学校での1件が契機となり、咲良は正式に審神者となった。
多忙である両親に一応、連絡はしたものの、取れなかったので留守電に
審神者になったの一言だけ入れておいた。

学校が終わった後、咲良は小狐丸と共に高級車に乗せられ、本丸に案内された。

「初めまして、審神者様。私、時の政府の遣いである管狐のこんのすけと申します。」
「よろしくね、こんのすけ。」
「早速ですが、この5振りの中より1振り初期刀を選んでください。」
「…………初期刀、小狐丸なんだけど。」
「でも規定は規定ですから。」
「…………規定なんだ。んー………じゃあ、この加州清光って子で。」
「新選組の沖田総司が使っていた刀ですね。了解しました。」

4振りの刀が消え、1振りの刀が残った。そして咲良は言われた通り、霊力を注ぎ顕現させた。


「あー、川の下の子。河原の子。加州清光、扱いにくいけど性能はいい感じってね。」
「……………あらやだ、可愛い。」
「可愛くしてるから、大事にしてね。」
「するする。というか、ガールズトークができそう。」
「主様?」
「ああ、もちろん小狐丸のことも忘れていないよ。」
「それでは審神者様、鍛刀いたしましょう。」
「どうするの?」
「依頼札と手伝い札、そして資材がありますのでまずは資材の配分を。
ちなみに刀種によってレシピが違いますので、お気を付けください。」
「え、嘘、面倒くさいな!?」
「主様、気を確かにお持ちください。」
「…………まぁ、頑張ってみるか。」


そして、咲良は鍛刀をした。

「………三日月宗近。打ち除けが多い故、三日月と呼ばれる。よろしく頼む。」
「大和守安定。扱いにくいけど、いい剣のつもり。」

「ぼくは今剣。義経公の守り刀なんですよ、どうだすごいでしょう!?」

「俺は和泉守兼定。カッコよくて強い最近流行りの刀だぜ!」
「すみませーん、こっちに兼さん………和泉守兼定は来ていませんか?
あ、僕は堀川国広です。どうぞよろしく。」

「物吉貞宗と言います、今度は貴方に幸運を運べばいいんですか?」


「………………おや、三日月殿。いらしたのですか。」
「おお、小狐丸。既に来ていたのか。」
「神社で主様を呼び続けていたところ、応じてくれたのです。」

「そうだったんですかぁ。」

「何だ、清光。いたんだ。」
「げ、安定…………。」
「兼さん、会えて嬉しいよ。」
「おぅ、俺もだぜ、国広。」


「初めまして、主様。よろしくお願いしますね。」

「…………三日月宗近って言ったら、天下五剣の1振りだよね?今剣は義経公の守り刀だし、
兼さんと国広は土方歳三の刀、安定も沖田総司の刀、物吉は徳川縁の幸運の刀だし………。
うわ、結構有名どころの刀ばかりじゃん。」

「主、結構刀に詳しいんだね。」
「社会科の授業で習ったけど、ふんわりとだけだよ?
そこまで詳しくないって。」
「そっか。」
「…………とりあえずはこの7振りで頑張ろうか…………。」



続く。