「………あ、ルリちゃんいいなぁ。色違いのラルトス持ってる!」
「ホントだ!」
「すっげぇ!」
小児科病棟でラルトスと散歩をしていたルリは同じく長期入院している子供達から、
羨望の視線を向けられた。
「お姉ちゃんが私にプレゼントしてくれたの!」
「そうなの?」
「優しいお姉ちゃんだね。」
「ルリちゃん、良かったわね。」
「パパもママも仕事で忙しいけど、これからは大丈夫って言えれるし平気!」
「まぁ、良い子に育っちゃって………。」
「ねぇねぇ、ラルトス何を覚えているの?」
「うーん、お姉ちゃんそこまで言っていなかったし。
…………この子、戦うの嫌いなんだって。」
「そうなんだぁ。」
「ねぇねぇ、この赤いツノみたいなの触ったらダメ?」
「ダメだよ、吃驚しちゃう!」
和気藹々と話をするルリ達に看護師はうふふ、と笑ってラルトスを見た。
「貴女が来てくれて、本当に良かったわ。
皆、良い顔をしているもの。」
ラル?とラルトスは看護師の顔を見て首を傾げた。
「退院してくれるのが1番いいんだけど、ここにいる子達は長期で入院しているから
結構寂しい思いをしていてね。
だから、仲良くしてあげてね?」
看護師の言葉にラルトスは元気よく返事をした。


『そっかぁ、皆の人気者になったのね。』
「うん、ありがとうお姉ちゃん。」
『いえいえ、こういう形でしか見舞うことできないもの。
………あ、そうだ。またポケモン送るわね。
何がいい?』
「え、選んでもいいの?」
『うん。OK、OK。伝説のポケモン以外なら、何とかなりそうだし。』
「んとね、んとね!イーブイがいい!できればメスの!」
『…………イーブイか、メスの比率低いけど頑張ってみるよ。』
「わーい、お姉ちゃん大好き!」

その日、ヒスイとの電話を終えたルリはニコニコ笑顔になっていた。
「楽しみだなぁ、イーブイが来るの!」



「……………ウルガモス、シャンデラ。頑張ろうね………。」
ヒスイの言葉にウルガモスとシャンデラは、えいえいおー、と体を動かした。
「…………まあ、言った手前はね?何とかしてあげたいのがお姉ちゃんなのよねぇ………。」





終わり。