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拾いもの話・その弐

こんにちは、今日は若干早く登場してみたユカリです。

昨日の、新八が銀時を拾う話の続き…といきたいところなんですが、逆設定の『銀時が新八を拾う』話の事で脳みその容量がパンパンになっているので、先にそちらを書かせていただきます。書き留めておかないと忘れちゃいますからね。

またしてもパラレルなんで、苦手な方はご注意下さい。

設定は再び現代・東京。坂田銀時(27)は、冴えない一人の塾教師であります(担当・高校現国)。天涯孤独に育った彼には、家族がおりません。彼女が居たことは何度かあるものの、長続きしたことは一度もなかった。それが何故なのか、銀時自身にもさっぱり分からなかった。

華やかな容姿の女、家庭的な女、わがままな女…、男には珍しく様々なタイプの女性と銀時は付き合ってはみたが、どの女性も皆、別れる時は同じだった。皆、揃いも揃って版を押したように同じ台詞が口から飛び出しくるのだ。

台詞はいつも一緒。
いわく、「銀時は私を見てない」。

意味が分からなかったが、銀時にはどうでも良かった。ただ、彼女達と自分は一緒なのかもしれないと銀時は思っていた。銀時自身、寂しさを埋める相手、一人きりの孤独を紛らわす相手が欲しいのであって、決してその人間自身を好きになった訳ではなかった。それはおそらく、自分が付き合ってきた女達にも同じことが言えるだろう。

なるほど、それなら彼女達が言う、『銀時は私を見ていない』にも頷けるというものである。なぜなら、彼女達は銀時を見ていないからだ。鏡を覗き込んだ時に写るのは自分自身であって、他人である筈がない。ただ一人続ける、永遠のシングルプレーに銀時は飽き飽きしていた。
どこに居ても、何をしていても、結局は一人だ。誰と付き合ってみても常に感じていた虚無。ギブアンドテイクの“愛”。

銀時の中にある空洞は深く、それは底無しに開いた穴のように果てしないもののように男は感じていた。

そして、それを埋めるのは一生かかっても無理だろうとも。


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と、ここまでが前置きですね(なげーよ)。
で、そんなパッとしていない独身生活を送っていた銀時の暮らしが一変します。ここから昨日と若干被るのですが、どうぞご容赦下さい。
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その日は朝から雨が降っていた。春先なのに肩を打つ滴は冷たく、銀時はサンダル履きのままでゴミを捨てに来たことを後悔した。が、今更引き返すのも面倒である。くわえた煙草が雨でしけらないよう、銀時が傘を持ち直した時だった。

その時、確かに男は見た。何の変哲もない路地裏のゴミ捨て場、灰色の空間の中、切り取られたように鮮やかな色彩を放っている“もの”を。それは人間の、裸足の足だった。

一瞬ほうけたような思考のまま、視線を上にゆっくりとスライドさせる。辿る視線の先に居たのは、薄いシャツとジーンズのみを身につけた眼鏡の少年だった。こんな路地裏に、しかもまだ肌寒い時期に、彼はどこからか逃げてきたように裸足のまま、路上に倒れ込んでいた。

「大丈夫か!?」

叫んで駆け寄り、少年を抱き起こす。雨に打たれた体は冷たいものの、体の芯は暖かい。大丈夫、息はしている。

着ているシャツやジーンズはボロボロだが、目立った外傷はなかった。一点、裸足の足に細かな傷がたくさんできていることが痛々しい。
一見して、着の身着のままどこからか逃げ出してきたという印象である。

銀時が軽く揺さぶると、少年はようやく目を覚ました。眼鏡の奥にある瞳は茶色がかって大きく、黒目がちのそれに自分が大きく写し出されたことに銀時は気が付いた。

「…ここは…?」


少年の問い掛けに答える間もなく、自分の部屋へと急ぎ運び、足の傷の手当をする銀時。少年は名前を“志村新八“と名乗った。

だが、それだけだった。
彼は己の名前以外、その過去や生い立ち、全ての記憶を一切合切失っていたのである。

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…記憶喪失きたァァァ!!ひー、マジでベタだわ、ユカリって本当にベタが好きだな!(ゲラゲラ)

で、ここから銀時と新八の奇妙な共同生活が始まります。

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「…は?ちょ、今お前、何つった?覚えてねぇ?知らねぇ?…つーことはつまり、アレだよほら、何だっけ…」

