空間の歪みから現れたのは時間遡行軍であった。
その数、6体。

「…………………何あれ…………。」
誰かがポツリ、と呟いた。
そして聞こえてくる、悲鳴と怒声。

時間遡行軍6体は空間の歪みから体育館の床に降りると、ギラギラとした瞳を児童達に向けた。

「……………………な、何で、時間遡行軍がここに!?」
「こ、子供達を避難させろ!」
「ど、何処にですか!?」

教師達がパニックに陥いる中、時間遡行軍は咲良の姿を見つけると、刀を向けた。
そして、狙いを定めて、襲い掛かってきた。
「………小鳥遊さん、危ない!!」

「………小狐丸!!」

咲良が叫ぶと、小狐丸が姿を現した。
鞘から太刀を抜き、小狐丸は時間遡行軍1体を斬り捨てた。

「主様は私が守ります故、ご安心を。」
「…………こいつらが時間遡行軍ってことは、やっぱり狙いは私?」
「でしょうな。主様はまだ正式に審神者になられていませんから、
審神者になる前を狙ってきたのでしょう。」
「………………まだ本丸とか初期刀とかもらっていないのに、何で………。
あ、そっか。小狐丸に呼ばれたから。」
「はい。恐らくはそれが原因かと。」
「えー…………………。とりあえず、残りは5体だね。
増援が来る前にちゃっちゃっとやっつけちゃおうよ。」
「かしこまりました、主様。」

仲間を斬り捨てられて、時間遡行軍は小狐丸に刀を向けた。
「………さて、では踊りますか!!」

柄に力を込めて、小狐丸は2,3体の時間遡行軍を一気に斬り捨てていった。
…………4体の時間遡行軍が斬られ、残るは2体となった。

後退する時間遡行軍を逃がさないよう、小狐丸は距離を詰めていく。

「……………痛いですよ、野生故!!」


そして、距離を詰めた小狐丸は2体を斬り捨てた。



続く。