次の日、深愛、涼子、澪の3人は宮森の運転する車で小野かのゑの家に向かった。


「……………でもホントに怪獣だったらどうするの?」
「小型の怪獣なら山中なり、海中なり放牧すればいいけどそれ以上のクラスになると
ちょっとね……………。
小型化する方法、私知らないし。」
「…………だよねぇ。」

「つまり、自分の敷地に害がなければそれでいいって話ね。」

「……………つきました。ここが小野さんの家です。」


「うっわ、滅茶苦茶豪邸!」
「………………宮森さん、家の前に何人かいるみたいですけど。」

「ああ、マスコミですよ。小野さんの家に何かが住み着いているってことを嗅ぎつけて、
特ダネにしようとしているんです。」

「…………最ッ低…………。」

「防衛軍は怪獣と認定しなければ動いてくれませんが、海堂さんなら怪獣と認定しなくても
動いてくれるでしょう?小野さんはそれを踏まえた上で貴女に依頼をしたんです。」


「………ああ、なるほど。そういうことですか。」

「防衛軍は怪獣関連じゃないと動かないもんね…………。」

「いつだったっけ?確か、小型怪獣が出たって出動したら野生動物だったって話。
そういうのがあったから、ピリピリしているのよね。」

「………うん。今もしょうもない理由で通報とかあるから余計にね。」
「…………世知辛い世の中だね…………。」


宮森の案内で小野家の敷地内に入った深愛は早速見分を行った。


「………………。」
「どう?」
「これ何かが焼けた後なんだけど……………人の手によるものじゃないね。」
「マッチやライターの火じゃないのは確かみたいね。
こういう色の燃え方しないもの。」

「………澪、わかるの?」

「父方のおじいちゃんが花火師でね。火の取り扱いには口煩かったの。」

「……………あ、なる。」


「深愛さん、こっちに来てください。」


アミの言葉に深愛はわかった、と頷いた。



「………吐しゃ物?」

「………真新しいね、数日中かも。」

「人間の吐き方に似てない?」

「……まぁ、言われてみれば確かに。」


「…………………怪獣が人間に酷似した吐き方する?」

「……………いやぁ、一応することはするんだけど………。
でもそれなら、サイズ的に大きいはず。」

「……………じゃあ、やっぱり小型の怪獣?」
「…………ねぇ、思ったんだけど。」
「何?」
「防犯カメラ、見せてもらうわけにはいかないの?」
「あ、そっか。映っているかもしれないもんね。」




続く。