「記憶喪失…みたいな?」

「そうそう、それ!正解!…つか正解じゃねーよ、正解したくもねーよ今そんなこと!!どーすんだオイ、記憶喪失ってやべーんじゃねーの?」

「す、すみません…」

「あ、いや、別にお前に言ったんじゃねーよ。俺自身の戒めだよ、戒め。何か調子狂うな、テメーは」

「すみません」

「謝るんじゃねーよ。今のは別に謝るとこでも何でもねェ。とりあえず今日は家に居ろ、な?えーっと、”新八“?」

「はい!」



こんな会話をする銀時ですが、内心は、

『謝って済むなら警察いらないからね!あーもうどうすんだ俺、どーしよマジで。こんな見るからにヤバい事抱え込んでるガキなんざ拾っちまって…』

状態です。でも仕方ありません、自分で撒いた種です。テメーのケツはテメーで拭くという信念を昔から持っている坂田さんは、こうなりゃ新八と関わってみるかと腹を括ります。

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新八を観察してみると、分かった事が二つある。彼はどうやら15、16歳くらいだということと、もう一つは夜一人で寝られないという事だ。

彼を一人で寝かせると決まってうなされる。毎回決まりきった悪夢を見るようでいて、起こすとさっぱり覚えていないと言う。それが新八の過去に繋がっているのか否かは置いておいて、正直あまり清々しいものでもない。


「どうにかして寝られねーの?」

「すみません…。あの、坂田さん、一緒に寝てもいいですか」

「は?」

「僕、一人だからダメなんだと思います」

「何だよソレ」

「分からないけど…何となく。ごめんなさい、やっぱりいいです」

「ったく、しょうがねーガキだなァ…ほら、来いよ。あと、“銀さん”でいいから。坂田さんっつーのナシでいいよ、面倒くせー」

「ッ…!!ありがとうございます、“銀さん”!」


新八は急いで銀時の布団に入り、再び目を閉じた。すぐさま、規則的な寝息が聞こえてくる。今度はよく眠れるようだった。

それにしとも、とふと傍らに目を落として銀時は考えにふけった。銀時は、こんな風に誰かと共に寝ることが好きではなかった。子供の頃から一人だったし、何よりそれに慣れていた。誰かの体温を間近に感じるのは、それこそセックスぐらいで十分だと考えてもいた。
ましてやそのセックスも、愛とは程遠い。味気ないガス抜きのような行為の果てに何があるかも、もう知り尽くしている。

それなのに、だ。仕方がないとは言え、自分は今素性も知らない子供(しかも男)と一緒に寝ているのである。
しかし不思議と嫌な感じはしなかった。隣に温かな体がある。それが銀時に不可思議な安堵をもたらしていた。

その安堵が、『新八がいる』という事実に基づいたものであることを、まだ男は知らない。そのような感情を、何の代償も求めないこの行為が何という名前なのかを、生まれて初めて感じた心からの安らぎを、男はまだ到底推し量れそうにはなかった。

自分に生まれつつあった気持ちにそっと蓋をして、隣から聞こえる安らかな呼吸を聞きつつ、銀時もまた眠りの淵へゆっくりと落ちていった。


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怖いくらいのBLがきたよ!(ガタガタ)新八は基本、デレ部を多く出していきたいですな。何しろ、生まれたての眼鏡のようなものなので(眼鏡関係ねーよ)。


新八に何があったのか…とか、気になるところではありますが、とりあえず高杉晋助さんが絡んでいると思うよ、うん(奴か!)。

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裏社会でその名を知らぬ者が居ない程の実力者、高杉晋助。高杉家の潤沢な資金もさることながら、中国やロシアから密輸した非合理の薬物をさばき、違法である銃を地下に横流しするなど、彼の黒い権力は今や警察も見逃すことができぬまでに大きくなっていた。しかし、高杉は迂闊に尻尾を出さない。秘密理に彼を追う近藤・土方・沖田ら、警視庁捜査一課の刑事達。そんな三人に、ある日朗報が入る。

それは、『高杉がとある少年をさがしている』というものだった。

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何か新ちゃんはヤバい事件に絡んでるんでしょうね。新八は晋助のグループの末端だったでもいいし、もしくは母親の違う晋助の異母兄弟でもいいし(父親は晋助よりもっとヤバい人物…って、相当ヤバくね?)、または単純に晋助の恋人だったでもいい!

恋人っつーか、ペットみたいな?首輪で繋がれて飼われていたみたいな(趣味)。

異母兄弟の場合もアレです、晋助の歪んだ愛情を受け止めきれなくなった末の奔走。もしくは、死にかけた父親が『新八に権限を全て譲る』とか言い出して、身の危険を感じた新八は兄にさとられぬように奔走。そして事故って、記憶喪失。

ま、どちらにししろ新八への晋助の歪んだ愛情が引き金になってるんだけどね☆彡(着地点は一緒だな)



何かちょっと昼間から日記を書きすぎました。もはやコレ日記?っていう疑問符を残しつつ、明日に続きます!
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