「……誰?」
「………櫻井浩二さん。父親が確か、防衛軍の在り方を批判していた人物だって聞いたわ。」
「……質問タイムはまだなんですけど。」
「いいじゃないですか。どうせ、質問攻めするんでしょう?
ちょうど防衛軍のエリートもいることだし。」

「…………ねえ、深愛。防衛軍って非人道的な実験をしていたの?」

「私が聞いた限りではそういうのしたことないよ。というか私の立場でも調べることは無理だと思う。
防衛軍って都合の悪いことは全部隠したがるから。」
「じゃあ、実際にやったことがあるんですか?」

「それはわからないですね。私、父親に聞いたことあるんですよ。
非人道的な実験をしたことがあるのかって。
そんなこと聞いてどうするんだって殴られましたけど。」

「殴られたの?随分と暴力的な父親ね。」

「今は離れて暮らしているけどね。」

「私の父親なんか、逆に過保護よ。アイドル活動を最後まで反対していたもの。」
「………うわ、そう言う父親が欲しかったな。」

「その非人道的な実験と言うのは具体的に誰が何のためにやったのかってわかっているんですか?」
「………それは。」

「具体的な内容もわからないのに、ただ非人道的な実験をしていたのかを聞くなんて。」

「……………そ、そうですよね。外っ面だけが先行していたって感じがするというか何というか…………。」

「でもまあ、1つだけ言えるとするなら、防衛軍の全火力をもってしても敵わない存在がいて、
それがゴジラだったということですかね。」

「ゴジラは強いです。」
「モスラでも勝てるかどうかわかりません。でも防衛軍と力を合わせれば、何とかなると信じています。」

アミとティエの言葉に深愛はそうだね、と頷いた。

「でも1番怖いのは人間です。ゴジラを倒すためなら手段を選ばないとうところが恐ろしいと私は思います。
出来れば相互理解をしたいところなんですけどね……………。」



続く。