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ACT6-(7)

「………そっか、真琴ちゃんは澪ちゃんと同級生なんだ。」
「はい、仕事の時とかはいつもノートを貸してくれるんです。」
「あー、わかる。私も仕事の時はクラスメイトに頼んでノートを取ってもらっているから………。」
「満月さん、大変ですよね。
音楽作家兼デザイナーとして活躍しているだけじゃなくて、
女優としても活動しているんですから!
憧れちゃうんですよねぇ。」
「そうかな?」
流れるプールでゆらりゆらりと流されながら、満月は真琴と話をした。
「…………そりゃ、清光は男じゃないとダメだ、とか華奢さがどうしても受け入れられないー、とか
よく聞きますけど、演技に性別なんか関係ないですよね。」
「そうそう、ド素人がそんなことを言うのはどうなんだ?って話だね。」
「私、満月さんの演じる清光、大好きです!」
「そう言ってくれると嬉しいなぁ。」
「お嬢様、あそこにウォータースライダーがありますよ?」
「え?ホント、芳樹さん行きましょう!」
「あはは、良いけどね。」

ウォータースライダーを楽しんだ芳樹達は昼食を摂ることにした。
和泉守が人数分の昼食を買ってきてくれた。
「ありがとうございます、和泉守さん!」
「………何か、凄いスタイルが良いですね、和泉守さん。
あ、いや、堀川さんもですけど。
何処をどうやったらそんなナイスバディな体になれるんですか?」
「よく食べてよく動くことだな。」
「そうですね。
ぐーたらしていたら、筋肉が脂肪になっちゃいますから。」
「………な、なるほど………。」



「おい見ろよ、すげぇ美人!」
「ホントだ、あれって姫宮満月ちゃんじゃね?ぺちゃぱいだよなぁ。」
「ばっか、お前命知らずか!?守り刀に聞かれたら死ぬぞ!」



「…………………。」
「…………お嬢様、落ち着いてください!」
「離せ、離して!一撃を入れないと気が済まない!」
「奇遇だな、私も一撃を入れないと気が済まないタチだ。」
「和泉守も落ち着きなよ…………満月ちゃん、そんな卑屈にならなくてもいいって。
ぎゃふんと見返してやればいいだけの話なんだし。」
「そうですけど、なんか腹立つぅぅぅ!!」

「…………ぺちゃぱいって禁句なんだね………。」
「…………で、でも、胸がありすぎるとサラシとかそう言うの巻いて演技しなくちゃならないから
ぺちゃぱいの方がかえってやりやすいんじゃ…………。
それに将来的な話をすると、満月さんムチムチボディになりそう………。」

澪の言葉に満月はあげていた腕をおろした。

「………ムチムチボディになる?私が?」
「今は無理ですけど、将来的には………なるんじゃないですか?
だから一撃を入れるのはムチムチボディになってからでも遅くないかと!」
「…………まあ、それなら仕方がないかな………。」

満月の言葉に澪と真琴はッとした。




続く。

仲良しこよし

「………あ、ルリちゃんいいなぁ。色違いのラルトス持ってる!」
「ホントだ!」
「すっげぇ!」
小児科病棟でラルトスと散歩をしていたルリは同じく長期入院している子供達から、
羨望の視線を向けられた。
「お姉ちゃんが私にプレゼントしてくれたの!」
「そうなの?」
「優しいお姉ちゃんだね。」
「ルリちゃん、良かったわね。」
「パパもママも仕事で忙しいけど、これからは大丈夫って言えれるし平気!」
「まぁ、良い子に育っちゃって………。」
「ねぇねぇ、ラルトス何を覚えているの?」
「うーん、お姉ちゃんそこまで言っていなかったし。
…………この子、戦うの嫌いなんだって。」
「そうなんだぁ。」
「ねぇねぇ、この赤いツノみたいなの触ったらダメ?」
「ダメだよ、吃驚しちゃう!」
和気藹々と話をするルリ達に看護師はうふふ、と笑ってラルトスを見た。
「貴女が来てくれて、本当に良かったわ。
皆、良い顔をしているもの。」
ラル?とラルトスは看護師の顔を見て首を傾げた。
「退院してくれるのが1番いいんだけど、ここにいる子達は長期で入院しているから
結構寂しい思いをしていてね。
だから、仲良くしてあげてね?」
看護師の言葉にラルトスは元気よく返事をした。


