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拾いもの話

若干パラレルっぽい話をしたいので、パラレル苦手だという方は注意されて下さい。


BLだとよくあると思う、『拾っちゃう』話。受けが攻めを拾うのもありだし、攻めが受けを拾うのもありですよね。何か最近、新八が銀ちゃんを拾う話ばっかり考えてます。『東のエデン』とか『君はペット』みたいな感じなんだけど、パラレルだから設定は現代の東京でしょうかね。

新八は大学へ通う為に地方から上京したての大学生(18)。で、ある雨の日、新八が路地裏のゴミ捨て場にゴミを出しに行った時に銀ちゃんを発見。つってもまともな感じじゃなくて、春とは言え肌寒い小雨が降りしきる中、銀ちゃんはゴミ捨て場に倒れていたという。しかも裸足で。恰好はロンTにジーンズのみ。しかもボロボロで、ダメージ加工ではない破れ方をしたジーンズから見える素肌は怪我をして血が滲んでいる。よくよく見れば、赤いTシャツだとばかり思っていたそれは、銀時自身から流れた血が雨で滲んでそんな色に変容している。

最初、新八がゴミを出した時にふと裸足の足が見えて、『まさか…死体…!?』と青ざめた彼が、そらら辺にあった木の棒かなにかで銀時を突いてみるところから話は始まります。突いてみたところ、一応死体ではなく息はしている。だけれども雨は冷たく、このまま野ざらしにしていたら彼(銀時)は死んでしまうかもしれない。「大丈夫ですか!?」と叫んではみるもののも、銀時は身じろぎはしても目を覚まさない。

雨の中、ゴミ捨て場で一人、しかも裸足っていう銀時の異様さに戸惑うものの(当然犯罪という線も考える)、彼が怪我しているのを放ってはおけずに、新八は自分のアパートに連れて帰る。冷静に考えたら警察か救急車と考えるところだが、何故か今新八の本能がそれを拒絶していた。

で、1Kの自分のアパートに連れて行き、新八はとりあえず銀時を手当てします。傷はそれ程深くなかったから良かったものの、銀時をひっくり返した際にジーンズの尻ポケットに捩込まれている大量の一万円札に驚く新八。ピン札ではなく所々破れたような札は、ざっと見積もっても百万以上はある。いよいよ青ざめる新八。こりゃまずい、確実に犯罪の匂いがする。この男は薬の運び屋か何かじゃないのか?とか、ヤクザ者?とか、様々な考えが素早く頭を通り過ぎていく。

いくらお節介で銀時を拾ってきたとは言え、まだ18歳の新八です。実家の姉に迷惑をかけたくないし、銀時が目を覚ましたら確実に出て行ってもらうことを固く決意。

でもそう上手くいかないのが人生であります。

新八の看病のかいがあってか、翌日目を覚ました男は、『坂田銀時』と名前を名乗る。とりあえずホッとする新八。銀時は新八の作った料理を物凄い勢いで平らげるまでに回復していた。どことなくふてぶてしい男だが(つーか見ず知らずの他人の家で料理をがっつく男ってどうよ)、悪い人ではなさそう。ところが。
新八がいよいよ、「じゃあそろそろ、出て行ってもらえますか」と声を掛けたあたりから事態は急展開を迎える。

「や、俺、しばらくここに住むことにしたわ。えーっと、“志村新八”くん?」(新八の学生証を眺めつつ)。

唖然とする新八。冗談じゃない、何でこんな怪しい男を住まわせてやらなければいけないのか。しかもいつの間に学生証を抜き取っていたのか。そんな気配は微塵も感じさせなかったのに、この男は一体何者なのか。気になることは山のようにあるものの、急いで学生証を奪い返す。

「冗談じゃないですよ!早く出て行って下さい!」と再び青ざめる新八(当たり前だ)。しかし銀時はがんとして譲らない。

「そうしたいのは山々だけどよ、今出てったら俺、下手すりゃ死ぬかも。そうなった目覚め悪くね?」

「なっ…何ですかそれェェェ!!!!あんた一体何者なんですか、何かに追われてるんですか!?今出てったら何かされるんですか!?」

「んー、そうさなァ…ハジキで一発ズドンとやられるか、東京湾に沈むか、どっかのタコ部屋に強制送還か…ってとこ?」

「全部死に直結してんじゃないっスか!紛れもなくデスマーチじゃないですか、行進してるじゃないですか!何あんた、本当に何したの!?」

「言えねーよ。ま、死ぬかもだけどとりあえず出てくわ。俺は死ぬと思うけど、確実に今出てったら死ぬけど、お前は安心だな。な、ぱっつぁん」

「何その言い方!?腹立つ、コイツ腹立つ!」


と、まあこんなやり取りの後に、何故か一週間という約束で銀時を保護(?)することになった新八。お金は百万単位で持っているので、それを丸ごと支払うという銀時だが、新八は遠慮する(しかし銀時は遠慮なく食うので、食費や洋服代等は貰うことにした)。

ここから、新八と銀時の不思議な生活が始まる…みたいな。

一番の根源は、何らかの組織に追われる銀ちゃんは過去に一体何をしたのか?ということですよね。もう普通じゃないもんね、裸足で逃げるなんて。
とりあえず怪しい男という印象。でも不思議と嫌な感じではない(新八サイドから見て)。


しかしながら、一週間という期限付きとは言え、素性も知れぬ男との暮らし。
学生用の1Kの空間に一人の眼鏡と、推定年齢27〜29歳の男との二人暮らし。

何もないって方が無理な話だよね?(うん!)

あるんですよ、色々とあるんです!!二人が暮らし始めて三日ほどたったあたりで。夜中にぎゅっとしたりされたりが!


新八は1K+ロフトの部屋に暮らしておりまして、銀ちゃんをソファーベッドに寝かせ、自分はロフトで布団で寝るという生活をしていました。しかし、ある夜に銀ちゃんがうなされているのを聞き付け、不思議に思って声を掛ける新八。ハッと目覚める銀時。

「大丈夫ですか、銀さん。ずいぶんうなされてましたけど」

「あー…新八か。大丈夫…でもねェな。もう寝れそうにねーわ。なあ、そっち行っていい?」

『は?』と思うものの、先程の銀時の様子が気になる新八は同衾を許すのです。ちなみにロフトには天窓がついてて、仰向けになっていると空が見える設計(細かい)。

で、二人して月も濁る東京の夜を眺めながら(ミスチル?)、とつとつと話をすればいいんです。


「銀さん、家族は?」

「居ねーよ。物心ついた時から、施設で育った。だから、寂しいとか寂しくねーかとか、正直分かんねーな。“一人”の記憶しかない」

「そうなんですか…」


新八は心臓が不意に痛くなればいいと思う。


その日を境に、二人の間に何かが芽生えればいい。運命共同体というのかな、不思議な感情を抱き始めるといい。

そんな話であります。


つーか、逆に銀時に新八が拾われる話も考えてたんだけどそれはまた明日ということで。
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