!」
「あはは、良いけどね。」

ウォータースライダーを楽しんだ芳樹達は昼食を摂ることにした。
和泉守が人数分の昼食を買ってきてくれた。
「ありがとうございます、和泉守さん!」
「………何か、凄いスタイルが良いですね、和泉守さん。
あ、いや、堀川さんもですけど。
何処をどうやったらそんなナイスバディな体になれるんですか?」
「よく食べてよく動くことだな。」
「そうですね。
ぐーたらしていたら、筋肉が脂肪になっちゃいますから。」
「………な、なるほど………。」



「おい見ろよ、すげぇ美人!」
「ホントだ、あれって姫宮満月ちゃんじゃね?ぺちゃぱいだよなぁ。」
「ばっか、お前命知らずか!?守り刀に聞かれたら死ぬぞ!」



「…………………。」
「…………お嬢様、落ち着いてください!」
「離せ、離して!一撃を入れないと気が済まない!」
「奇遇だな、私も一撃を入れないと気が済まないタチだ。」
「和泉守も落ち着きなよ…………満月ちゃん、そんな卑屈にならなくてもいいって。
ぎゃふんと見返してやればいいだけの話なんだし。」
「そうですけど、なんか腹立つぅぅぅ!!」

「…………ぺちゃぱいって禁句なんだね………。」
「…………で、でも、胸がありすぎるとサラシとかそう言うの巻いて演技しなくちゃならないから
ぺちゃぱいの方がかえってやりやすいんじゃ…………。
それに将来的な話をすると、満月さんムチムチボディになりそう………。」

澪の言葉に満月はあげていた腕をおろした。

「………ムチムチボディになる?私が?」
「今は無理ですけど、将来的には………なるんじゃないですか?
だから一撃を入れるのはムチムチボディになってからでも遅くないかと!」
「…………まあ、それなら仕方がないかな………。」

満月の言葉に澪と真琴はッとした。




続く。