『そっかぁ、皆の人気者になったのね。』
「うん、ありがとうお姉ちゃん。」
『いえいえ、こういう形でしか見舞うことできないもの。
………あ、そうだ。またポケモン送るわね。
何がいい?』
「え、選んでもいいの?」
『うん。OK、OK。伝説のポケモン以外なら、何とかなりそうだし。』
「んとね、んとね!イーブイがいい!できればメスの!」
『…………イーブイか、メスの比率低いけど頑張ってみるよ。』
「わーい、お姉ちゃん大好き!」

その日、ヒスイとの電話を終えたルリはニコニコ笑顔になっていた。
「楽しみだなぁ、イーブイが来るの!」



「……………ウルガモス、シャンデラ。頑張ろうね………。」
ヒスイの言葉にウルガモスとシャンデラは、えいえいおー、と体を動かした。
「…………まあ、言った手前はね?何とかしてあげたいのがお姉ちゃんなのよねぇ………。」





終わり。

あなたと、私と。

「………………うーん、戦いたくないのかな?」
育て屋から貰ったタマゴから孵化させたラルトスは、戦うことを嫌がっていた。
「まあ、臆病な性格だから仕方がないのかもと言えばそうかもだけど………。」
ヒスイの言葉にラルトスは顔をふさいだ。
「あ、別に貴女が悪いわけじゃないのよ。ポケモンの中には戦いを嫌う子もいるから。
……………あ、そうだ。だったら、妹のところに行かない?」
ラルトスはヒスイの言葉に首を傾げた。
「妹、病弱で長期入院しているの。話し相手になってくれると、嬉しいな。どう?
妹のところだったら、戦う必要もないし。」
その言葉を聞いたラルトスは、パァと顔を輝かせた。


ヒスイの妹であるルリは朝からそわそわしていた。
姉であるヒスイが贈り物をしたいということで電話をしてきたのは昨日の話。
「何だろうなぁ、お姉ちゃんが贈り物をしてくれるなんて。」
「ルリちゃん、楽しみにしているわね。」
「うん、だってお姉ちゃんが贈り物をしてくれるの珍しいもん!」
看護師の言葉にルリはにこにこと笑った。
「ちわーす、ルリさん宛にお届け物です!」
個室病室で看護師と話をしていると、宅配業者がやってきた。
受取人のサインをして、小包を貰ったルリは早速開封した。
「…………え、モンスターボール…………?」
「………あら、ポケモンかしら。早速出してみたらどう?」
「うん!」
看護師の言葉にルリはモンスターボールを手にするとポンと投げた。
「ラル!」
中から現れたのはラルトスであった。
「わぁ、ラルトスだ!お姉ちゃん、私がポケモン欲しいって言っていたの、覚えててくれたんだ!」
ルリは満面の笑顔を浮かべると、ラルトスを抱きしめた。
「初めまして、ラルトス!よろしくね!」
ニコニコと笑うルリにラルトスは嬉しかったのか、照れ笑いをした。
「………あ、でもなんかラルトスの色、違うような………?」



『…………あ、ラルトス届いた?』
「うん、届いたよ!………あ、お姉ちゃん。ひょっとしてこのラルトス、色違い?」
『そうだよ。でもあまり戦いたくないみたいでね。
あんたの話し相手になってくれる?って聞いたら、二つ返事でOKしてくれたの。
大事にしなさいね。』
電話でヒスイと話をしたルリはうん、と頷いた。
「ありがとう、お姉ちゃん!」
『どういたしまして。一緒にいてあげられなくて、ごめんね。』
「仕方がないよ、お姉ちゃん旅をしているんだもん。」
『他に欲しいポケモンいたらいつでも言ってね。捕まえるなり育てるなりなんなりするから。』
「うん!」


終わり。
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