「…………はぁ、疲れた…………。」
「深愛、お疲れ様。」
「海堂一佐、お疲れ様です。」
甲板に降り立った深愛に涼子と氷雨は労いの言葉をかけた。
「深愛さん、お疲れ様でした。」
フェアリーに乗ったアミとティエが甲板に近づき、深愛に声をかける。
「…………インファント島の先住民達もどうもありがとう。
黄色い汁を大急ぎで作ってくれたんでしょ?」
「少量しかできませんでしたが。」
「まあ、それでも大丈夫だって。………多分。」
そういうと深愛は氷雨から薬を受け取り、一気に飲み干した。
「………はぁ、日本に戻ったら食べ放題の店に行きたい………。」
「…………ね、値段が安い店知っているから、行こう?ね?」
「うん。」
「………深愛さん、涼子さん。親モスラが………。」
「………え、何?もう寿命なの?」
「…………タマゴから子供が孵ります。」
「……………そっか……………。」


インファント島に戻った深愛と涼子をそして、ついてきた氷雨を前に、親モスラは何かを言った。
「ねぇ、何て言っているの?」
「子供のことをよろしく頼む、と言っています。」
「…………そうなんだ。」
祭司長達が祈りの歌を歌うなか、鱗粉が舞う。
アミとティエが歌を歌い、深愛と涼子は親モスラの死を見届ける。
「………………綺麗。」
「うん。………今から死ぬとは思えないぐらいに…………。」
タマゴにヒビが入り、中から幼虫が現れる。
それを見届けた親モスラの眼球から光が消えた。
「……………………。」
「………………我々防衛軍はとんでもない過ちを犯しました。
それは決して許されないことだと思っています。」
「………うん。でも、それをしなければならないほど追い詰められていた………。」
「………守らなくちゃならないよね、こういうのって。」
「…………そうですね。」
氷雨と涼子の会話を聞いた深愛は、生まれてきた幼虫を見守った。
「……………………………。」
「……………深愛さん、ありがとうございます。子モスラの誕生を見守ってくださって。」
「…………ううん、どういたしまして。こちらこそ、親モスラと会えて良かったよ。」
「……………深愛さん…………。」



続く。